パラジオさんの小説1

本文

俺が温泉からあがると、ちょうど飛鳥も女湯のカーテンをくぐって出て来たところだった。
綺麗な白い肌が、温泉でほのかに桜色にそまっていて、髪の毛もあらかたドライヤーで乾かしてはいるのだが、若干湿っており、おでこや頬にへばりついている。そのため髪の毛も結んでいない。
つまり、普段より、ぐっと大人っぽく、色っぽく見えてしまった。本人には決していわないが。寧ろ、これが俺への罠のようにさえ思える。
「飛鳥」
なるべく頭の中を悟られないように、そう呼び掛けると、飛鳥も俺に気付いた。
「あ、ケンも今あがったんだ。」
「ああ、じゃあ部屋に戻るか。」
俺がそう言って歩こうとすると、飛鳥が、
「待ってよ、三本勝負は?」と言って俺を引き止めた。
あ--………そんなこと言ってたっけ。
風呂での話が話だったため、すっかり忘れていた。
「うん。じゃあ行くか」
「あ、それとケン、もう一つ。」
「なんだよ?」
「私のお風呂上がりの姿の感想は?」
「…………。」
……罠だった。

そして、三戦全敗だった。

部屋に戻り、俺は荷物の中の小さなカバンからサイフを出し、小銭を漁る。
「いくらだっけ?えーと……」
「七万五千円だよ。」
「おお、そうか……って高すぎるわ!五百円のレート1・5だから、七百五十円だろ!」
「え?レートは150だよ?」
「なにその大勝負!?ただのエアホッケーと格闘ゲームとバイクレースだよ!?」
「ケン、男らしいよ、カッコイイ!ひゅーひゅー」
「なにそのお世辞!それで俺が乗ると思ってんの!?」
「ケン……あなた、大切な物を捨ててしまったのね……。」
「いいよ別に!そんな無謀なギャンブル精神なら、捨てちゃった方がいいよ!」
「将来の夢が、『下着ドロが盗んだ下着を体育館のブルーシートに並べていく仕事』だったあなたは、一体どこへいってしまったの?」
「元からいねぇよ!そんな俺!
それに何、その仕事!?子供に一切誇れねぇじゃん!」
「『スカート越しだから犯罪じゃない』が口癖だったあなたは、一体どこへいってしまったの?」
「痴漢!?そんな事言ったことねぇよ!あとそれは間違いなく犯罪だと思う!いい加減名誉棄損で訴えるぞ、飛鳥!」
「やってご覧なさい。……出来るのならね……。」
「なにそのすげぇ余裕!?
とにかく、レートは1・5だったぞ!」
「う--。」
飛鳥が駄々っ子のように唸る。
しばし互いに睨み合った後、
「じゃあいいよ。七百五十円ね」
飛鳥が折れた。まあ当然なのだか。
「はいよ」
俺は飛鳥に小銭を渡す。
そして飛鳥は、それを自分のサイフの中に入れる。
「さてと………じゃあ今度は150で………」
「しねぇって!」
すかさず突っ込む。
「じゃあ」
声の雰囲気が変わった。
「お風呂での話の続き」
…………。
俺は、何も言い返せなかった。

--あんたにハーレムは作れないよ--
風呂場での飛鳥の言葉が蘇る。
俺も、心のどこかで分かっていたのかもしれない。飛鳥は、ただそれを指摘しただけなのだ。

俺は二股なんてできないということを。

俺には、複数の人を同時に愛することなどできないということを。

その行動が、自傷行為だということを。

そして、自分は、まだ俺を想ってくれているのだということを。

「ケン、私はただ忠告しただけだよ、これ以上ケンが傷つかないように。だから、あんたがまだ、どうしてもハーレムを目指すって言うんなら、私は別に止めないよ。それはケンが決めることだから。」
俺はただ俯いて、黙って聞いているしかできなかった。
「でもね………。」
そう言って、飛鳥は俺に優しく抱き着いてきた。顔の距離はあと数センチしかない。
顔をあげて見ると、飛鳥の頬がわずかに赤い。風呂のせいとも一瞬考えたが、もう上がってから一時間は過ぎている。
飛鳥が言葉を続ける。
「今、ここには私しかいないの。林檎も、生徒会メンバーもいない。ケンと私だけ。二人だけ。だから……今だけは、私だけを見ていてほしいんだよ、ケン………」
そう言って、飛鳥は、俺との顔の距離を縮めていった。

「ん………」
二人の唇が触れ合う。
柔らかい………。
それと同時に、鼻に、リップクリームとシャンプーの甘い香りが広がる。
「ん…… はっ……ふぅ………」
飛鳥が小さい息を漏らす。
唇を離すと、そこには、誰が見ても分かるくらいに上気した頬と、潤んだ飛鳥の瞳、切なげに開いた口元。俺は今まで、こいつのこんな顔を見たことが無かった。いや、多分飛鳥自身でさえも見たことは無いだろう。ヤバイ、すげぇドキドキする。
「えへへ……しちゃったね………」
飛鳥が照れくさそうに笑う。
その時、俺の理性の糸が--切れた--。
「飛鳥っ!!」
俺は、飛鳥を強く抱きしめ、キスをした。
「んんっ!?ち、ちょっとケン!こんないきなり……んんンッ!」
飛鳥の言葉を唇で強引に塞ぐ。
「ん……… あッ……はぁッ……ふぅんッ………」
次第に飛鳥の抵抗も無くなり、俺の背中に手をまわし、受け入れ始めた。
飛鳥の唇を割って舌を入れてみる。
「んんんッ!?」
飛鳥もこれにはさすがに驚いた様子で、一瞬目を大きく見開いたが、すぐに目を閉じ、ゆっくりと舌を絡めてきた。
「んッ…… ふっ……くちゅ…ちゅぷ………んはッ……」
どのくらい時間がたっただろうか、やがて俺達は互いに唇を離した。二人のが混ざった唾液が糸を引き、プツンと切れた。
「はぁ……はぁっ………」
キスしかしてないにも関わらず、飛鳥の顔は汗だくで、真っ赤になって肩で息をしていた。
俺は上下している飛鳥の両肩に手を置いた。飛鳥は、潤んだ、焦点の合ってない目で俺を見る。
「飛鳥………いいか?」
飛鳥はその言葉に少し肩を震わせたが、すぐに優しく微笑んでくれた。
「うん……いいよ。ケンが……私だけを、見てくれるんなら………」
「ああ……分かった。」
そう言って、俺達は再び唇を合わせた。

「ん………ふ…………」
キスをしながら、俺は、飛鳥を覆いかぶさるように押し倒し、飛鳥の浴衣に手をかけ、帯を少し緩め、胸元をはだけさせてゆく。
ブラを外すとき、飛鳥は身体をブルッと震わせた。
そして、飛鳥のあらわになった胸を、優しく揉みしだき始める。
「……んあッ……はッ…ぅん……」
飛鳥の声が、徐々に高くなっていく。
続いて、左側の乳首を口にふくみ、右手で右側の乳首を摘み、愛撫する。
「やぁ…… あんッ…ふぁ…ッんく……!」
舌先で乳首をつついたり、転がしたり、吸ったりする度に、飛鳥の口から、切なげな喘ぎ声が漏れる。
下のほうに目をやると、太ももを擦り合わせて、モジモジしていた。
もっと聞きたい……
そんな感情が沸き上がり、愛撫を少しずつ激しくいていく。
「ケンっ……そ、こ……だめぇッ……!……ふあぁ!」
……やべぇ、すごく興奮する。あの飛鳥が、こんな顔で、こんな声色で、こんなにしおらしい態度で、俺の愛撫で感じて、喘いでいる。
高まる興奮を抑えきれず、空いていた左手を、飛鳥の下半身へと伸ばす。
「ひゃあぁッッ!!」
飛鳥が、これまでより一際高いトーンで喘いだ。
下はまだ脱がせていないが、浴衣越しからでも分かるくらいに湿っている。
浴衣の布越しから、撫でるように愛撫をする。
「ダ…メぇ……ケンッ……あッ!…そこ、感じッ!…過ぎ、ちゃう…からッ!!……はぁぁッ!」
「ここがいいのか?」
「ひゃあッ!?ダ、ダメッて…言ってる……ああッ!!」
俺は下半身への愛撫をいったん中断し、浴衣の帯を抜き取る。そしてそのまま、パンツを脱がせた。
飛鳥のそこは、もう十分すぎるくらいに濡れていた。
「うぁッ……あまり…見ないでよッ……」
そう言って、飛鳥は顔を逸らす。
俺は、飛鳥の場所に、中指を差し込む。
「えっ!?…あッ!、ふぁっ!、ひゃッ!…あふっ!、ふぅッ!」
飛鳥の中は、俺の指を難無く受け入れ、どんどん愛液を溢れさせる。
俺の指が、飛鳥の中をかきまわす度、クチュクチュという音が部屋に響きわたる。
「ケ… ンっ!…駄目ッ!ダメ、ダメッ!!…私……もうッ!!」
飛鳥の腕が、俺の身体を、よりいっそうきつく抱きしめ、身体がビクッビクッと痙攣し始める。
「あああッ!!ケンっ、ケンッ!、ああああぁぁッッッ!!!!」
瞬間、飛鳥の身体がピンと張り詰め、2・3度痙攣すると、ふっと力が抜けたように、ぐったりとしながら布団に倒れこんだ。どう考えても達した。
「はッ……はッ……はぁッ……あ……」
飛鳥は荒い息を吐き、ビクビクと小さく痙攣している。俺は少し待つことにした。

「ねえ…ケンは……どうしたい?」
しばらくして、休んで少し落ち着いた飛鳥が言った。
「気持ちよく……なりたいんでしょ?
その……いいよ、続き、しても。」
「大丈夫なのか?」
俺は心配して聞く。
「………女の子相手にどこまで言わせる気?」
「ああ……そうだな……。」
そうして俺は、再び飛鳥に覆いかぶさり、ベルトを外して、自分の物を取り出す。
すでにそれは、痛々しいくらいに膨張している。
「わ………!すごい…ね、それ……私に入りたくて、そんなになってるんだ………。」
飛鳥は、俺のを見て、若干怯えたような反応をする。
「二年前に見た時と、全然違う………。」
……うん、多分あの時だろうけど、もう突っ込まないでおく。そんな空気でもないだろうし。
「さっき部屋に帰る途中、小さな女の子とすれ違っても、そんなにならなかったのに………。」
「それに対しては全力で突っ込むぞ!」
俺、もはや犯罪者レベル超す変態じゃん!
……ああもう!ムードぶち壊しだ!!
「あははっ。……ごめんね、中断させちゃって。……続き、して……?」
「あ、ああ……。」
俺は、飛鳥の足首を持ち、足を横に開かせた。瞬間、また飛鳥の顔が上気する。
俺は、その開いた足の間に腰をおろし、自分の物を、飛鳥の秘部に擦りつけて馴染ませる。
……やべぇ、これだけでかなり気持ちいい。
「んあッ!…そこっ!、…擦れッ……てッ…!…はぁッ!」
飛鳥も感じているようで、身をよじり、秘部からは新しい愛液が溢れ出てきた。
「ケンっ…!そんなっ、焦ら、さないでッ……!」
俺としては、これはこれでよかったのだが、どうも飛鳥は我慢できないらしい。
「じゃあ……挿れるぞ……。」
「う、うん……来て……ケン…」
そのとき、飛鳥の顔が少し強張り、身体が震えているのに気付いた。
……ああ、そうか。こいつ……やっぱり女の子……なんだな。
きっと、、初めては不安で……怖いんだ。
今思えば、さっきのムードぶち壊し発言も、自分の緊張を和らげるためのものだったのかもしれない。
……………。
「ふぁっ!……け、ケン………?」
無意識のうちに、俺は飛鳥を抱きしめていた。
「悪い。少しだけ、このままでいいか?」
飛鳥は、俺の行動の意味を察したのか、ふふっ、と優しく笑い、自分の腕を俺の背中にまわしてきた。
「ケンは……優しいね。だから、好きになったのかな………。」
そのまま、会話もなく、俺達はただ抱きしめ合っていた。
でも、今までで一番、通じ合っている気がした。

「もう…いいよ……ありがとね、ケン。」
飛鳥が口を開く。
「ああ……じゃあ、いくぞ………。」
俺は、狙いを定め、少しずつ腰を沈めてゆく。
「あ、あぁ……入って……来るぅ……ッ!」
途中で膜が破れるような音がしたが、思っていたよりも飛鳥は痛くなさそうだ。何度か動くうちに、苦しそうな声から、艶のある喘ぎへと変わってゆく。
「あっ!あぁッ!!ケンのが、中でッ…擦れ………あああッッ!!
「飛鳥……飛鳥ッ!!」
グチュグチュという水音と飛鳥の喘ぎ、俺の荒い息が部屋中に響く。もしかしたら、部屋の外の、廊下にまで聞こえているかもしれない。その状況が二人の気持ちを、さらに高ぶらせていく。
「ひゃあぁッ!!あッ、あッ、あッ!……わ、私っ!!……またッ…!」
飛鳥の身体が再び痙攣し始め、締まりが一層きつくなる。
その時、廊下からの、ぱたぱたという音が俺の耳に入る。客だろうか、仲居さんだろうか。いや、そんなことは問題ではない。
問題なのは、『誰かが近付いてくる』ということ。
今ここで部屋の前を通り過ぎると、飛鳥の達する声を確実に聞かれる。
それはさすがにまずい。
「飛鳥っ……静かにしろっ!」
俺は腰を止め、呼びかけてみるが、飛鳥は耳に入っていない。
「ケンッ……どうして……止めるの……?」
飛鳥が切なそうな声をする。
そもそも、人の気配の察知に関しては、俺が気付くよりもずっと早く、飛鳥は気付くはずなのだ。普段の飛鳥なら。
しかし、今の飛鳥は、明らかに普通じゃない。俺が呼びかけても、気付かないほどに。
「う、動いてよ……ケンっ……!」
そう言って、飛鳥は、腰をくねらせ始める。
くちゅ、くちゅ、と、小さな音がする。
ああ………。もう、抑えきれない……。
あらん限りの力で飛鳥を抱きしめ、腰を激しく動かす。
「あああッッ!!ケンっ!……すごッ…気持ち、いいッ!!!あッ、あんッ!」
「飛鳥ッ…!!俺、もう………。」
「うんッ!!…私ッ……私もっ!!!あぁッ!!……ああああぁぁぁッッッ!!!!!」

俺と飛鳥が、同時に達する。先程よりもずっと激しく痙攣して。
「ああッ……ケンの、出て、る……熱ッ……い………。」
……俺達は、しばらくそのまま繋がり、抱きしめ合っていた……。

翌朝、俺は卒業式に出席するため、朝一の電車に乗れるように、まだ暗いうちから荷物をまとめていた。
飛鳥も連れて行こうかとも思ったが、昨日のせいで、腰が痛いらしい。なので、俺一人で出発する。
今日を境に二人と、また、学年末を境に二人と別れることになるのだ。サボるわけにはいかない。
「あ…… ケン、やっぱ行くんだ」
起きたらしい飛鳥が眠たそうな目で言う。
「ああ悪い、起こしちゃったか
………そりゃ、皆、大切な人だし、心配してくれてるだろうからな。」
「ふーん……じゃあ、行ってらっしゃい」
そう言って、また布団に潜りこむ。
「ああ、行ってくるよ。」
俺は、部屋を出る。

旅館の玄関で、昨日の仲居さんがいた。
彼女は俺に気付くと、顔を赤くしながら寄ってきた。
「あの……昨日の晩、あなたたちの部屋の前を通ったのですけど………その……。」
……………。
この人だった。

「それで、奥様が、旦那様のことを、『ケン』と呼んでいたのですが、昨日、お部屋にご案内したときは、呼び方が違ったと思うのですが………。」
……………。
しかもバッチリ聞かれていた。

「それで、ええと………お二人は本当に、ご夫婦なんですよね?」
その言葉に、俺は笑って答えた。

「ええ、本当に、ラブラブですよ。」


俺には、大切な人がたくさんいる。
会長や知弦さん、深夏、真冬ちゃん、それに林檎。
でも愛する人だけは、一人だけ、もう見失わない。絶対に。




END


参考情報

2009/12/26(土) 09:30:11~2009/12/26(土) 09:37:58で7レスで投稿。
パラジオさんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレでの初作品。



  • 最終更新:2010-07-06 00:06:00

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