李杏さんの小説7
本文
「杉崎君、はい、これ」
ここは杉崎先輩のクラス、現在は昼の弁当の時間となっている。
「これって弁当? 自分で作った奴があるんだけどなぁ」
先輩は女の子にお弁当を貰っていました。真冬はたまたま先輩に用事があって来たのですが、何故か入りずらい空気があってただ見てる事しか出来ませんでした。
「じゃあ杉崎君が作ったのは夜に回したら?」
暫く悩む素振りを見せる先輩、そして結局女の子のお弁当を食べていました。
それにしても何だか胸が痛いです。その子のお弁当を食べる度に胸が苦しくなります。真冬はどうしてしまったのでしょう?
「キー君、明日の予定は空いてるかしら?」
「大丈夫ですよ。また生徒会関係ですか?」
「えぇ、休日の部活動、主に運動部の調査よ」
生徒会室でそんな話をしている先輩と紅葉先輩。でもそれに真冬は口を出さずにはいられませんでした。
「先輩! 明日は真冬とゲームを買いに行くという約束をしてたんです! 真冬は凄く楽しみにしてたんですよ!?」
珍しく声を荒くした真冬に驚くお姉ちゃん達、それでも真冬は冷静になんてなれませんでした。
「ま、真冬ちゃん?」
先輩の困った様な顔を見て、真冬はやっと冷静になれました。
「あ、ごめんなさいです――」
シュンとしちゃいます、でもそれよりも心の中に何かシコリが残る感じがしました。
「謝らなくてもいいよ。そうだな、先約は真冬ちゃんだし――」
「キー君? 優先順位は仕事よねぇ?」
先輩は真冬の願いを却下しました。優しい先輩は真冬に謝ってくれました。でもこの嫌な気持ちは何なのでしょうか?
「はぁ――、やっぱり一人じゃ楽しくないです」
真冬は一人で街に出ていました。目当てのゲームを買えて嬉しい筈なのになんだか楽しくないです。
「ありがとうございます知弦さん、お陰で目的の物が手に入りました」
目の前には紅葉先輩と楽しそうに買い物をしている先輩がいた。
「構わないわよ。でも今度お礼はしっかりして貰うわよ?」
なんで? 生徒会の仕事の筈なのに! なんで楽しそうに腕を組んでいるんですかっ!?
「知弦さんには敵わないなぁ」
止めて下さい! 止めて! 真冬以外の女性に笑顔を浮かべないで下さい! 話さないで下さい!
「真冬は先輩が――――」
“好き”なんだ。
気付くと真冬は家までの道のりを全力疾走していた。運動なんて全くしない真冬の胸は悲鳴を上げていた。でもそんな事は些細な問題だった。
「杉崎先輩、大好きです。だから真冬だけを見て下さい。ね、私だけの先輩、アハハハハ」
「うっ――、ここは?」
俺は目を覚ますと真っ白な天井が目についた。腕を動かすと鎖で繋がれていた。足も繋がれている。
「なっ!? なんだよこの鎖は!」
俺は現状が理解出来ずに声を張り上げた。裸にされ、両手足を鎖で拘束、まともな状況ではない。
「あ、起きました?」
そんな俺の目の前に現れたのは裸の状態な真冬ちゃんだった。病的なまでに白い肌、以外にボリューム感のある胸とお尻。普通の状態ならば欲情してもおかしくないが、こんな状態では全く興奮しなかった。
「真冬ちゃん? なんで裸――、そうか! 誰かに拘束されたのか!?」
そうか、また何か訳の分からない犯罪に巻き込まれて今の状況か! それで真冬ちゃんはなんとか逃げ出して助けに来てくれ――――。
「アハハ、誰かに拘束? 真冬が拘束したんですよ、せ・ん・ぱ・い」
笑顔で俺に歩み寄る真冬ちゃん、真冬ちゃんが俺を拘束? なんでだ?
「覚えてないんですか先輩?」
俺は記憶を辿ってみた。学園に向かう途中で真冬ちゃんに会って――――。
「その顔を見ると思い出してくれたんですね? 真冬は嬉しいです」
そう言って俺の上に覆い被さる真冬ちゃん、真冬ちゃんの温もりと柔らかさ、そしてフワフワとした胸が当る。
「ま、真冬ちゃん!?」
「これからはずっと一緒です。もう離しませんよ? でも先輩は幸せですよね? だって真冬とずっと一緒ですから、アハハハハ」
俺は真冬ちゃんの暖かさを感じながら、同時に恐怖から来る寒気を感じていた。
「真冬ちゃん、こんな事はやめてくれ――」
「どうしてですか? 先輩が喜ぶと思ったからやってるんですよ? だからやめません」
幸せそうな表情で俺の胸に顔を沈める真冬ちゃん。
「先輩がどうしてもって言うなら、真冬の質問に答えられたらやめてもいいですよ?」
俺はその言葉に頷いて返した。すると真冬ちゃんは俺から離れ、近くにある俺の通学用バッグから、小さな箱を取り出した。
「先輩、これはなんですか?」
「それは――!」
真冬ちゃんが持っている物は、俺にとってとても大切な物だった。
「指輪ですね。誰にあげるつもりだったんですか?」
真冬ちゃんは箱から出した指輪をマジマジと見ていた。小さなピンク色の宝石が付いている指輪。
「――、――――」
俺は沈黙を貫いた。今の真冬ちゃんに何を言っても無駄だからだ。むしろ本当の事を言ったらきっと嘘だと思われるだろう。そんな気がした。
「答えて下さい!」
真冬ちゃんが怒鳴ってから数分が経った。そして真冬ちゃんは唐突に指輪を箱にしまった。
「先輩には呆れました。それなら体に聞くだけです」
「え?」
まるで拷問でもする様な口振りに怯える俺。
「大丈夫ですよ先輩、少し素直になって貰うだけですから、それに痛くありません、逆に気持ちいいですよ?」
そう言って、真冬ちゃんは錠剤と水を取り出した。
「薬!?」
流石の俺も、身の危険を感じた。
「媚薬ですよ。健康を害す事は無いですから、安心して下さい、きっと先輩、悶えちゃいますよ? アハハッ」
そう言うと真冬ちゃんは俺の口の中に錠剤を入れ、直ぐ様水を注いで無理矢理口を閉じた。
「ん――! ん――――! ゴホッ、ゴボッ」
俺は必死に抵抗して、なんとか薬を吐き出した。流石に無理矢理薬を飲ませるには、女の子一人では力が足らないみたいだ。
「先輩、素直に飲んでくれないと困りますよ? 大丈夫です。真冬に任せて下さい」
「ゴホッゴホッ、任せられるか! 無理矢理薬なんか飲ませるなんてどうかしてる!」
笑顔で言う真冬ちゃんに俺は必死に訴えた。
「だって真冬は先輩が好きなんですよ。だから仕方ないんです。きっと先輩も直ぐに真冬の事が好きになりますよ」
そう言って自分の口の中に、薬と水を入れた。そしてモゴモゴと口を動かしている。
「真冬ちゃん? なにして――――」
次の瞬間、真冬ちゃんが俺の上に跨がった。そして真冬ちゃんの柔らかい唇が俺の唇に触れた。
「ん!?」
真冬ちゃんの舌が俺の口の中に入って来る。そして真冬ちゃんの唾液と共に、砕けた薬と水が、俺の口の中に入って来た。なんとか吐き出そうと試みるが、真冬ちゃんの唇で塞がれて出せなかった。
「ん――!」
結果的に薬を全て飲み込むハメになってしまった。
「ゲホッゲホ」
俺は無理矢理咳き込み薬を少しでも出そうとする。普通なら指を喉に突っ込む所だが、鎖で拘束されている現状では無理だった。
「これで少しは素直になってくれる筈です、ね、先輩」
真冬ちゃんは唇と唇が今にも触れそうな距離で笑顔を向けて来る。そして変化は起こった。
「な、なにこれ――、なんか嫌な感じが、する――」
なんだか切ない様な、体が火照る様な、むずむずする。
「アハ、速効性で効果は抜群です」
真冬ちゃんは笑いながら俺の上で体をくねらせる様に動かした。たったそれだけの事なのに俺は声を張り上げてしまった。真冬ちゃんの暖かく柔らかい体が擦れるだけで、凄まじい快感が伝わって来た。
「ぁぁぁぁっ――!」
「可愛い声ですね、先輩」
「っぅ――――」
俺に体を重ねながら、真冬は自分の指で俺の胸の辺りに円を描いていた。真冬ちゃんの柔らかい指が俺に快感を与えてきた。
「や、やめ、ろっ」
俺は唇を噛み締め、痛みで快感を抑えながら言葉を振り絞った。
「それじゃあ指輪は誰へ送る物だったんですか?」
真冬ちゃんは快感を与えない為か、俺の体から離れた。そして寝ている俺を見下ろしながら言う真冬ちゃん。
「真冬ちゃんへプレゼントにする為に――――」
“買った”と言おうとする所で真冬ちゃんの声が俺の声を遮った。
「嘘です!」
真冬ちゃんは頬を真っ赤にして、明らかに怒っている表情を浮かべていた。俺はそんな真冬ちゃんに面食らってしまった。
「ま、まふ、ゆ、ちゃん?」
「紅葉先輩と買ってるのを見たんです! 真冬へのプレゼントな訳がないじゃないですか! 真冬はこんなにも先輩の事が大好きなのに! なんでそういう嘘を付くんですか!?」
「う、嘘な訳ないだろ!? 真冬ちゃんへのプレゼントを一緒に選んでもらってただけだ!」
俺は真剣な目つきで真冬ちゃんに訴えた。だって嘘なんてこれっぽっちも無いのだから、俺も真冬ちゃんの事が大好きだった。だから知弦さんに頼んで一緒にプレゼントを見てもらっていたのだ、なんで知弦さんかというとやはり女性としての経験が豊富だからという単純な理由。それがまさかこんな事になるとは思っても見なかった。
「そうですか、分かりました」
真冬ちゃんはそう言って俯いた。俺はやっと信じてもらえたのかと思って安堵の息を漏らした。
「やっぱり先輩の体に聞かないとダメみたいですね」
しかし真冬ちゃんには全く伝わっていなかった。俺は真冬ちゃんに畏怖した。真冬ちゃんの顔は笑顔は笑顔なのだが、とてつもなく冷たい笑顔を浮かべていたからだ。こんな真冬ちゃんは真冬ちゃんではない。
「怯えなくても大丈夫ですよ。とっても気持ちいいだけですから、でも快感も度を超すと拷問に感じるらしいですよ? アハハハッ」
真冬ちゃんはまた俺のお臍のあたりに跨った。真冬ちゃんの柔らかくも温かい肌が俺の肌に擦れてとてつもなく気持ちいい。そして再び襲ってきた快感に顔を歪める。
ちゅっ、くちゅくちゅ
「ん! ん――――!」
真冬ちゃんはそのまま俺の唇に自分の唇を重ねてきた。そして舌を入れて俺の口の中を蹂躙していく。真冬ちゃんの舌先が俺の頬の内側をちろちろと舐めている。俺は情けない叫びとも取れない声を漏らすしかなかった。
「ぷはぁ、先輩可愛いです。キスだけでもうビンビンですよ? もしかしたらキスだけでイッちゃうんじゃないんですか?」
「――――」
俺はほぼ意識が無かった。目は虚ろで目の前の真冬ちゃんが三人くらいには見えるし、なんだかフワフワとした浮遊感がある。
じゅるるる、じゅっ
「ぁ――」
真冬ちゃんに俺の舌が吸われている。自分の舌なのに自分の物じゃない感じだ。気持ちいい。
「キスだけでイッちゃってもいいんですよ。ヘンタイな先輩」
唇もちゅうちゅうと吸っている真冬ちゃん、俺の物は我慢汁が溢れ出している。しかしキスだけでイクなんて、いくら薬のせいとはいえ自制心が少なからず働いていた。
「先輩、えいっ!」
真冬ちゃんは俺の両乳首をギュッとつまんだ、その瞬間限界が訪れ俺は白い液体を吐き出してしまった。
「アハハッ、キスされて乳首弄られただけで出ちゃいましたね?」
真冬ちゃんは俺の上で笑いながら精液を指で掬った。そして俺に見せ付けるようにペろりと舐めた。
「んっ、濃くて粘っこいです。でも凄く美味しいですよ先輩」
真冬ちゃんは暫く俺の精液を掬っては舐めを繰り返す。真冬ちゃんの舌がなまめかしく動く姿を俺は無意識のうちにジッと見ていた。
「全部飲んじゃいました。どうしたんですか先輩、そんなに真冬を見つめて――――、もしかして真冬に舐めて貰いたいんですか?」
真冬ちゃんの言葉にハッと我に返った。
「ち、ちが――」
「こんなに大きくして違うなんて言われても説得力無いですよ? 先輩が望むなら真冬の口でしてあげてもいいんですよ?」
真冬ちゃんは妖艶な笑顔を浮かべて俺を見ていた。俺はそんな笑顔に見向きもせずに、真冬ちゃんの唇と舌を見ていた。そんな俺が真冬ちゃんの発する誘惑に勝てる筈も無かった。
「真冬ちゃん――」
俺は知らず知らずのうちに真冬ちゃんの名前を呼んでいた。
「なんですか、せ・ん・ぱ・い?」
真冬ちゃんはまるで天使の様な、悪魔の様な、どちらとも付かない笑顔を浮かべていた。
「舐めてく、れ――」
俺は声を振り絞る様に言った。真冬ちゃんの可愛い唇と舌に犯されたい気持ちで俺の心はいっぱいになっていた。
「アハハ、いいですよ、真冬の体は先輩の物なんですから、でもその前に――――」
そういって真冬ちゃんは俺から離れると白いゴム紐を持ってきた。思考能力の低下している今の俺では真冬ちゃんが何をするのかさっぱり分からなかった。
「ま、ふゆ、ちゃん?」
「これは罰なんだから、こうするんです」
真冬ちゃんは俺の息子の根本をゴム紐で縛った。俺はそのキツさに悲鳴にも似た声を漏らす。
「これで先輩が出したいと思っても出せませんよ。たくさんの快楽を味わってくださいね」
「ちゅっ、ふぅ――――」
真冬ちゃんは俺のそそり立つ物の先端に軽くキスしてから息を吹き掛けてきた。俺の体は快感を享受する様に震えた。
「ちょっとキスして息を吹き掛けただけで先輩のビクビクしてますよ? そんなに良かったですか?」
真冬ちゃんは人差し指でクリクリと先端を刺激してくる。そんな刺激の中、俺が真冬ちゃんに意見なんてする事は出来なかった。
「目が蕩けちゃってますよ? 先輩とっても可愛いです。あふ、くちゃ、じゅるる」
「うぁっ――――」
真冬ちゃんはとうとう俺の物をその可愛い口に含んでくれた。真冬ちゃんの口の中はとても温かく、そしてヌメヌメとしていた。心地好い――――。そして薬により高ぶる俺は限界を迎えた。
「まふゆ、ちゃん、出るっ」
「なんふぁいでもいっふぇくらはい」
じゅるる、じゅるっ、じゅるるるる!
真冬ちゃんはいきなり強く吸った。俺は耐えられる筈も無く白濁を――。
「出な、いっ」
出なかった。出せば楽になるのに一滴たりとも出なかった。切ない、苦しい。
「出せると思ったんですか? 罰なんですから出せる訳ないです。射精感だけを何度も味わって下さいね」
下から覗く真冬ちゃんの優しい笑顔が俺にはとても怖く見えた。
じゅる、にちゃぬちゃ、じゅるるっ、ぴちゃっぴちゃっ――――。
部屋には真冬ちゃんの発する厭らしい、卑猥な水音だけが響いていた。あれから何分、何時間経ったのだろうか――――。
「ひあっ、ぁぁぁっ」
れるれる、ペロペロ。
もう何回射精感を味わったかも分からない、真冬ちゃんの舌が俺の先端を犬の様に舐める。あぁ、舌のざらつく感触が堪らない。
「ふぅ、先輩、大丈夫ですか?」
こくんと自分の唾液を飲み下し俺の物から口を離した、そして俺の顔を見ながら聞いてくる真冬ちゃん。しかしそんな真冬の問いに俺が応えられる訳もなかった。
「ま、ふ――ゆ、ちゃ」
真冬ちゃんの名前だけを振り絞る様に呟いた。これが精一杯の抵抗だった。
「なんですか? 真冬の名前だけを呼んでくれるなんて嬉しいです。真冬の愛を分かってくれましたか?」
「――――」
「何も言わないって事は分かってくれたんですね? 真冬はとても嬉しいです」
真冬ちゃんは二コリと微笑んだ、そして俺の物に真冬ちゃんは自分のアソコを決して入れないように、焦らす様に当てて来た。
「ふあっ、もう、や、めてっ」
俺は意識を少し取り戻し涙を零す。俺としてはこれが最後の抵抗でこれを超えたら多分戻ってこれない気がする。そんな最後の抵抗を試みる。
「やめてっ、ふふっ、とても可愛いですよ先輩――、でも答えはノーです。やめてあげません、今まで溜め込んだ物を全部真冬の中へ下さい。きっとその快感で真冬以外を愛せなくなりますから」
「なんでっ、なんで、だよっ」
真冬ちゃんと話している間にも真冬ちゃんは自分のアソコをあてがる。亀頭に真冬ちゃんの入り口が擦れる、あぁぁっ、気持ちいい。
「そしたら先輩は真冬の物になります。一生真冬の物です、とても素晴らしいです、アハハハ、アハハハハハハハッ」
俺はそんな壊れてしまった真冬ちゃんを見て諦めがついた。自分が愛した女に壊されるんだ、そんなのもいいかもしれない。それになにより――、我慢出来ない、気持ちよすぎる、真冬ちゃんに滅茶苦茶にされたい。
「折れちゃいましたね、じゃあ真冬の中に屈服の証をください」
真冬は俺の物の根元についていたゴム紐を外した。俺の物は快楽を享受する為に今か今かとビクビク脈打っていた。そして――――。
「あぁぁぁぁっ!」
真冬ちゃんは一気に腰を落として俺の物を自分の中に入れた。真冬ちゃんの膣はドロドロの溶鉱炉みたいに熱かった、そしてじゅくじゅくと俺の物に絡みついてきた。俺はそんな物に耐えられる筈もなく直ぐに注いでしまった。
「アハッ、先輩のが、真冬の中に入ってきます。すっごい多い――、はふぅ――――」
「まふゆ――――! ま、ふゆぅ!」
俺は真冬ちゃんの名前を呼び続けた。ダメだ、深い闇の中へ堕ちていく、気持ちいい、どんどん溶けていく、俺の体が溶けていくみたいだ――。
「先輩、もっと、もっとぉ――」
俺の上では真冬ちゃんが貪欲に腰を振り続けていた。その度に伝わってくる真冬ちゃんの膣の感触、熱く締め付けてくる。そして絡みついてくる。優しく撫でてくる。俺のカリ首、亀頭、裏筋、全てを責め続けてくる。
もうダメだ――――――――、もうどうなってもいい―――――――。
「どうですか? 気持ちいいですか? 先輩? もっとよくなって下さいね」
「――――」
真冬は先輩の上で腰を振り続ける。最初は憎しみや怒りがあったけど、今は特に感じない、先輩で満たされている。とても幸せな気持ちだった。単純に先輩を悦ばせてあげたいという気持ちになれていた。
「はぁ、もう出ないみたいですね、いっぱい出してくれて真冬は嬉しいです。ぁぁっ、ふぅ――」
真冬は先輩の物を抜く、少し垂れてしまう先輩の精液が勿体なくてアソコを手で塞ぐ。そして先輩の胸の辺りに顔を置いて匂いと体温を感じる。とても幸せな感情に浸っている真冬。
「真冬とっても幸せです、先輩も幸せですか?」
「――――――――――――」
「先輩?」
真冬の胸の下で寝ている愛しい人、でもさっきから反応がないです。おかしいです。今真冬を支配している感情は憎しみじゃない、先輩への愛だけなのに先輩が返事を返してくれない。
「――――先輩、うぐっ、ひうっ、なんで――、です、か?」
真冬の目からは大粒の涙が溢れてきていた。先輩の胸を伝う真冬の涙、もう一人は嫌です。大切な人を無くしたくないです。
「せん、ぱ、い、ごめんなさいっ、だから返事をしてくださいっ――!」
胸をドンドンと拳で叩く、その間も大粒の涙は真冬の瞳から溢れてくる。早く先輩の声が聞きたくて必死に胸を叩き続けた。
「まふ、ゆ、ちゃん?」
胸をドンドンと叩く微かな痛みとくすぐったさで俺は目を覚まして愛する人の名前を呼んだ。
「先輩っ――――」
俺の胸の上でひたすら泣き続ける小さな少女、怖いと思った。酷いと思った。でも今俺の前に居るのはただの小さな少女。俺はそんな少女、いや真冬ちゃんの頭を撫でてやろうと手を伸ばす、しかし途端にジャラッという鉄の音がし、俺の動きを止めた。俺は思わずその忌々しい鉄の鎖に対して舌打ちをした。
「ひぅっ!? ごめんなさいです、すぐ外しますから!」
真冬ちゃんは驚きそして青ざめた顔をしながら俺の腕と足についていた鎖を外した。そしてさっきまで行為をしていたベッドの上でお互い顔を見つめたまま座る。
「なぁ」
「あの」
二人で同時に口を開き、被ってしまったが為お互い口をまた塞いだ。真冬ちゃんの表情から察するに明らかに怯えている。目を見てみる、どうやら正気に戻ってるみたいだ、という事は俺が怒るとでも思ってるのか?
「真冬ちゃんから先に言ってくれ、大丈夫だから」
「――です」
真冬ちゃんは目尻に涙を溜めながら小さな声で言った。
「ん? なんだ? 聞こえないんだけど」
次の瞬間真冬ちゃんは大声で泣きながら俺の胸に飛び込んで来た。そして――――
「うっ、ううっ、ごめんなさいですっ! だ、だからっ――、真冬の事っ、ひっく」
「お、おい、真冬ちゃん――!?」
「き、嫌いにならないっ、で、ください――――」
最後は消え入る様な声で言う真冬ちゃん、真冬ちゃんの顔は俺の胸の間に隠れて表情は窺えない。震えている、泣いている、怯えている。俺の出来る事は一つしかない。
「ひゃう」
さっき鉄の鎖で手足を取られて出来なかった真冬ちゃんの頭を撫でるという事、今の俺に出来るのはこれしかなかった。
「せんぱ――――」
俺の顔を見上げて名前を呼ぼうとする、そんな真冬ちゃんの口を俺の空いている手で塞ぐ。
「嫌いになんてならない、居なくもならない、俺はずっとここにいるから、真冬ちゃんの事大好きだから、だから安心しろ」
俺がそう言って笑顔を向けてやる。そうすると真冬ちゃんは余計に泣いてしまった。そんな手のつけようが無い状態の真冬ちゃんを俺は優しく抱き締めた。
「それでどうしてこんな事したんだ?」
なんとか落ち着きを取り戻した真冬ちゃんを前にして、一番の疑問を真冬ちゃんに向ける。
「先輩が、その――、色んな女の子と話したり遊んだりしてて、真冬との約束を破って紅葉先輩と買い物をしてて、それでもう歯止めが利かなくなった――、です」
申し訳なさそうに顔を伏せる真冬、そんな真冬ちゃんの頭を再び撫でる。真冬ちゃんは両目を必死に瞑っていた。殴られるとでも思ったのだろう。
「――そっか」
俺は自分の鞄から再び指輪の入った箱を取り出す。
「真冬ちゃん、左手を出してくれないか?」
俺がそういうと真冬ちゃんは不思議そうな顔をしながらも手を差し出してくれた。
「真冬ちゃんの指輪のサイズってさ、深夏とも違う、会長とも違う、ましてや知弦さんとも違うんだぞ?」
まるで“?”マークでも頭の上に浮かべていそうな真冬ちゃんの差し出された左手、その薬指に指輪をはめてやった。これは真冬ちゃんのなんだぞ、としっかり伝えてから、すると真冬ちゃんは驚きの表情を浮かべていた。
「ぇ? 嘘です、だってこれ――」
「嘘なもんか、確かに買いに一緒に行ったのは知弦さんだ、でもそれには理由があるんだよ、俺が恥ずかしくて中々真冬ちゃんに言いだせなかったらな、男なら度胸よ、エンゲージリングでも買ってあげなさいって、笑うだろ? いきなりエンゲージリングだってさ」
俺がそう真冬ちゃんに伝えると真冬ちゃんはまた目尻に涙を溜めていた。知弦さんは決して仲間を裏切るような事はしない、むしろ応援してくれてた。ただ今回はたまたま気持ちの行き違いがあっただけ、そう、ただそれだけの事だ。
「ひくっ、真冬、どうしたっ、ひうっ」
また涙を流し始めた真冬ちゃんを抱き締める。どうしたら? 簡単な事だ。
「笑顔でありがとうって、感謝の気持ちを伝えればいいんじゃないか?」
真冬ちゃんはもう一言も言葉を発さずに俺の胸の中で静かに泣いた。小さなピンクパールのついた指輪を胸に抱き締めながら、俺はこの子の事が好きで本当に良かったと思った、色々あったけどずっとこの子を好きでいよう。
「真冬ちゃん、大好きだ」
「真冬もっ、ですっ」
そして一週間後――――。
「おはよう、真冬ちゃん」
あの真冬ちゃんに拘束された日が、お互いのお泊まり会の日になるなんて思いもよらなかった。そして爽やかな朝の目覚め――――――。
ジャラジャラッ
「ジャラ? って同じパターン!?」
「先輩、昨日のあの女の子は一体誰なんですか? 浮気はダメですよ? アハッ、そんな先輩はお仕置きです。フフフッ――――、アハハッ」
やっぱり真冬ちゃんを選択したのは失敗だったのかな?
「ハハハッ」
「アハハッ」
お互いの笑い声が部屋に響いたのだった。グッドエンド? 見かたによってはという事にしておこう。
参考情報
2010/11/01(月) 04:13:27~2010/11/01(月) 04:18:06で9レスで投稿。
李杏さんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレで7作品目。
- 最終更新:2011-10-30 03:44:26