一星龍さんの小説24-2

「バカだねぇ。ホントあんたって奴は馬鹿だね~。」
「え?」
飛鳥が笑いながらそういう。
「あんたってばほんとに大バカ、そうやって思ってそれが実行できるような救いようのない大バカ。」
「いや、だってやらないと……。」
「いつもホントにそうよね、ケンは。いつもいつも苦しいのは全部自分だけ受けて楽しいのは皆にあげて。私と林檎の時だって全部責任は自分でかぶってそれでやさぐれてたの忘れたわけじゃないでしょ。」
飛鳥はため息混じりにそういう。
「あんたが幸せにしたいって思ってる人達はきっと全員あんたの事を幸せにしたいって分かってないの? そうやって自分ばっか苦しいの溜めるから周りの人は皆避けるんだよ。」
ぽかっ
飛鳥に頭を殴られる。
「鍵はいつも極端すぎんのよ、ピーンって張り詰めた糸みたいでそれが切れると凄くへなへなで。」
「極端な性格なのは自覚している。」
「で、別れようって言ったわけでもないのに、いなくなったからって別れた気になって一人でうじうじうじうじうじうじ悩むし。」
「いや、でも、なぁ……。」
「あんたは別に完璧でもなんでもない、ただの人間なの。そんなかっこ良さそうに振舞ったり大人ぶった振りなんて身の程知らずにも程があるっつーの。」
「う、うぐぅ。」
「そんな馬鹿なケンが、皆と騒いで、楽しくやって、それで図々しくも仲良くして皆に好かれてんのがあんたよ。ケン。」
「……………………これは飛鳥さんからの告白なんだろうか。」
ズガァッ!!
「蹴るわよ?」
「蹴っへから言いやがっは!!!」
しかも確実に顎を捉える回し蹴りだ。しかも病人にだ。
「でも、さっきに比べれば調子は戻ってきたっぽいわね。」
「いや、解らん。もしかしたら飛鳥がいるから強がってるだけかもしれないし。」
「一人になるのは怖い?」
「正直……な。」
「家に帰るのは毎日怖かった?」
「凄く、怖かった。」
「ホント馬鹿よね、それを生徒会の人なり、クラスの人なり、先生なりに言えばいいのに。」
「でも、それってウザくねえか?」
「ウザいね。機嫌がよければ手伝ってやらない事もないけどとは思うけど。」
「そんな嫌な思いをさせたくないというか。」
「聖人君子じゃあるまいし、そんな綺麗にまとまった考えしなくてもいいよ。」
飛鳥が呆れているような困ったような、かといって怒ってるわけではなくむしろ笑っているような表情で続けて言う。
「そうやってウザくても、手伝ってやろうかなって思えるのが『友達』って奴じゃないの?」
「…………そっすね。」
なんか今頃気付いた。
こんなに自分が恵まれてるってことを。
ホント今更だけど。
「わかったら、今は寝て。その後だったら、いくらでも善行でも悪行でも手伝ってあげるから。」
飛鳥にそう言われ、布団をかぶせられる。
「思ったけど、飛鳥。お前さ、なんか優しすぎじゃないか?」
飛鳥は意外そうな顔をした後笑って。
「そう思うなら、健康になってから言え。その後ならいくらでもイジメ倒してあげるから。」

なんだろうな。暖けえや、これ。
すっげえ、暖かだ。まるで今まで俺が悩んでいた事が馬鹿になるくらい。
そのまま意識が薄れていったのは40度もある俺にとっては当然だったのだろう。
「おやすみ。ケン。大丈夫、ちゃんと私はここにいるから。」
その言葉が嬉しくて。
「うーううー、うーううー、うううううう、うーううー、うーううー」
「いば○の王のメインテーマ曲を鼻歌で歌うのは止めて貰えませんかねぇ!?」
………。
……。
…。
とてもいい雰囲気で眠ったのに高熱のせいか凄い悪夢を見た。
飛鳥に似た悪魔にとがった槍でツンツンされるというものであり。
起きた時にそれを飛鳥に話した思い切り殴られて気絶した。
……気絶していた時は夢を見なかった。
これも優しさなのだろうか?



「ん…………?」
なんか鼻の穴に違和感がある。
何かが詰まっている気がする。
目を開けた。

会長が俺の鼻の穴に、アスパラガスを入れていた。
俺もよくわかんないけど、ちょっとキレた。
「何しとるんじゃわれぇぇぇぇぇっ!!!」
「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ちゃぶ台返しの要領で俺に馬乗りしていた会長を吹っ飛ばす。
「さて、会長。弁明を聞きましょう。」
「お弁当の残りのアスパラガス残しちゃってもったいないから杉崎にあげようと思ったんだよ。」
「十分それももったいないって事に気付いてます!?」
鼻の穴からアスパラガスを抜きながらそういう。
「わ!? きちゃない!!」
「あんたがやったんだろうが!!」
先日40度の熱を出して寝起きの俺にはハードすぎるボケとツッコミの奥州でちょっとだけ立ち眩みする。
まあ、それはそれでいいのだが、会長は会長で、なんか感極まった表情をしてた。
「ちょっ!? かいちょう?」
「良かったよぉ……杉崎が元に戻ってるよぉ……。」
「……あんまやってたり言ってる事は変わんないと思ってるんですけど、そんなに変わりました?」
「うん……なんか、ツッコミが新鮮で変態。」
そんな理由で俺が元に戻ったかどうかを判断しないで欲しい。
「後さっきからなんか嫌らしい視線を感じるところ。」
だから俺ってそんな人すか? 会長から見たら突っ込みやセクハラが真剣にやっていたらそれで俺なんですか?
「…………ま、いいや、それで会長。どうして俺の家にいるんですか?」
「杉崎君は知らないのかね。三年生は三学期自由登校なんだよ?」
「そんな事知ってますよ。でも会長そんな事言ってられるような成績なんですか?」
「…………えっへん!! ダ、ダイジョブナノダー」
「棒読みですよ。」
「と、ともかく、そのやばい成績がさらにやばくなるかもしれないのに杉崎のお見舞いに来てあげたのだからもっと敬えい!!」
「会長………………アスパラガスを鼻の穴に突っ込むのはお見舞いじゃないですよ。」
「うん、あれは嫌がらせでやった。」
「とんでもないちびっ子会長だ。」
「それで、あと知弦から伝言があるよ。『死ななかったのは何よりだ』って言ってた。」
知弦さんもとんでもない人だ。ぶっちゃけあのあと飛鳥が来なかったら俺、リアルに死んでいたというのに。
「え~っと、それで、今俺の家には会長しかいないんですか?」
「うんそうだよ。」
そういったと会長が固まり、懐から防犯ブザーを構えだした!?
「ちょっと、まて、そこのおかしな人。何構えている。」
「なんて言ったって杉崎だからね、こっちはちゃんと装備してきたよ。さ、おとなしく縄につけい!!」
「何もしませんよ! そしてもう既に犯人扱いしないでくださいよ!」
「だって、杉崎なんか信用できないし。」
「だったら見舞いに来るな!!」
「だって補修サボりたかったんだもん。」
「本音はそれか!!」
相も変わらずとんでもない会長だった。
「それで、調子はどうなの? 杉崎?」
「へ? ああ、大丈夫です。ばっちり。」
「そっか、じゃあ杉崎、動かないでよ。」
会長が距離をとり、走り出して。
「ふんっ!!」
ゴン!
俺にヘッドバッドをした。
「ぢうぎえbrh!! な、何をなさる! 会長殿!」
「あ、なんか頭ぶつけてキャラ変わった。」
「そりゃ、いきなりヘッドバッドされればキャラも変わりますわ!!」
「いいじゃん。知弦にビンタされたんだからこん位。」
「それとこれとは話が別!!」


「たっだいま~」
なんか誰かが帰ってきた!!?
「お。ケン起きてた? 目覚めはどう? 最悪?」
「あんたのその質問が最悪だ!!」
って言うか、まて。それも突っ込むとこだが、何でだ? 何で飛鳥は壁陽の制服を着ている?
「お前にそんなコスプレ趣味があったとは……意外だ。」
「コスプレじゃないし。ちゃんと正当な制服だし。」
「またまた、ご冗談を。お前が何でうちの学校に入るんだよ。」
「それに来年は林檎も転校してくるよ? 聞いてないの?」
「そーだよ杉崎。幼馴染と義妹の事なのに、そんなことも知らないの?」
「会長もいいですよ。こいつの悪ふざけに付き合わなくて。」
「ええい!! だったら論より証拠だ!」
飛鳥が自分のバックから生徒手帖を出す。
『松原飛鳥』と書いてある。
「…………………………偽造?」
「違うわボケナス!!」
「ボケナスなんて蔑まれ方初めてだ!」
でも、まあ本当なんだろう。こいつが壁陽に入ったことは。事実俺もその方が嬉しい。
「で、その壁陽学園に転校してきた飛鳥さんがどうかなさったんですか?」
「うん、生徒会に入れてもらった。」
「なんですと!?」
今日はなんか衝撃的な事が多すぎる。会長に鼻の穴にアスパラガスを入れられたり、飛鳥は転校したり、生徒会に入ったり。人生の転機か今日は。
「で、そのおかげで会長さんにも飛鳥さんレクチャー教えることできたし。」
「お前の毒牙を会長にまでかけるな!」
「いや、杉崎。洒落じゃなく凄いんだよ飛鳥は。」
「そうでしょうねぇ!! うちの妹はそれで汚されましたから!!」
「知弦とは違う方向の嫌がらせなんだよ!!」
「もう、あんた毒されてますね!!」
「こうやって少女は成長するのさ……。分かるかい? ケン。」
「分かりたくもねえよ!!」
とはいえ、俺が寝ている間に会長と飛鳥が仲良しになっているのはよく理解した。それはいいことなんだけど、変な方向で進んでいるのがちょっとやだ。。
「ん、じゃ、杉崎のことをからかえたし、もう帰るよ。じゃね、飛鳥、杉崎。」
「うん、じゃ~ね。」
そういって会長は帰る。なんだ? 俺が寝ている間に相当カオスな事が起こりすぎて付いて行けないんだが。
「それで、ケン。調子はどう?」
「お前らがボケ倒しにしなかったらそれなりだったよ。」
「はっはっは。まあ許しておくれよ。私も鍵がようやく元に戻って嬉しかったんだし。」
「だったらもう少し方向性を変えて頂きたい。」
「それはやだ。つまんない。」
「つまんないからって俺に迷惑かけるのは止めて下さい。」
「つまんなくなくてもケンには嫌がらせはするけどね。」
「本当、あんた最悪ですね。」
「まっ、そんな丈夫なら明日からは学校行けるでしょ。ほらほら寝た寝た。」
「寝れねえよ!! 起きたばっかで、しかもあんなにハイテンションにされたら普通に寝れねえよ!!」
「仕方ないなぁ。なら絵本を読んであげよう。」
「なんで!?」
「よし、じゃぁ、この本だ!! (超時空)シンデレラ。」
「どこぞの歌姫ですよねぇ!!?」
ってかそんな本どこから出した!? そして何故そのチョイス!?
「むかーし、昔それは大層可愛い女の子がおったそうな。仮にそのこの名前はラ○カ・リー。意地悪な継母(ミス・グ○イス)やお姉さん(シェ○ル、キャ○リン)に意地悪を受けつつも健気に生きていました……。」
「もうやめーい!!」
結局夜通しそんな話をされた。ああ、寝れなかったさ!! それがどうした!!



翌日
俺が久しぶりに学校に来たというのにも拘らず、皆とてつもなくドライだった。「ああ、来てたの?」って言う感じで酷い奴なんかは「ちゃんとここ最近見てなかったけど来てたよね?」という具合に俺が休んでいる事すらも知っているのか怪しい状況だった。
ちゃんとこれも皆の優しさなんだよね? 腐ってた俺が更生して、よくやったなっていうのの照れ隠しなんだよね? ねぇ、そうだよねぇ!? 
まあ、巡だの中目黒だのはちゃんと心配してくれたし、前のようななんとなく感じた冷たさも無くなっていた。
それはまあ、たぶん、俺のことを邪険に扱っていた皆にしたってそうだと思う。
とりあえず、俺がそれなりに立ち直って殺意が湧いていた連中もいたらしいが、まあそれも今だけは友情と受け取っておこう。……ベッ、別に怖いわけじゃないんだからなっ!
そして、おそらく数日ぶりに聞く、会長の名言。
「求めよ!! さらば与えられん!!」
「会長。俺が復帰初日でボケかますのは止めて下さい。」
「ボケとかじゃないよ。結構真面目に、それも杉崎の為に言ってあげてるんだよ。」
「俺の為?」
「そうよ、キー君。ぶっちゃけあなたが、公園で死にかけ………………てた時のことよ。」
「結局言い直さなかった、この人!!」
いつも通りっぽいんだが、これいつも通りじゃ無さ過ぎだよ。知弦さんの攻撃が若干いつもより高めだし。何よりも飛鳥が深夏の席に座っているのが不思議すぎる。
「ん? なにケン。そんなに見つめられるとキショイんだけど。」
「相変わらず酷いですね!!」
何でだろう。人数は減ったはずなのに、凄いアウェー感があるのは。
そもそも、飛鳥のほうが新参だよね。確か。
さっきから飛鳥が「キショい、キショい、キショい」と俺の耳元で連呼している事を含めてもやっぱり俺はなんかいつの間にか生徒会役員としての地位とか絆とか誇りとかは崩れ去ったようだ。
「で、話してもいいでしょうか~?」
すっかり影の薄くなった会長が小さい声で意見を述べようとする。
「え~、もっとケンの事弄ってた~い。」
「ちょっと飛鳥! いくらなんでも我が物顔しすぎだよ!! 少しは自重しなよ!」
「飛鳥さんレクチャー!!  『どんな組織にでも飛鳥さんは自然に入り込み影から操るのが得意なのだ!!』」
「しらねえよ!(ないよ!)」
相も変わらず、飛鳥は飛鳥だった。



「それで、ちゃんとした真面目な話をします。皆さんちゃんと聞いてください。」
「「「は~い。」」」
知弦さんが飛鳥を説得し(嗜め)て、何とか最初のそれなりにシリアスな空気に戻った。
「全く誰のせいでこうなったんだか……。」
「「「お前だよ!!!」」」
全員で声を揃えて突っ込む。おお、なんというコンビネーション。というか、ここに飛鳥をおいといたらいつまでたっても話が進展しない。
「え~と、こほん。それで杉崎に真面目に質問します。本当に杉崎は深夏に会いたいの? それがどうかを教えて。」
「いえ、そりゃぁ………………その、会いたいですけど。」
「よし、決まり! 知弦、飛行機の手配!」
「大丈夫よ、アカちゃん。既にそれの準備は整ってるわ。」
「うん。流石知弦だねっ! え~と、飛鳥、深夏がどこにいるかは分かる?」
「ふふふ、私を誰だと思ってるんだい? この飛鳥さん情報網にかかれば、人一人の所在くらい、昼ごはんを食べたけど、まだお腹がすいてるから売店で待っているイカ飯を買うための五分間前よ。」
「一体いつ何時だ!」
っていうか、イカ飯が普通の売店に売っているわけなかろう! 出店ならともかく!
「っていうか、会長。コレは一体何の気まぐれですか?」
若干話の流れを理解できてもその発端や根元の事情が把握できない。いや、マジで。
「えへん、聞いて崇めろ、見て祀れ!」
「どこぞの小鬼ですか。」
「この偉大で美しい会長様はなんと、不本意ながらも深夏と杉崎の為に行動を起こしてあげたのだ!」
「ワーアリガタイナァー。」
「そして杉崎に感謝され金一封をもらうという計画なのだ!」
「ワースゴイナァー。」
流石に俺の棒読みたる棒読みに反応し知弦さんがいくらかフォローしてくれる。
「まあでも、ほんとにキー君がそうやってヘタレてると皆きっと楽しくないのよ。それだったら憎まれるくらいに深夏とイチャイチャしてなさい。そっちの方が見ててよっぽど面白い。」
「惚気を見るのが楽しいと。」
「他人の惚気程ウザい物はないけど、面白い物はそうないからね。」
「貶しているのか否か分かりにくいんですけど……。」
「どっちでもいいわそんな事。」
うわぁ……。
「そんな事よりも杉崎! あなたに任務を命じます!」
「はひ?」
「今から内地に行って深夏と真冬ちゃんを連れ戻してきなさい!」
「な、何故?」
「ええい、鈍い奴ね! もういいわ! 知弦!」
「了解よ、アカちゃん。<<ビビ―――――っ!!!>>」
知弦さんが笛とは思えない音の笛を鳴らした。そしてその直後ドタドタと走り回る音。
ものすごい勢いでドアを開ける筋肉ムキムキな軍隊風の方……。今更ツッコミっているかなぁ?
「杉崎さんですねっ!! 話は伺ってます!! どうぞこちらへ!!」
腕力に物を言わせ連行される俺。後ろからは「行ってらっしゃい」だの「気をつけろ」だの。
そしてその後は覚えてない。っていうか思いだしたくない……。



気付いたらどこだかわかんない場所に立たされてた。気付いたときにゃあ、制服ではない服(何故だか俺の私服)を着ていたし、ベンチで眠りこけてた。うん、コレってある意味誘拐ともいい拉致とも言うよね。
まあそんな事思っているほど冷静だったのか二、三深呼吸をしたら落ち着いた。人間、何にでも慣れるもんだ。
(さて、携帯も財布もないが……どうしたものか。)
財布は制服の中に入れてあるが今はその制服ではないし、携帯は鞄の中にあってそもそも持ってきてない状況だ。
そう思ったら、ポケットの中で「ヴヴヴ」と振動音がなる。
ポケットに手を入れてみると俺の携帯でしたよ。いつの間にか入れ替えられていたみたいですね。

From:紅葉知弦
Sub :アカちゃんが素で携帯の事忘れてたから入れ替えてといたわ。

とりあえず、深夏のことだけど深夏は今学校の遼住まいらしいから近くに立派なお城みたいな校舎があるから多分そこから深夏は出てくるんじゃないかしら?

「あぁ、あれですか……。」
確かにお城っぽい建物があるのは分かる。まあ、城というと俺は千葉県の某遊園地の棒城を思い出すがあれと比べるとむしろ館みたいな感じだ。
そういや、俺も全く余裕がなかったから深夏と連絡をとるということさえしなかったしなぁ。よくよく考えたら遼住まいであれほどの豪華な校風ならお嬢様学校だろう。だったら携帯とか連絡手段の制限とかはされるだろうな。
そう考えると真儀留先生が深夏の連絡先を教えてくれなかった事とか、いろいろ辻褄があってきた。ふむぅ、事実は小説より奇なりとはこのことだ。
だが、それはそれとしてまだ疑問は残る。遼住まいなのだから普通は外出許可書とかそういう面倒くさい事をしなきゃいけないし、仮に深夏が編入生として特別な待遇などを受けていたとしても外出する意味が見出せない。
知弦さんか真儀留先生が根回ししたか? いや、連絡がほぼ出来ないのだから無理だ。

…………今日は月曜日だ。

月曜日=ジャ○プの発売日。

「まさかそれの為だけに外出するのか!?」
ありえるからなおさら怖い!
まさか俺が毎日毎日苦しんでいたのに深夏は毎週のジャン○で何とか生き延びていたのか!? ああっ、なんかそう考えたら、どんどんイラついてきた!
「って、なに思ってるんだか……。」
それはそれでおいとこう。知弦さんがこの辺で深夏に会えるといっているんだから、適当に探し回っていれば会えるはずだ。…………多分。



一時間後。
「ダメだ、いねぇっ!」
とりあえず所宜しくな感じで300mほど歩いてみたがいる気配すらない。一時はあの学校っぽいとこに乗り込もうともしたが、ちょっと遠目から見ただけで分かる。乗り込めないという事が瞬時にわかる警備員の数が。
「知弦さん……珍しく読みが当たってないですよ。」
まぁ、知弦さんを恨んでもしょうがない。いないならいないでどうにかして策を考える必要があるし。
そんな事を考えながら歩いていたら、ドンと誰かがぶつかってきた。
「あ、すいません……。」
「へ? や、こちろこそ……。」

時が止まった気がした。
実際に止まったのかもしんない。

目の前に深夏が立っていた。

「へ……? け、鍵……?」
もう俺はいてもたってもいられなかった。
気付いたら俺は深夏を抱きしめていた。
「え……っ!? ちょっ……け、鍵!?」
「深夏……っ、深夏ぅ……っ」
いざ、深夏にあってみると、涙が止まらなかった。凄く、嬉しかった。凄く懐かしかった。
「やっ……!? ちょっ……鍵! 分かったから泣くのやめろ!」
「みな……っ、つ……ぅ、ぐぅ……っ」
「ひゃっ!? 鍵! おまっ……どこ触って! ああ、もうとりあえず、離れろぉぉっ!!!」
「ぐふっ!」
抱きついていたのに一瞬で振りほどかれ、そしてどてっ腹にきついのを受けた。
なんでだろう? いろいろと嬉しいのが吹き飛んだ。



「それで、何で鍵がここにいるんだよ?」
深夏が俺にそう聞く。
まあ、普通そうだわな。もう会えないかも知れないとまで俺は思っていたほどだ。深夏だって俺と似たりよったりだろう。
でも、俺が深夏に会いに来た理由は単純明快だ。
「会いたかったからきた。」
「………………それだけか?」
「ああ。それだけ。」
「お前、馬鹿か!? っていうか、馬鹿だろ!」
言い切られてしまった。
「馬鹿でも何でもいい。ただ深夏に会えなくて辛くて苦しかったから、会いに来ただけだ。」
「だって、鍵! お前、あんなあたしに嫌な別れ方させて、それでずっとあたしだって苦しくて、あんな牢獄みたいな学校で暮らしてて、それでもずっと我慢してて、それなのに、お前の勝手で、会いに来た、なんてっ、そんな理由でくるならっ」
気付いたら深夏は涙を流しながら俺にずっと喋っていた。
「そんな、っ理由で……くるんだったら、もっと……っ、はやっ、く来てよ……っ、ばかぁ……」
深夏はすすり声を上げて俺の胸で泣く。
深夏だって耐えてきたんだろう。俺みたいに心を気丈に振舞って、転校ってなれない環境の中で、ずっと一人で戦っていたんだろう。
「ごめん。」
俺はただそう静かにいった。
「えぐっ……っば、かぁ……っぅ……っばかぁ……っ」
「深夏……ごめんな。もう絶対、お前から離れないから。ずっとそばにいてやるから。」
そう、赤子をあやすように優しくそっと深夏に呟く。
深夏とずっと一緒にいること。それが正しいのか悪いのかは分からない。
でも前みたいになるのは嫌だ。誰かの犠牲に成り立つ幸せは結局ハリボテなんだ。
だから俺は飛鳥を、林檎を守れなかった。
深夏だって失いかけた。
互いの幸せの妥協点を探っているんじゃいつまでだって幸せになれない。
どっちも幸せにする。そうもう決めていた筈なのに、心が揺らいでいた。
だから、もう迷わない。
絶対にこの握った手を離さない。
ずっと死ぬまで、死んだって一緒にいる。
そういう幸せが俺は欲しかった。
今、それは俺の手の中にある。
だから、守っていく。
どんな困難にだって。
どんな理不尽にだって。

そう、決めた。



そのあと、俺は深夏の家(深夏は遼の門限があるため帰った。)で香澄さんや輝明さんと話し合った。凄く厚かましい頼みであるのは分かっていたけど、やっぱり俺の傍には深夏が必要だっていうことを真摯に伝えた。『うちの娘はわたさーん!』的な展開になるかもとも思ったが、そうはならずにむしろ凄い暖かな笑みとともに『深夏をよろしく頼むよ』といってくれた。
いや、逆にそういってプレッシャーをかけているのかもしれない。まあ、それでも俺を信頼してくれている事には変わりない。
ただ、流石にこの時期に転校というのは無理だそうなのでやっぱり来年度の四月からになってしまうらしい。
だから深夏(ついでに真冬ちゃん)が具体的に帰ってくるのは3月の下旬という事らしい。

そしてそれから約一ヵ月後。
今日は深夏(ついでにその妹)が帰ってくる日だ。

(ソワソワ、ソワソワ。)
「…………。」
(ソワソワ、ソワソワ。)
「…………。」
(ソワソワ、ソワソワ)
「「ええーいっ、少しは落ち着け!!」」
「おおうっ!?」
会長と飛鳥の二人に同時にツッコまれてしまった。
「いつまでも行ったり来たり行ったり来たりで少しは落ち着いてよ杉崎!」
「うろちょろうろちょろいつまでも忙しなくて目障りで邪魔な奴ね!」
「そこまで言われる筋合いはないやい!!」
なんか飛鳥のほうならともかく会長まで飛鳥の罵詈雑言を吸収して物言いが怖くなっているからなぁ。って言うか明らかに林檎と同種のはずの会長が飛鳥と仲良くしている事が不思議でならない。
いや、飛鳥だからこそか。おつむの弱いことだったらいくらでも仲良くなれる性格だしね。
「だ、だいじょぶだよ? 飛鳥おねーちゃんも会長さんもきっと冗談で言ってるだけだから。」
「うう……そうやって俺を励ましてくれるのはお前だけだよ。林檎……。」
あ、言い忘れていたけど、林檎も無事普通に暮らせるようになったので四月から壁陽に通うらしい。良かった良かった。
「あ、来たみたいよ。」
知弦さんがそういう。

(これから書いているこっちがウザイぐらいにイチャつきます。免疫がない方はプラウザから戻るボタンをクリックした方が賢明かと……。)

「鍵っ!!」
「深夏!!」
深夏が猛烈にダッシュしてくる。それはもはやある種光の速さだったが、俺はちゃんと深夏を抱きとめた。
深夏も俺も互いを思いっきり抱きしめる。
「……すぅ、はぁ……。」
深夏が俺の胸の中で呼吸をする。
「ん、どうした?」
「あのな……ずっとこうしたかったから。こうやって鍵と一緒にいて、ずっと一緒に、特別な事なんて起こんなくてもいいから、こうしてたかった。」
「どんだけ一緒にいたいんだよ。」
「仕方ないだろ。鍵がそうさせたんだから。……それにな。」
「ん?」
「鍵が、どんどんあたしの必要な栄養素になっていってる気がするんだ……。」
……朝からグッと来ることを言ってくれるなぁ。
「…………いっいや、ごめん、今の撤回っ……、やだなんであたし朝からこんな恥ずかしい事……っ」
「ちょっ、俺がグッと来た台詞を撤回するなよ!?」
「え、あ……。」
それだったらという様な雰囲気で深夏は
「……け、鍵……なしじゃ、もうやなの……。」
「っっっ」
――微妙に表現が変わった分さっきより破壊力が大きくなった。

「う~ん……なんだろコレ……。」
「これって、何が?」
「杉崎と深夏がイチャついているのは今に始まった事じゃないけどさ……なんか、ここまで仲間外れにされているのにこう見せ付けられると異常に腹が立つという……。」
「くりむちゃんなんかはいいわよ。私なんかは元恋人で好きだった人が目前でイチャついてるんだから…………殺したくなる。」
「飛鳥おねーちゃんがいつになく黒い表情してる!?」
「あれだけ悩んでいたキー君がこうも幸せそうにしてると…………その幸せ、ぶち壊したくなるわね……。」
「紅葉先輩!? 顔がとても女の子の顔じゃ……あ、でも、真冬も軽くウザイかもしれないです。」
「ま、真冬さん!? 真冬さんまでそっちに堕ちたら林檎はどうしたいいのか分からないですよぉ!?」
「これが自然に出来た幸せだったら、私は壊さずにいられないね!」
「会長さん! 不自然に出来た幸せでも見守ってあげてください!」
「全く、あそこでケンの事助けなきゃ良かった。」
「飛鳥おねーちゃん、そこは助けてよかったって言おうよ!」
「気まぐれにしちゃあやりすぎだったわね。」
「もう林檎、ツッコむの疲れたよ……。」
「あ、そう? じゃ、帰る?」
「「「ノリ軽っ!?」」」



何ヶ月ぶりだろうか。
深夏が俺の部屋にいる。
たった約三ヶ月の間だったけど、それはとても長く感じられた。
「…………。」
なんか深夏が初々しい恋人のように何故か小指だけ絡めている。
っていうか、そうか二人きりか。

二人きり……だとっ!

なんかそう考えたら妙に気恥ずかしくなってきた。
深夏もよく見ると少しだけ顔が朱色に染まっている。
「あ、あのさ……深夏……。」
「は、はいっ!?」
「そ、そんな声裏返んなくても……。」
「そ、それはだって……その……二人きりなんてほんとに久しぶりだし……。」
何だこれは。深夏と話すこと事態が久しぶりだからもじもじしている深夏を見ると凄いいやばい。流石に俺も自慰どころではなかったから、性欲処理はしてない。もうそりゃ男の本能として勃つ。
「み、深夏……。……その、キ、キス、するか……?」
「…………ん。して……。」
消え入るような声で深夏がそう言う。
ここで出来る事なら深夏を激しく襲いたかった。
でも、深夏の事を守ると誓った矢先、そんな事は出来ない。
だから俺は、深夏と、優しくそっと唇を重ねた。
「んっ……ぅ、は……んくっ……んむっ、ちゅるっ……ちゅっ」
久しぶりに重ねた深夏の唇はとても甘くて柔らかかった。こんなにだっけ? と思うほどに。
「んっ……ちゅぶっ……ん、くっ……はぅ……んっ、ちゅ、じゅるっ……チュぅ、るる……っ」
「深夏……好きだ。ずっと一緒にいよう……。」
「んっ……そんな、こと、面と向かって言うな………………恥ずかしい……。」
ヤバイ。ホントもうヤバイ。可愛すぎる。たった三ヶ月会わないだけで女っていうのはこんなに可愛くなるものなのだろうか?
「んくっ……ちゅっ……んっ、はっ……ふ、ぅっ……んむぅっ……じゅるるっ……は、ふ……んっ」
一度口づけをやめて、顔を離す。深夏もスイッチが入ったのかとろんとしている。
だけどまだ俺は秘部や深夏の恥ずかしい所はまだ攻めない。まだ、キスするつもりだ。


「深夏。舌、出して。」
「へ? あ、あの……こう?」
深夏がアッカンべーをするように舌をペロッと出す。
俺はその差し出した舌を甘噛みしつつ、思い切り吸い上げた。
「んむぅっ!!? んっ!……んっ、ふぅっ! んむっ、ちゅくっ、ちゅる、ちゅるるっ……は、んんっ!! ひ、ぅ……ふぅ……んっ!! んはぁっ! じゅっ、んあっ! んむぅぅっ!!」
舌というか、口が性感帯の深夏にとってはこうやって舌を吸い上げられるのはそれなりに官能的に凄いのだろう。実際、吸ってる俺だって気持ちいいし。
「んむっ……!! ひ、あっ!! んむっ……くぅっ!! う、ぅんっ……じゅっ、じゅるるっ、んちゅ、ちゅぷ……んふぅんっ! や……ふぅっ!! んあっ、はあ、ぁっ!!」
キスだけでこんなに乱れている。
もう俺には我慢できないほど官能的だった。
深夏の舌から唇を離す。
すると立っていた深夏はすとん、と力が抜けたように座ってしまった。
「み、深夏?」
「ぁ……は、ふ……んっ……ぅ、あ……ぁ……んんっ」
深夏の口から一筋の涎がこぼれていってそれがさらに深夏を淫らに見せる。
「鍵………………。」
「ん?」
「……もっとして……気持ちいいこともっと、されたい……。」
その言葉と姿がとてつもなく可愛くて
「ああ、分かった。」
もうちょっと自制効きそうにないなあと思いつつそう答えた。



「やふっ……そ、こ、舐めないでよぉ……っ」
「気持ちよくないか?」
「気持ち…………いいけど……。でも……恥ずか、しいっ……」
今俺の上に深夏が乗っていて互いの陰部が顔の前にある、俗にいうシックスナインと体制なのだが、深夏はさっきのキスのせいでかなり濡れている。それでいて敏感になっているため、俺の物を舐めるような気力がない。
だから俺が攻めっぱなしなのだが……。
「でも、気持ちよくして欲しいって言っただろ?」
「そ、そうだけど……だけど恥ずかしいものは恥ずかしいって言うか……。」
「……。」
ちょっと悪戯で深夏の秘部を舐めてみる。
「ひやっ!? もっ、ばかっ、なんでこっちが話している時にそんな事……っ」
「いやだったら、深夏も普通に攻めればいいかと……。」
「……ふんっ、そんなことするならあたしだって考えがあるんだからな。」
ジーッと俺のズボンのチャックを開けて、俺の物を出す。
「わ、こんなに……おっきくなってたのか……。……あのさ、鍵。」
「ん? 何だ?」
「いつも思うんだけど、こんなに腫らしていてさ、痛くないのか?」
「いや、あんまし。」
「そ、そうなんだ……………………ちゅるっ、んぶっ……ちゅぶ、んっ……う……ん」
「っ……ぅ!」
思わず声が漏れそうになる。だけど体が思いきり反応していたのを深夏は見抜いていたらしく、
「今、ピクンってなった。ここが、気持ち良いのか? 鍵。じゅるっ……ん、むぅっ……んぶっ……」
ヤバイ、久しぶりにこういう事されたせいか、脳がとろけそうになる。
でも、俺だってやられっぱなしじゃ、気がすまないので俺も深夏の秘部を刺激する。
「やっ……あ、鍵っ……じゅっ、じゅるるっ、ひょこ……はっ、だ、め、ぇっ……」
そのまま、悶えるように動く太ももの間に顔を埋める。
「あっ! んんんぅっ!!」
「どうした、深夏。そんなんじゃ俺は気持ちよくなんないぞ?」
あえて意地悪くそう言ってやる。
「わかっ、てる……っ、んっ、じゅぷっ……んむぅんっ…………ちゅ、ぷっ……ひあ、ふ……んんんぅっ」
深夏が必死になって俺の物をしゃぶってくれる。多分頭の中が快楽ばっかりでとりあえず舐めとこうというようなしゃぶり方だが、それが逆にあどけなくて気持ちいい。
「ひ、ふっ……んんんあっ!! ちゅ、じゅる、じゅるるるっ……ちゅ、む……ん、ぷっ……は、ふ……じゅるっ……ちゅじゅっ……ちゅるっ、じゅるぅ……っ」
深夏の秘部に舌を突き立てて挿れてみる。
「ひあぁっ!? や、はっ……! それ、ん……あああっ! ダメ……ぇっ、やっ、すごっ……く、くるっ……きちゃっ、う……よぉっ、ひ、うううんっ!! それ……っ、んあっ! んくっ、ひあうぅっ!!」
「深夏、思いっきり吸うからな。」
「へ……? やっ! ちょっ!? ま、まって! まっ、ひ、ふあああっ!?」
深夏がさっきしゃぶっていた時以上に音をたてて吸う。
「んふぁっ! ひ、ふ……っ! だ、めっ……だ、めぇっ! そ……んあ……すごい、の……きてっ……へ、へんっ、に なっちゃ……っ! んんんうぅっ!! そ、そんあっ、すっちゃぁ……あっ! あふっ! んあああっ!!」
目の前で深夏の下腹部がピクンピクンと少しずつ動いている。
「深夏、気持ちいいか?」
「うっ、んっ! ……あ、ああんっ! び、びんっ、かんな、とこぉ……っ、ざら、じゃらって……ひうっ! ひてぇ……んんぅっ! や、も、これ……っダメぇっ!!」
逃げるように動く深夏の腰をつかむ
そして、ピクピクしてる秘部に何度も舌を使って往復させる。
「あっ! あ……っ! ああっ……んっ! ……ああ……ひやっ! んんんんぅっ!!! だ、めぇ……そんっ……なに、した、らぁ……き、気持ちよくっ……なり……っすぎてぇっ! んんっ!!」
喘ぎ声も大きくなり、そろそろイきそうだと思ったその時。
「っ……ぅっ!」
突然俺の下半身に電撃が走った。


「み、深夏?」
「あ、あた、しだけ……気持ちよくなるんじゃ……ふこっ、へいだから……っあむっ……んじゅるるっ、んくっ……ちゅぴ、ちゅ……ふ、あ……んんっ」
「グ……ぅ……あっ、みっ……深夏……っ!」
背中にゾクゾクとした寒気を覚える。
「んっ、はぁんっ……ちゅる……んぷっ、んぢゅ……ぢゅるる、ちゅむっ、は、んん……っ、じゅるるっ」
柔かな唇とざらついた舌が俺の物を嘗め回している。
くびれた部分を刺激されるとそれだけで軽くイきそうになる。
「んっ……じゅっ、鍵、だって、こんなにグチュグチュに、なってきた……んぶっ、ぞ。それにビクビクしてきて……はぁ……こっち、まで変に……なりそっ……う……ぢゅっ……ちゅる……ん、くぅっ」
あまりの快楽に頭に靄がかかったようになる。
「ここもっ……するから……っ……んくっ、んぶっ、じゅるるっ」
さっきまで先っぽだけ舐めていたのが急に根元まで咥えてくる。
「んんっ、ふ、は……んちゅっ、ちゅっ……んちゅ、ちゅむ、れろ……んんっ、はぁっ」
深夏が舌と口を動かすたびグチュグチュといやらしい水音が響く。
与えられる快感にもう俺は自我なんて保ってられなくて………………ただ俺は本能のままに深夏の秘部へと舌をのばす。
「んんっ、ん! ……ああっ……は……ああん……っ!!! あっ! ああっ! や、ああっ!!」
深夏と舌の動きと同調させるように俺も深夏の秘部を舐める。
「ああっ! ……あ、あた、し、もっ……! ま、また、気持ち……よくぅっ、なって……きちゃ、ううぅんっ!」
「一緒に、気持ちよく……なろう。そのための格好、なんだし。」
「……う、うん……ちゅぱっ、ちゅるっ、んちゅるっ……ん、ちゅぅっ」
俺も深夏も互いの快感を高めあう事に夢中になる。
両手で深夏の秘部を開いてその中に舌を入れ嘗め回す。
「ああっ!! んっ! んんっ! や……ああっ! きもち、いいっ! んんっ! ……ああっ!! ……あ、ああっ……そ、っこ、一番……感じるの……っ!!! あっ! け、ン……のっ、舌……すごい……っ! 舐めて……っ! あああああっ!!!」
「深夏だっていっぱい俺のこと、感じさせて、くれてる。」
「けん、け、んぅ……ちゅっ、んんっ!! ……は、ああっ! あ……んんっ! や、はああっ!!」
激しい喘ぎ声を漏らしているのに深夏も舌の動きをさっきまでの様にやめようとはしない。下はさらに大胆になって、気を抜くとすぐにでも果てそうになる。
「んっ! んふっ……ちゅぽっ、ちゅぷっ、はむっ、ちゅっちゅぅっ、んんっ!! ちゅぱっ……んっ!! ちゅぅぅっ……っ」
「っ……く、ぅ……深夏……っ!!」
「んふっ……ちゅっ、ん、んんぅっ! ……んちゅっ、ちゅうっ、ちゅっ……イきそう? 鍵……。」
「かなり……ヤバイ、かも……。」
「我慢しないで……イって、いいから。……鍵、イって……んっ、れろっ、んちゅ……ちゅぅぅっ、んふっ……ちゅぷっ、んちゅっ、ちゅっ、ちゅむっ、ちゅくっ……ちゅっ、ぅっんくっ、んぅっ、ちゅぷちゅぷっ」


深夏が精液を吸いだすかのように俺の物を刺激してくる。
あまりにも気持ちよくて思わず、腰をくの字に曲げる。
「んくっ!? だ、だいじょぶ? 鍵……。」
「あ、ああ、ごめん……すごく気持ちよかったから。」
「そんなに良かったの?」
「うん、めちゃくちゃ良かった。」
「くすっ……嬉しい……鍵……好き、んっ、ちゅっ……ん……ちゅっ、はぅ……んんっ、鍵が、気持ちよくなってくれるの……嬉しいから……んんっ、あっ、だから……あ、んっ」
「俺も……っ同じだ……っ」
「あっんっ!! ……あぁあっ! あっ……そう、だな……っんんっ!! 一緒、いっしょに……んんっ! あっ! ……気持ち、よく、なろ? っ! ああああっ!!」
互いの敏感なところを舐めていて快感が高まっていくのが分かった。
秘部の奥からでてくる愛液も多くなってきて、腰もういてくる。
「あ……ぁぁ……っ、深夏……俺、そろそろでそ……うっ」
「んちゅっ、ちゅぱちゅぱっ、ちゅうっ……いっぱい、出して、鍵の精液……っ、鍵のたくさん……欲しい……っ」
そういってより深夏は舌の動きを早く大胆にする。
「ちゅぷっ、ちゅちゅっ……んっ、はむっ……いっぱ、い……んっ、ちゅぅっ だし……てっ! んんっ……!」
「う、あ……本当に、でる……っ深夏……俺……も、うっ」
「出して……けんの、あたしに……いっぱい……っ!」
「あっ……ぐぅっ……深夏……っ!」
「あ、ああっ! けん……っ、ああっ! んっ……あたしで……イって……っ!! ちゅうぅぅっ!!」
「う、ぐ……あっ……!!」

どくん! びゅるっ!! びゅるるるっ!!

「ひゃ、あっ!? んんぅっ……ふ、あっ……」
すごく久しぶりに射精したせいか、むしろそれが少し痛いぐらいに感じるほどに出た。
「こんなに……でるんだ……それに、味も……濃いし。」
「全然性欲処理とかしてなかったからな…………。」
「たまってたってこと?」
「まぁ……そうだな……。」
「そ、そう……だったら嬉しい……鍵の事気持ちよく出来たから……。」
その言葉を聞いただけでもまた自分のものに血液が集まって熱く感じる。
「え? あ、あの……鍵……こんな出したのに、またおっきくなってるんだけど……?」
「ごめん、深夏。今度は……深夏の膣内で出したい。」
「へ? あ、あの、そういうことだとしたら……まだ、鍵、満足できてないの……?」
「そういう訳じゃなくてな、深夏といっしょに繋がりたいんだ……ダメか?」
「そ、そんな事、あるわけないだろ……っ、あたしも……そうしたい。」



「深夏、そこ、うつぶせになって寝て。」
「う、うん……。」
深夏のぐしょぐしょになっている秘部を確認も兼ねて触ってみる。
「ひゃふっ!? け、鍵、いきなりそんなこと……するならするって言ってよ……。」
「ごめん、でも、もう前戯入らないな。」
俺の大きく反り返ってそれも深夏の秘部へとあてがう。
「んっ……! いいよ、鍵、挿れて、あたしの中身鍵でいっぱいにして。」
「分かった……。挿れるぞ?」
「うん……。」
俺の物を深夏の膣内へと侵入させてく。
「あ、ふああぁっ……や、これ、温かいの……はいってくるぅっ!」
入っただけで、一瞬果てそうになった。
深夏の膣内がこんない温かくてぬるぬるでやわらかいなんてことを忘れていた。
「あっ! ふあっ! はぁあっ!! や……これ……んんっ!!」
「深夏の、なか……すごく熱い……。」
「はぁ……はぁっ……けんっ、のも……熱くて……んんっ!! あた、し……おかしく、なっちゃ、いそう……っ……お腹の……中、鍵ので、いっぱい……っ!!」
「もっと奥まで挿れるよ。」
「んっ……もっと……奥まで……きて……。もっと、鍵のを感じたい……。」
先端が奥を着くまでなるべく優しく押し込んでいく。
「ふあぁぁっ!! あっ! んっ! や、これ……前のときより……気持ち、いいっ……!!」
目を細めて艶かしくそういう。
「鍵の……久しぶりに、感じてて、お腹の中いっぱいで……苦しいくらいなのに……からだの、奥……っ熱いの……とまらなっ……!! んんぅっ!!」
ベッドのシーツをぎゅっと握って深夏が快感に喘ぐ
「すごく、熱くて……締め付けてくるよ……深夏の中。」
「だ、だって……!! か、体が、勝手に……っ!! 反応、しちゃってっ……!!」
「すごく、気持ちいい。」
このまま動かなくてもいずれはイッてしまいそうなくらいに深夏の中は良い。
でも、それじゃ深夏は気持ちよくなれないし、俺ももっと気持ちよくなりたい。


「深夏……動かすよ。」
こみ上げる快感を堪えて俺は自分の物を動かす。
それに呼応するようにぎゅぅぅっと深夏の膣内が締まってくる。
「はぁ、はぁっ! けんの、おっき……っ、あっ!! ああっ! んっ! んくうぅっ!! あ、あふっ! あんっ!! あっ、あぁあっ!!! ふふあぁあっ!!」
深夏の口から甘く切なげな声が漏れる。
先端が擦れる度に深夏は身をよじる。
「う、動いて……っ!! あ、あたしの、なか……っ!! ぐちゅぐちゅっ、にかきまぜっ!! られっ!! くあぁぁんっ!!」
姫声を上げながら深夏は悶えている。
「く……っ」
さっきとは比べ物にならないような快感を耐える
「やんっ!! は、はげしっ!! ああぁっ!! あふ、んくぅっ!! んあああぁぁっ!! お、おくっ!! だ、だめぇっ!! 擦れて……壁に擦れて、変になっちゃ!! んんぅああっ!!」
膣内を往復するたびに深夏は背中を仰け反らせる。
胸も大きく震えて視覚的にも俺は興奮していく。
「深夏……何だか、凄くエロい。」
「んんっ!! そ、そんな事……いうなぁっ!! あうんっ! ひあっ、んんぅっ!! やぁっ!」
「ああぁっ!! ……鍵……けんっ……けんぅっ!! んうぅぅっ!!」
「深夏、今の深夏、凄く可愛い。」
「くうぅっん! んあぁっ! ふあっ、ひああんっ!! あぁっ、あっ! んああああっ!!!! ふあああああっ!!!!!」
「い、いいの……っ!! けんの……き、気持ち……いっ! んあぅっ!!」
「あぁ、深夏……俺も深夏の中、凄くいい。」
「あふっ、はあぁぁっん!! け、んうぅっ! もっ、あた……っ! イキそっ!! あんんっ!!」
「ああ、俺もイきそうだ……っ!!」
「ひああんっ!! もっと、もっとぉっ!! 気持ちよくなって……気持ちよくしてっ……!! ふぁぁっ!! んぁっ! はあぁんっ!」


快感を隠す事もなく、深夏がそう叫ぶ。
俺も、深夏を求める事で頭がいっぱいだった。
「深夏……っ……深夏!!」
「いぁっ! はぁっ!! あ、ああっ……いっ、んあああああっ!!!」
頭の中が真っ白になる。
「んあああっ!! ふぁ……あっ! けんっ……もっ、あたし……あたしぃっ!!」
「イきそう?」
「んはぁっ! んっ、けんっ……っ!! とんじゃうっ、とんじゃうよぉっ!! あ、たしっ、こ、こわい……こわいよ……っ!! ふあぁぁっ!!」
「大丈夫……一緒だから。一緒に……っ!!」
「あっ! ああんっ!! やっ、奥、つかれるっと……っ!! ほんとに……とんじゃうぅっ!」
俺も、もう我慢の限界が近かった。
「んああぁっ!! あくっ! あんんっ!! ああっ! けんっ! けんぅっ!! んううぅぅっ!!」
「も、もうだめっ!! ほんとに、もっ!! ……んぁっ! んっ!! あふ!! くうぅぅぅっ!!! んあぁぁぁっーっ!!」
「うっ……あ゛あ゛っ!」

どくん!!! びゅくっ!! びゅるるる!!!

「ああぁぁっ、くうぅぅぅっ!? け、けんっ!!……ひゃううぅぅぅっ!!!!」
ビクビクと深夏の体に震えが走る。
「ひっ、んっ、あ……っ」
背中を逸らし大きく息を吸い込んだかと思った瞬間
「あぁっ!! け、けんぅっ!!! ああぁあぁぁああぁぁっ―――!!!!」
深夏が絶頂を迎える。
「う、くぁあぁっ!」
その瞬間にとてつもなく深夏の膣内は締め付けられ、二度目の射精とは思えない量が深夏の中に注がれていく。
「あ、あ……あ、あ……ふ……あ、ああぁっ」
「深夏……」
「けん……キス……して。」
「ん。」
優しく触れるだけのキス。だけどそれで十分に俺たちの思いは伝え合えた。



「鍵……っ」
「なんだよ。」
「呼んでみただけ。」
「ん、そうか。」
あのあと、俺たちはシャワーを浴び(またそこで一回シタのは言うまでもない)裸のままベッドの上で寝ていた。
「やっぱり、鍵の彼女になれて良かった。」
「なんだよ、藪から棒に。」
「だって、あたし、クリスマスの時もう一生鍵とは会えないんだって思ってたもん。だけど、またこうしていれるから。ずっと鍵のことを好きでいれるのがよかったなって。」
「……言ってて恥ずかしくないか?」
「……少しだけ。」
深夏がはにかみながらそう言う。
「だったら俺だって深夏の彼氏になれて良かったよ。」
「そ、そうか……だったら両想いだな。」
「それだったらもっと早く俺たち恋人になれたはずだけどな。」
「だって、最初の頃は本当にちょっと引くほどにおかしな奴だったし。」
そう言われるとちょっと困る
「ま、何はともあれ、鍵」
「ん?」

ずっと、ずぅーっと、一緒だからな!

FIN





参考情報

2010/06/05(土) 05:03:50~中断、2010/07/13(火) 22:43:16~2010/07/14(水) 01:56:59で31レスで投稿。
一星龍さんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレでの24作品目。
掲示板での修正に沿った修正を施しております。

  • 最終更新:2010-07-14 19:50:18

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