田中 光さんの小説1

本文


「杉崎先輩は今日もかっこいいですね。先輩LOVEです。いつも生徒会を明るくしてくれる先輩が大好きです。独り占めしたいです」
本日の生徒会活動のあとの二人きりとなった生徒会室で、鍵は真冬から突然そんなことを言われた。
まっすぐに目を見たままで紡がれたストレートな言葉に、鍵は心臓が止まりそうになった。それが両想いの相手となれば、なおさらである。
「えと・・・杉崎先輩のマネをしてみました。こんな風に、真冬たちを肯定してくれるの、いつもとっても嬉しく思ってます。」
「そっか・・・俺もすごく嬉しいよ、真冬ちゃん」
鍵は満面の笑顔を向ける。しかし、その笑顔を見た真冬は、悲しげな笑みを浮かべてうつむく。
「?どうしたの、真冬ちゃん。そんな深刻な顔して」
「・・・先輩はズルイです・・・。その笑顔は真冬だけに向けられたものではないのですよね?先輩は真冬を独り占めしたいって言うのに、真冬は先輩を独り占めできないのですか?」
「それは・・・。俺は、沢山の女の子を幸せにするために生きてるから」
「はい、知っています。先輩は過去の辛い経験から、みんなが幸せになれる未来をつくろうとしていることも知っています。先輩が生徒会の皆さんを心から好きなことも知っています」
真冬はきっ、と視線を上げる。その目は、覚悟の目。
「ですけど真冬は!先輩のことが好きなんです。どうしようもないくらい」
真冬は恋する人に向かって一歩踏みだす。
そこはもう手を伸ばせば届く距離。真冬にとっては近いようで、ひどく遠い。
「ホントは触れられたくないですけど、でも、これからは杉崎先輩の、エロゲ好きとか、女好きとか、浮気性とか、有り余る性欲とか、全部乗り越えてみせますっ」
一歩踏み出し、鍵の胸に顔をうずめるようにして抱きついた。
「だから・・・もっと真冬のことだけを・・・見てください・・・」
たとえ相思相愛の相手であっても、男性から触れられるのは嫌だ。
けれども、他の生徒会メンバーと差をつけるには、そして鍵の心を自分だけのものにするには、鍵の欲望に応えるしかないと真冬は決意した。

するべきことは、すでに決まっていた。

鍵は真冬の意外すぎる行動に戸惑いつつも、反射的に。
(俺はハーレムを・・・)
言いかけて、真冬が震えているのに気づいて、何も言えなくなった。
その様子は、雨に打たれる子犬のようであり、母親の首にすがる子供のようであった。
男性が苦手であるのを無理してまで、自分を必要としてくれるこの子を、鍵はとても愛しく思えた。

体が自然に動いていた。鍵は真冬の体を抱きよせた。真冬の肩がビクッと震える。
そっと髪をなでると、色素の薄いストレートヘアーは、さらさらとなめらかで、甘いシャンプーの香りがした。

(やっぱり、怖いです。でも、離れたくないです。)
真冬は自分の中の矛盾と戦う。
鍵は、愛しい人をそっと抱きしめる。壊れてしまいそうな線の細さと、女の子特有の柔らかさを感じつつ。
「大丈夫、怖がらないで。俺は、真冬ちゃんを愛しているから」
その瞬間、真冬は体の力がふっと抜けた気がした。そして、穏やかな心で、鍵の体温と、心臓の鼓動を肌で感じて。
「先輩の腕の中、あったかいです」
震えが、止まった。

彼女に触れられる男は自分だけという快感を得て、鍵は、今すぐ真冬を自分のものだけにしてしまいたい衝動に駆られた。
「真冬ちゃん・・・キス、してもいい?」
真冬は無言で目をつむって、形のきれいな唇をきゅっと結んだ。
そっと鍵の唇が重ねられた。

一度目は唇が触れ合う程度。
二度目には、鍵は舌先で真冬の唇を割ろうとする。
(先輩・・・そんな、いきなり・・・)
真冬はおずおずと唇を開いて、鍵の舌を受け入れた。
「ん・・・ふぅん・・んん」
舌粘膜同士が触れ合う甘美な感触に、思わず甘い声がもれる。鍵の舌が真冬の口の中をくまなく舐めようとするかのように激しく動き回る。
(ああ、お口の中、先輩にいっぱい舐められちゃってます・・・)
舌と舌が絡み、混ざりあった唾液がいやらしい水音を響かせる。
唇を離すと、真冬の目の前にはかつてないほど真剣な目をした鍵がいた。
「真冬ちゃん。俺は・・・真冬ちゃんが、欲しいんだ」

鍵のことが好きだけど、触れられたくないのは、きっと、自分を深く知られ過ぎてしまうのが怖かったから。
一定距離を保ったままで「好き」というのは、とても気楽だったから。
お互いに傷つかない。傷つけない。
かつて「自分の想いに逃げない」と宣言したのに、心のどこかで、逃げていた。
(でも、そのままじゃあ前に進めませんよね)
いつでも全力でぶつかってくるこの少年に、真冬は応えようと思った。
「はい。先輩。真冬のこと、いっぱい愛してください」

真冬をそっと床に横たえる。
鍵には女性経験はない。だからどうしていいか、よくわからない。エロゲマスターを自称しているにも関わらず、「そういうシーン」をクリック連打で飛ばしてきたのを後悔した。
しかし、手が本能的に動いていた。髪を優しくなでると、なでた指をゆっくりおろし、耳たぶに触れた。くすぐったそうに真冬は首をすくめる。
「あ・・・っ」
そのまま首すじをなでる。ゾクゾクと震えているのが可愛らしい。
「服、脱がせてもいい?」
真冬はこくんとうなずく。
ボタンをはずしていくと、薄桃色の小さなリボンのついた白いブラが見えた。鍵は一瞬ためらったが、真冬が抗わないことがわかるとブラを上にずらす。
けっして恵まれているとは言えないが、透きとおるような白い肌と、ピンク色の乳首がみごとなコントラストを作り出していた。
「すごく、きれいだよ。真冬ちゃん」
「あ、ありがとうございます」
鍵はもう何も考えられず、胸に手を伸ばす。
「ひゃううっ」
すべすべの肌ざわり。指に吸い付くような心地よい弾力。同じ人間の肌とは思えない、未知の感覚だった。
「真冬ちゃんのおっぱい、ぷにぷにしてて、柔らかい」
「はぅぅ。恥ずかしいです・・・」

「ひぅ!」
すでに硬くなりつつある乳首を左右同時にいじられた瞬間、真冬は声を上げながら身をよじった。
「杉崎、先輩・・・ふぁあ!」
今度は乳首を口に含まれた。舌先で乳首をつつく。舌の熱さが波紋のように全身にひろがる。
「やあっ、そんなに、舐めないでくださいっ」
鍵は反対側の乳首を吸う。乳輪から乳首を吸い出すのかと思うほどの、強烈なキス。
「はぁんん!」
真冬は体をのけぞらせる。体感したことのない快感に、脳がぐらぐらする。
「真冬ちゃん、大丈夫?」
「・・・はい、大丈夫です。とっても、気持ちいいですよ、先輩」
目じりに涙が浮べながらも、柔らかくほほ笑んでいた。

(俺が、真冬ちゃんを気持ちよくさせているのか)
気持ちの高ぶった鍵は、スカートを捲り上げる。ショーツの底は淫らな染みが広がっていて、鍵をさらに興奮させた。
「真冬ちゃん、お尻浮かしてくれる?」
「こう、ですか?」
真冬はそっと腰をあげて、脱がせやすいようにした。
(ああ、杉崎先輩に、脱がされちゃってますぅ)
羞恥と期待に震える体を自分で抱きしめながら、脱がされる瞬間を待つ。
鍵の手が震えるのが伝わってくる。
「あっ・・・」
ショーツが足首からぬかれて、むわっ、とミルク系の甘い香りが漂った。
太ももがそっと左右に広げられ、大事な場所がさらけ出される。
(うう、見られちゃってます・・・)
普段から目立つことが好きではなく、また心の内をあまり表さない真冬にとって、体をさらけ出すなんてことは、逃げだしたいくらいに恥ずかしかった。

だけど、好きな人になら。

真冬は鍵の視線を感じ、それだけでもう秘部は透明な愛液が染み出すほどに熱を帯びている。
初めて間近で見る女性器に、鍵は卒倒しそうになった。興奮に震える手でネクタイをはずし、シャツの前をはだけさせる。そしてベルトをはずし、先走り汁で濡れた肉棒を解放する。
「真冬ちゃん、その・・・入れるよ?」
もう、後戻りはできない。
「はい、真冬も、杉崎先輩が欲しいです」

怖い。けれども最愛の人と結ばれる期待に、真冬の胸は高鳴っていた。
「痛かったら、言ってね」
鍵の分身が真冬の秘口にあてがわれて、くちゅりと音をたてる。
「くうっ・・・」
痛みより先に無理やり体を広げられる恐怖と圧迫感が真冬を襲う。
「あ、ああああああ!い、痛いです・・・」
ぷち、とヒモが切れるような軽い音がした。そして鋭い痛みが下腹部に走る。
鍵がつらそうに顔をしかめる真冬を強く抱きしめると、そのまま一気に一番奥まで貫いた。
破瓜の痛みに加え、子宮口を突かれるという初めての衝撃に、真冬の目から大粒の涙がこぼれた。
「大丈夫かい?」
「なんとも、ないですから、動いて、いいですよ・・・」
真冬を気遣わなくてはならないという想いはある。しかし、狭くて締め付けてくる膣の快感の前では、本能が勝手に腰を振ってしまう。
「ん、あ、はぅん!」
真冬とて、痛くないわけがない。それでも、ぎゅっと抱きしめてくれる鍵の温かさがそれを和らげてくれた。
今までは、触られたくないと思っていたのに、今では鍵の体温が、熱い吐息が、汗のにおいが、すべてが愛おしく感じられた。
「ああ、真冬ちゃんのなか、ぬるぬるであったかくて、気持ちいいよ」
「い、言わないで、ください・・・ひゃう!」
鍵の動きが徐々に加速してきた。真冬を抱きしめる手にも力がこもってくる。

もう真冬からは苦痛が消えかけ、深い快感が全身に広がる。真冬の体は、早くも男を受け入れ始めていた。結合部に滲んだ鮮血に混じり、やや白みを帯びた愛液が鍵の肉棒に絡み始めた。
「好きだ・・・真冬ちゃん・・・好きだ・・・」
「真冬も、杉崎先輩のこと、大好きです・・・もっと、真冬のこと、愛してください・・・んん、ふああああ」
二人の唇が自然と近付き、重なる。舌を絡め合い、唾をすすり合う。
「ん・・・ふぐ・・んんん」
硬い肉棒が膣を擦り、熱い先端が子宮口を突く。内臓をかきまわされるような激しい快感。鍵と舌を絡め合っているため声も出せない。そしてその息苦しさすら快感に変わってしまう。
「あ、あ、あ、これ、すごいです!気持ちよすぎますぅ!真冬、頭おかしくなっちゃいますぅ!はぁン!」
ようやく舌を解放された真冬が、だらだらとよだれを唇から垂らしながら喘ぐ。

儚げで無邪気で柔らかな雰囲気を持つ少女。それが今、自分の腕の中で性の快感に乱れている。そのギャップが一層、鍵を興奮させた。
「う・・・真冬ちゃん・・・俺、もう・・・」
「いい、ですよ。杉崎先輩の、全部下さい・・・はぅん!」
思いきり腰を突き込み、亀頭が子宮口を押し上げる
「・・・っ!真冬ちゃんっ!」
鍵は愛する人の名を呼び、膣内に精液を放った。
「ふあああああ、あああああ!」
子宮口いっぱいに、熱い精液が浴びせかけられる。
「ああ、先輩の熱いのが、いっぱい・・・!」
真冬は背を反らして嬌声をあげる。汗まみれの身体がびくびくと跳ね上がる。
「先輩・・・杉崎先輩・・・」
最愛の人のぬくもりを感じながら、真冬はぐったりと身体を投げ出した。

相手に尽くすだけの恋は、したくないから。
お互いに自己主張してこそ、恋だと思うから。

「すごく、きれいだったよ、真冬ちゃん」
「ありがとう、ございます」
後片づけのあと服を着た二人は、なんとなく気恥ずかしかった。
「えへへ、先輩に、真冬の初めてを捧げちゃいました」
いつものように、にこにこと笑う。しかし。
「で・す・か・ら」
真冬の目がキュピーンと光った。鍵は猛烈にイヤな予感がした。
「今度は先輩が、真冬を受け入れて、BLの道を進む番ですよ!そうです、今度、乙女ロードにデートに行きましょう!」
「いやいやいや、初デートはもっと普通のところに行こうよ!」
「あ、でしたら、先輩は女装して女の子のふりをすれば乙女ロードに行っても普通です!先輩ならきっと似合うので、周りから男だと思われないと思いますっ!」
「待って!なんか微妙に会話が噛み合ってない気がする!」
「あるいは、男一人が寂しいのでしたら、中目黒先輩も誘って行きましょう!」
「余計いやだあああああああああああああ!」
二人の恋の道は、茨の道だった。

参考情報

2009/04/25(土) 01:45:26~中断、2009/04/27(月) 00:30:45~2009/04/27(月) 00:36:01で完全版の投稿で投稿内容は全9レスで投稿。
田中 光さんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレでの初作品。
掲示板での発言等より田中 光さんの作品と判断。


  • 最終更新:2010-07-04 08:16:09

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