一星龍さんの小説14
本文
夢を、見ていた。
俺は基本悪夢しか見ない。例外はあるもののやはり悪夢が多い。
だから、夢は嫌いだ。いつもあの光景。そう、俺と林檎と飛鳥の、どうしてもあの場面を思い出してしまう。
だが今日の夢は違った。少なくとも悪夢ではない。
だがいつものようにはっきりとしている訳ではない、霧がかかったような、そんな表現が適切だろうか。オレンジ色が霞んでぼやけて見える。
(何の・・・夢だ?)
そう思い、俺は脚を動かそうとする。
だがそれはできなかった。どうやら俺は完全に傍観者としてこの夢にいるようだ。
少しして、霧が少しだけ晴れる。二人人影のようなものが見えた。そして声も聞こえた。
『まふ・・、・・ぱい・・・・す・・・。・・なに・・・・・・・・・し、・・・・き・・ん』
途切れ途切れに、誰かの声が聞こえた。
聞き覚えのある声・・・そうあれは・・・・あれは・・・・・
*
朝。
まぎれもなく平日の朝。
鍵はさっきまで見ていた、夢のことを思い出そうとしていた。
だが人の夢なんて曖昧な物。思い出そうとしても思い出せることは少ない。
(あれは、なんだったんだ?)
夢を見たということは覚えてはいるが、内容は覚えていない。それもごく普通のことだ。
鍵はふと、時計を見てみる。
現在時刻は、7時12分。いつもよりは少し遅いがそれでも遅刻するほどの時間ではない。
「ふぁ・・・・・っ・・・・。ちょっと急ぐか」
鍵は一つ欠伸をし、先ほどまで考えていた、夢の事を記憶の隅に追いやった。
*
4時限目の数学が終わり、昼休みになる。
鍵はいつものように昼を済ませようと鞄に手をかけたが、中目黒に声をかけられた。
「杉崎君。杉崎君」
「ん?どうした中目黒?」
「あの、さっきの授業でちょっと分からない事があったんだけど、いい?」
「別にいいが・・・・俺は頭がいいだけで、教える技能はないぞ?」
「またまた、謙遜しないでよ。少なくとも杉崎君は先生よりかは頭いいはずだよ」
教卓にいたその先生が少し涙ぐんでいたのは見間違いではないだろう。
「お前は俺のことどこまで過大評価してんだよ・・・・」
鍵は頭を抑えて嘆息した。
「えっと、それで例題3の問題なんだけど・・・」
「ああ、それは・・・」
その瞬間。
鍵に頭痛が訪れる。
頭痛というほど痛くはなく、違和感というには生易しいものだが、それは訪れた。
◆
『うぅっ・・・・私としたことが、小銭を落としてしまうとは・・・・・』
◆
たったそのワンフレーズだけだが、5~10秒の間、鍵は意識を何かにとられていた。
「ぅっ・・・・・・ぐっ・・・・・」
「すっ、杉崎君!!?」
中目黒は一瞬とはいえ鍵がよろけたのを見逃さず、そして過剰に反応していた。
「だっ、大丈夫!?どうしたの!?」
「・・・い、いや・・・なんでもない・・・大丈夫・・だ・・・」
実際、どこかがおかしいというわけではない。少しよろめいただけに見えるだけで、中目黒が過剰に反応しているだけだから心配するほどの事ではない。
だが、それは、
周りから見ただけで、
鍵の身に起こった事を知っている訳ではない。
鍵の身には、
あるビジョンが浮かび上がっていた。
(今のは、一体・・・・・)
音声だけしか伝わらなかったが、明らかに違う場所で起こっていることを聞かされたような感覚だった。
「ほ、本当に大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。」
鍵はその違和感がなんなのか不審に思ったが、それを無視した。
*
中目黒に分からない所を教え、鍵はその後に自分が飲み物を買っていない事を思い出した。
(今から行くと並ぶが、仕方ないか・・・・・)
鍵は億劫だと思いつつも自動販売機で飲み物を買いに行く。
廊下を歩いていたら、偶然すいている自動販買機を見つけた。
一番前の女子(?)がなにやらしゃがんで地面に顔をつけている。
「あれは・・・・巡か?」
巡・・・みたいな女子が顔を地面につけて、何か探しているような雰囲気だ。
「うぅっ・・・・私としたことが、小銭を落としてしまうとは・・・・・」
「おいおい、アイドルともあろう者がそんな事していていいのか?」
「えっ?・・・って、うわっ!杉崎!」
巡が俺に気づいたようで急に頭を上げる。
「なにやってんだよ?」
「いや・・・その・・・あははー・・・」
鍵も馬鹿ではない。なんとなく察する事は出来る。おそらく、っていうか間違いなく小銭を自販機の下に落としたとかだろう。
「・・・いくら落としたんだよ・・・・」
「えっ?・・・えっと・・・500円・・・・」
「・・・流石に500円はやれんが、ジュース一本くらいならおごってやるぞ?」
「えっ!?ほんとに!?流石、杉崎!私の下僕!」
「お前の下僕になった覚えはない!!」
「あら、そう」
*
(そういえば、さっきの頭痛っぽいやつで聞いた声と全く一緒だったな・・・)
昼休みが始まって少ししたときに頭痛がおき、そのとき聞いた声も小銭を落としたといっていた。そして巡も小銭を落としていた。
(これは偶然・・・・なのか?)
ただ単に少し想像してそれが当たったぐらいならともかく、頭痛みたいな違和感が訪れた後に声が聞こえ、それと同じものをさっきまた聞いた。鍵はこの一連の事をどうにも偶然とは思えない。
そんな事を考えていたら、
また
その頭痛のような違和感が襲ってきた。
◆
赤信号
『・・・・・』
また赤信号
『・・・・・・・・・・』
またまた赤信号
『・・・・・・・・・・・・・・・』
まだまだ赤信号
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
さらに赤信号
『だぁっーーーーーーっ!!!!!!!なんでこんなに、赤信号に引っ掛るんだぁーーーーーーっ!!!!』
◆
今回は映像も見れた。今の映像は鍵が赤信号に何度も引っ掛るというもの。
(いやいや、まさかそんな事は・・・・・・)
ないと信じたいが、人間は少なからずマイナス思考をしてしまう生き物。あんなものを見せられてしまえば多少疑心暗鬼に陥るのは普通のこと。
(・・・・・・・まさか、な・・・・)
鍵は無理やりその不安を消した。
そしてその日の帰り道。
赤信号
「・・・・・」
また赤信号
「・・・・・・・・・・」
またまた赤信号
「・・・・・・・・・・・・・・・」
まだまだ赤信号
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらに赤信号
「だぁっーーーーーーっ!!!!!!!なんでこんなに、赤信号に引っ掛るんだぁーーーーーーっ!!!!」
全く同じ事が鍵に起きていた。
「ったく、なんだよ!!そんなに俺は信号機から嫌われているのかよ!?」
鍵は錯乱しながらも、また自分が突然見た、あの映像のことを思い出していた。
確実に自分が見たことと同じ事が自分の身に起きている。
「これは一体なんなんだよ・・・・・」
流石に鍵も不審に思えてきた。自分が見たあれは何なのか。自分の体に何が起きているのか。
考えられるものは沢山ある。だがその中で鍵が一番考えていたのは、
未来予知だった。
*
自宅に帰ってきていまだにあの頭痛のような違和感は訪れない。
今日だけで二度も予知のようなものを体験した。そして二度とも当たっていた。
鍵は帰宅してから予知を何度も試みたが、一度も出来なかった。
このことからあの頭痛のような違和感がないと予知は出来ない。
そう考えた。
(なら、今日の朝に見た夢みたいのも・・・もしかしたら)
頭痛こそ起こらなかったものの、何かをみた記憶があった。
だが何を見たかなんて今日の朝の時点で忘れていた。鍵には思い出したくても思い出せはしなかった。
(もしかしたら、また寝れば続きが見れるかも)
鍵はそう思い、床についた。
だが眠気なんてものは当然起こらない。しかもまだ夜の7時前。
夕御飯さえ食べていなかった。
(いいや、普通に過ごしていたらもしかしたらまた予知みたいな物が見れるかもだし)
鍵はそう思い布団から出た。
*
椎名真冬は戸惑っていた。
自分が今抱いている感情が何なのか。それが分からなかった。
いや、なんとなくは察していた。この感情は好意であるということぐらいは。
ある男性を見ていたら、何故か異常なほど心臓がなっていた。
こんな事は少女にとって初めてで未知の体験だった。
枕を抱き一人考える。
(真冬は・・・真冬は一体・・・どうしちゃったんでしょう・・・・)
自分は男性が苦手なはず。姉の深夏からそう教え込まれて、男性どころか女性でも得意というわけでもなかった。
だが、その男性と一緒にいると手が汗ばみ、心臓が高鳴り、顔が綻んだ。
逆にいないと、心にぽっかりと穴が開いたような感じがした。
気が付くといつもその人のことを考えていた。
目が合ったりするだけで心拍数は跳ね上がるし、他の人、たとえば会長や知弦を口説いているのを見ていると心がキュウキュウ締め付けられるようだった。
(ほんとに、真冬は・・・・一体・・・・・)
「杉崎・・・先輩」
思わず声に出してしまう。それほどに意識をしているのか。彼のことを考えていると、何も出来なくなる。オンラインゲームをしても、BL小説を読んでも、ブログを更新させても気を紛らわすことができない。
「先輩・・・・・真冬は・・・・・もしかしたら・・・・」
この気持ちに確証がもてない。好きなのか、それともただの興味なのか。それとも他の感情なのか。
それに、真冬にはもう一つ気がかりがあった。
母親が内地の人と付き合っているということだ。もしかすると近いうちに転校とかしてしまう可能性があるかもしれない。
そうなったら告白しても意味がなくなってしまう。
だから、真冬は一歩踏み出せずにいた。
臆病だとは分かっている。弱虫だという事も分かっている。
だけど、その一歩を踏み出すのが凄く、怖かった。
一人の少女には、大きすぎて難しすぎる問題だった。
*
また夢をみていた。
昨日見た夢。おそらくそうだった。ただ違うのは、昨日よりもはるかに鮮明だという事。
夕暮れの、生徒会室。
立っているのは・・・・俺ともう一人。
そのもう一人はとても見覚えのあるシルエット。
白いリボンをつけていて。
長い髪の毛で。
そして、頼りなそうだけど、芯が通っている。
あれは
そう
真冬ちゃんだった。
*
翌日。
生徒会室。
今のこの部屋には真冬と・・・・以外にも真儀留がいた。
微妙で重い空気の中、二人とも喋りだす事が出来ない。というか、真冬だけが気まずそうで真儀留は鼻歌とか歌っていて暢気そうだった。
「あ、あの真儀留先生っ」
「ん?何だ椎名(妹)」
「先生は仮にも、先生ですよね?」
「・・・・なんだその問いは?お前がどんな気持ちで言っているのかは知らんが気持ちしだいでははったおすぞ?」
ギラリ。真儀留の目が妖しく、なおかつ禍々しく光る。
真冬はそれに若干ひきながら
「いや、その・・・・先生にちょっと相談したい事があって・・・・」
「ほほう、珍しいな。私に相談が持ち込まれるなんて」
(それってどういうことですか・・・・)
真冬は自分の中で起こった疑問を無理やり消した。
「えっと・・・それで・・・相談は・・・」
「ああ、いいぞ別に。聞いてはやる。答えるかどうかは知らんが」
「えぇー・・・・いや、まぁいいです。とりあえず聞いてください」
「おう」
「えっと、あ、あの。真冬には・・・・好きな人がいて、でも真冬はすぐに引越しとかでこの場からいなくっちゃうから告白とかが出来ないみたいな状況のとき。・・・・・どうしたらいいと思いますか?」
思いっきり自分のことを言っていた。だが真儀留はそれをなんとな~くどういう意味か理解した。
「私に恋愛関連を持ち込んでくるとは、お前も堕ちたものだな。椎名(妹)」
「藁にも縋る勢いなんです」
「ぐっ・・・・私は藁扱いか・・・・まぁ、いい。椎名(妹)お前に一つだけ言っとこう。」
「ふぇ?てっきり答えないかと・・・・」
「私はそこまで鬼じゃない。お前に言うことそれは」
「躊躇うな。」
「別にそんな宇宙刑事的なことを聞きたいわけじゃないんですけど・・・・」
「まあそれでも躊躇ったりするな。ほろ、恋愛ゲーでよくあるだろ。主人公にずっと思いを寄せていた幼馴染はどこからか現れた転校生メインヒロインに主人公をかっさられるっていうことが」
「まぁ・・・・ありますけど・・・・」
「そうなったら、仕舞いだな。私に言わせれば」
「・・・・・・・真儀留先生はどうなんですか?」
「・・・・・・・・・椎名(妹)よ。この世の中聞いて良い事と悪い事があるんだぞ」
真冬は悟った。この人は負けたんだなと。
「負けてなどいない!!勝ちを譲ってやっただけだ!!」
「はうっ!?心を読まれました!?」
「ちぃーっす。あれ?珍しいですね。この組み合わせは」
そして、主人公これでもかという位のタイミングで登場。
*
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
今、この生徒会室には二人しかいない。無論、鍵と真冬だけだ。
真儀留は「後は若いもんでやっていろ」とのことで何処かに行ってしまった。
真冬は真冬で困惑していたし、鍵は鍵でこの空気の重さの中喋れずにいた。
真冬はこの重い空気の中、決断を迫られていた。
無論、告白するか否かだった。
真冬はさっき真儀留にアドバイスをもらったのにもかかわらず、まだ決められずにいた。それが普通ではあるが、真冬はやはりまだ怖がっていた。告白したとして断られる事。受け入れてもらっても、すぐに離れてしまうかもしれない事。さまざまな不安要素が、真冬の頭の中を駆け巡っていた。
(真冬は・・・真冬は・・・・・)
下を俯いたまま、顔を上げることが出来ない。それだけの勇気さえもない。
だが、真冬は意を決した。
自分の気持ちに素直になろうと決めた。
もう逃げないと、心に決めた。
「先輩。あの、お話があります。」
重い空気の中真冬が口を開けた。
「ん?あ、えっと・・・何かな真冬ちゃん」
鍵はこの空気を和らがせるために、笑顔で答える。
「真冬は・・・あの、その・・・・・え、っと・・・・」
告白しようという勇気は出せたが今度は言う勇気が必要だった。もともと真冬は引っ込み思案な少女だ。趣味の事になれば積極的なものの、基本消極的。
「あの、先輩っ!」
「は、はいっ!」
「ま、真冬は・・・真冬は・・・・・」
そういって一度深呼吸をする。
「真冬は、先輩のことが好きです。もう何にも代えられませんし、我慢できません」
「真冬と、付き合って、くれますか?」
夕暮れの教室の中。
少女は思いを告げた。
鍵は一瞬思考が止まった。
女子に告白される経験は二度目。だがこれほど正面きって言われれば、戸惑いもする。
(落ち着け!!杉崎鍵!!告白とかそれよりも、まずは心を落ち着けろ!!)
鍵は心の中で自分の戸惑い、揺らぐ心に平静さを取り戻すようにする。
「ありがとう。真冬ちゃん。とっても、嬉しいよ」
「あ、ありがとうございます・・・・・その、それで、先輩は・・・・その」
「俺も真冬ちゃんが好きだ。」
「・・・・・・・・・・・・ふえっ!!?」
「くくっ・・・いやぁ、不意討ちってものは意外と効くでしょ?真冬ちゃん」
「ふえっ?っていうか、不意討ちって、ひどいですよ先輩!」
「いや、ごめん。でも、真冬ちゃんだってしたんだよ?」
「うぅ・・・・」
真冬がたじろぐ。
「真冬ちゃんが付き合いたいと言うなら、俺もそうしたい」
「いや、でも、先輩。あの、ハーレムは・・・・」
「確かにそれも大事だけど、真冬ちゃん。俺はそのせいで君を失いたくはない。だったらハーレムなんて喜んで捨ててやるさ」
「そ、それじゃあ・・・・」
「真冬は、キス、したいです!!」
「えぇぇっ!!!?いきなり!!?」
「だってこの数週間ずっとそのことで頭を悩ませていたんです。それ位はいいじゃないですか」
「いや、俺だって出来るものならしたいけど・・・・・・・・」
「だったら・・・・んっ・・・・」
真冬が鍵に向けて唇を差し出す。
鍵は真冬の肩を掴みそっと自分の唇を真冬の唇と触れ合わせた。
*
鍵は真冬をそっと押し倒す。
「あ、あの、先輩。さ、流石にこれは早すぎるんじゃあ・・・・」
「でも、真冬ちゃんが言ったんじゃない。したいことをしてもいいって」
「で、でも!!いきなりこんなことされるとは思いませんよ!」
「じゃあ、止める?」
「ふえ?」
「どうしても嫌なら、流石に俺も止めるけど・・・・」
「・・・・先輩はずるいです。そんな事言われたら断るに断れないじゃないですか・・・・」
真冬と鍵はもう一度唇を重ねあう。舌を入れ、舐めまわす、大人のキス。
生徒会室には淫らな水音がなっていた。
「んむっ、ちゅっ、ん、ちゅっ、じゅぷっ・・・・・ちゅくっ、ちゅぷっ、ちゅっ、くちゅっ・・・んふぅ、んむ、ちゅぷっ、ちゅっ、くちゅっ」
鍵には女性経験などまるでない。エロゲをやっていてもまともに見ていないため、それもあまり頼りにならない。
だが、男性としての本能で、手が勝手に動き真冬の胸の辺りに手を伸ばす。
「んっ・・・触るん、ですか?」
「あっ、ごめん・・・・」
「謝らなくても、いいですよ」
真冬が制服のボタンを一つずつ取っていく。
そしてすぐに真冬の下着が見えるようになった。
「なっ!?な、なにやってんの!?真冬ちゃん!?」
「?だって、邪魔じゃないですか?これ」
「いや、そうだけど・・・・」
「だったらいいじゃないですか」
鍵は照れつつも真冬のその姿を凝視していた。
日焼けという言葉に全く無縁そうな真っ白な肌。
ピンク色のブラをつけて、多少小ぶりだがちゃんとある胸。
鍵は心を奪われていた。
「ごめん真冬ちゃん。触るよ」
下着越しに真冬の胸に触る。
ふにゅ
やわらかくてそれでいて少し弾力性のある感触。そして下着越しでも十分分かるほど真冬の胸は高鳴っていた。
「ふあ・・・・・ん・・・・・・」
「真冬ちゃん。下着、ずらすよ」
「・・・・・・・はい」
真冬の裏を上にずらす。そこにはつんと上に立っている乳首があった。
鍵はそれを徐に摘む。
「ふあっ・・・・・んくっ・・・・・あっ、クリって、しちゃ・・・んっ・・・・あふっ・・・・・」
鍵は、いつの間にかあいていた真冬の股間へと手を侵入させる。
ちゅく
「っ・・・・や、ぁっ・・・・そこ・・・はっ・・・・」
「もう、濡れちゃってるんだね」
「やっ・・・・そんな、こと、はっ・・・・・ふあうっ・・・・・」
「真冬ちゃん。もっと気持ちよくなってもいいんだよ。どこがいい?」
「うあっ・・・・く、っ・・・ヒあ・・・・ぅ、っ・・・あっ、そんなに乳首、いじめちゃ、あうっ・・・・」
「そうか。もっと乳首がいいんだね。」
鍵は真冬の開いているほうの乳首にしゃぶりつく。
「ああうゅんっ!ふあっ、せんぱ、い・・・そこっ・・・ひやっ!・・・あう、っ、くぅっ」
「ただしゃぶりついただけなのに、そんなにいいの?」
鍵は舌も使い、真冬のそこをなめ、秘部の中に指を入れ弄り回す。
「――――っ!!!、あっ、はぁぁぁっ!!!・・・すごっ、そこ弄られちゃうと、うあっ、ふあ――――っ!!!!!、だ、だめぇっ、そこ舐めないでっ、うくっ、ひぁっ・・・あっ、くぁうっ・・そこっ・・・・やだっ・・ふくっ、ふぁっ、あ、あんうっ!!!」
「んあっ!やああああぁっ!ダメェ!先輩に見られながらイッちゃうぅぅ・・・!ああんっ!」
グチュグチュグチュと水音と共に指と膣口の合間から潮が噴き出した。絶頂に達した真冬は身体を痙攣させている。
「だ、大丈夫?」
真冬は絶頂に達したばかりの顔を上げる。羞恥に顔を真っ赤にして、息を切らせて荒い呼吸をしている。涙にうるんだ瞳が鍵をさらに高ぶらせた。
「真冬ちゃん、ごめん。もう我慢出来そうにないんだけど・・・・良いかな?」
「や、やさしく、してくださいね・・・?」
鍵はこくりと頷いた。
*
「ふあっ・・・こんなに、大きくなっちゃうんですね。男の人のって・・・」
「あ、あんまり見ないでくれる?」
「先輩だって散々酷いことしたじゃないですか。これくらいの仕返しぐらい別に・・・」
「ま、まぁそうだけど・・・」
「あと、この格好も恥ずかしいのでなるべく早く終えて欲しいです」
「あ、ああごめん。そ、それじゃあ、行くよ?」
「はい、来て、下さい。」
鍵は自分のものを真冬の秘部へとあてがう。
そしてくぼみの様になっていた底に少しずつはまっていき、やがてずちゅずちゅと鳴りながら入っていった。
「あっ・・・ぐ、ぅ・・・っ・・・せん、ぱい・・・の、はい・・・って、き・・・たぁ・・・あんんっ!!」
ぶちっとした何かを破る感触がし、その瞬間結合部から一筋の血が流れてきた。
「だ、大丈夫?真冬ちゃん」
「いた・・・い、です。いた、い・・・ですけど・・・」
「これで先輩と、一つに、なれたん、ですよね?」
「ああ、そうだよ。」
「嬉しいっ・・・・です・・・・あんっ!」
「真冬ちゃん、動くよ」
「あっ!・・・んあっ!は、はいっ・・・ふああっ!!」
グチュグチュと音を鳴らし、腰を振り秘部の奥を刺激する。
「ああっ!!先輩の、奥・・・までっ・・・届いて!・・んああっ!」
鍵は右手で真冬の乳房をつかみ、揉む。
「ああっ!せんぱいっ!今、胸触っちゃ!」
「真冬ちゃん・・・すごい・・・なか、ヌルヌルで気持ちいいよ・・・」
「んあああっ!そんなこと、恥ずかしいから言わないで、くださっ・・・!」
「ああっ!先輩!そんなに、奥、つかれ、たら、真冬、壊れちゃ!!いますっ、よぉっ!!」
「ぐっ・・・ごめん真冬ちゃん、もう・・・でそ、う」
「ふああっ!!先輩の熱くなって!おっきく!なってますぅっ!!あああんっ!」
「ぐっ・・・で、でるっ!」
どびゅっ!びゅるるるっ!!
亀頭を最奥に打ちつけ、大量の精液を放った。
「ふあああああああ!!!先輩のが、たくさん出てるぅ!!!あ、あああああ!!!」
熱い濁流が子宮を染めていく。背が反り返り、呼吸が止まりそうになる。
なかなか引かない絶頂の波に、二人はしばらく動けずにいた。
*
「しちゃい、ましたね」
「あ、ああ。そうだね」
二人ともあんな事をした後だからか完全に緊張していた。というか気まずそうだった。
(ったく、予知能力とかあるならこっちのほうを予測して欲しいもんだよ・・・)
「ん?先輩何か言いましたか?」
「い、いや何も」
「そうですか、ところで先輩。皆遅いですね」
「ああそういえば今日は会長も知弦さんもようがあるって聞いたから今日はなくてもいいかって深夏と相談してたんだよ」
「えぇっ!?それ初耳ですよ!?」
「それを伝えに来たんだよ。真冬ちゃんには」
「ううっそれならそうと言ってくれればいいのに・・・・」
「ご、ごめん・・・・」
「ま、まぁいいです。それなら先輩一緒に帰りましょう!」
「いいけど、なにその何かに目覚めた顔」
「大丈夫です、少し寄り道して先輩のBLへの道を作るだけですから」
「そんなもんは作れんわーいっ!!」
「彼女の頼みですよ?」
「彼女の頼みでも聞けんわーっ!!」
END
参考情報
2009/09/24(木) 03:21:39~2009/09/24(木) 03:25:45で9レスで投稿。
一星龍さんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレでの14作品目。
ハンネは落とし神だが、のちに同一人物と判明。
- 最終更新:2010-07-04 19:17:43