李杏さんの小説8

本文

「ふんふふーん」


俺は鼻歌を歌いながらに生徒会室へ向かっていた、今日は紗鳥に仕事を手伝わされていた為に遅めの参加になってしまった。


「みんなお待た、せ――――」


俺は絶句した、目の前に天国の様な光景が広がっていた。まさに理想郷、アヴァロンだ。


「か、鍵!?」


メイド服を着ながら恥ずかしがる深夏、その様が余計に俺を萌えさせる。


「キー君、お疲れ様です」


今度はメイド服を着た知弦さんが、まるで本物のメイドの様に頭を下げてくれた。やばい、これは、これは、もう!


「みんな大好きだ――――――――!」


俺がみんなに飛びつこうとした瞬間、深夏のカウンター気味な右ストレートが顔面に入った。しかし、幸せだ。最高だこの理想郷。


「はぁ、はぁ、この変態が!」


深夏に罵られる、しかし今床に伏せている状態、このまま匍匐(ほふく)前進
すれば! 俺の理想郷はもっと広がる!


「っ――、こいつまだ生きてる!」


「ふふっ、深夏、俺の欲望はこれくらいじゃ収まらないぜ」


俺は知弦さんの方へと進み続ける、我がアルカディアへ! しかし深夏の攻撃が飛んでこないのがおかしいな?


「キー君、見ちゃうの?」


そして知弦さんの近くまで辿り着き上を見る。何故か若干潤んだ瞳の知弦、これはグッと来る物がある。


「ハァハァ、知弦さんの下着――」


俺は鼻息を荒くしながら見る事に専念する、今までで一番美味しい展開かもしれない。


「残念ねキー君」


その言葉に一瞬躊躇する。深夏の一撃がここでくるか!?


「だって穿いてないもの」


その瞬間に沸騰する様に血が飛び出した、これは深夏の一撃よりもきつ――――――。


「紅葉先輩えげつないです――」


メイド服姿の真冬ちゃんがそう言った。確かに深夏の暴力より余程えげつないよこれ。


「知弦ぅ! そ、その、高校生にもなって穿いてないのはダメだよ!」


「ニヤリ」


その瞬間俺は余計に血を噴出するのだった。もう血液は零です。


そしてみんなはいつもの様にテーブルに座った。ちなみに俺は輸血パックを出して輸血している。ムッ○リーニとかいうキャラじゃないですからね。


「それで今日はなんでみんなメイド服なんですか?」


そしてここに入ってからの疑問をぶつけた。


「文化祭で使われた備品を整理してたら出てきたのよ、後はアカちゃんがね」


なるほど、あらかた片付けに飽きた会長が始めたんだろうな。俺は会長をジト目で見た。


「な、何よぅ!」


「いえ、相変わらずだなぁと思いましてね」


必死に言い訳を考える会長を横目に含み笑いを浮かべる。


「そ、そうだ! もう一着あるから杉崎も着なさい!」


「はぁ!?」


俺は素っ頓狂な声を出した。それからはあまり考えたくない――――。






「それにしても傑作だったわ」


俺の横で片付けをしている知弦さんがクスクスと笑った。あの後メイド服を着せられ大変だった。なんで女装なんてしなくちゃならないんだ。


「笑い事じゃないですよ、まったく」


そして今日はみんな用事があるらしく、知弦さんが手伝ってくれていた。


「でも本当にある似合ってたわよ? 脱いじゃうなんて勿体ないくらいに、ね」


なんだか意味深な言い方をする知弦、俺は不思議に思ったがそのまま返す事にした。


「それを言うなら知弦さんも似合ってましたよ? 脱ぐのが勿体ないくらいに、な」


ふっ、と軽く笑って返してやった。微妙に皮肉った言い方になったが、まぁいいだろう。あんな格好二度と御免だ。


「そう? そんなに似合ってたかしら? メイド服」


「えぇ、とても、ね」


特に考えも無しに答える俺。知弦は何か深く考えているような表情だった。


「じゃあキー君の為にもう一回着てみようかしら」


「そうか俺の為に着る――――、って、えぇぇ!?」


俺の声が響くと同時に知弦さんはメイド服を閉まったダンボール箱から再び服を取り出した。知弦さんの表情はなんだかワクワクしているような、嬉しそうな、そんな顔をしていた。


「ん? なんで? キー君が私のメイド姿見たいんでしょ?」


「いや、確かに似合ってるとは言ったけど、って何してんだよ!?」


スルスルという音と共に俺の前で知弦さんがスカートを脱ぎ始めた。ピンクの下着がチラッと見えて俺は目を瞑った。


「着替えてるだけよ、キー君顔真っ赤よ? 恥ずかしいのかしら?」


表情は見えないけど知弦さんは絶対ニヤニヤしているだろう、なんだか悔しい。というか普通は女が恥ずかしがるものだろ!?


「ふぅ、もう着替え終わったわよ」


衣擦れの音も無くなった、どうやら本当に着替え終わったらしい。俺はゆっくりと目を開く。少しの間目を閉じていた為か光がまぶしく感じる。


「――――――――」


俺は言葉が出なかった、やっぱり知弦さんは可愛い。さっきは余裕を見せて俺を弄っていた知弦さんが、今は全く余裕を見せていない。頬を真っ赤に染めて恥ずかしがっている様に見える。メイド服自体はシンプルな物なのに着る人によってこんなに違うもんなんだなと関心する。


「ど、どうかしら?」


余計に顔を紅潮させ、スカートの裾を恥ずかしそうに両手で抑える。


「あ、あぁ、凄いその、可愛い、けど」


つい言葉が詰まってしまう。お互いなんだかぎこちない。というかさっきみんなで着てた時は恥ずかしがってなかった癖に――、なんだよその可愛さ!


「やっぱり一人でやると恥ずかしい、わね」


さっきはみんながやってたから出来たのか、だよな、知弦さんがあんな恥ずかしい格好普通に出来る訳ないしな。


「でも凄い似合ってます、可愛いですよ知弦さん」


だから頑張ってくれた知弦さんに賛辞の言葉を送る。実際物凄い可愛い訳だけど。


「あ、ありがと――」


顔を真っ赤にしながら言う知弦さんはとても可愛い、こんな知弦さんもいいかもなぁ。なんて思ってた矢先の事だった。


「ぷっ、あははは」


急にお腹を抱えて笑い出す知弦さん、なんだなんだ?


「だ、ダメ、可笑しくて我慢できない」


未だに笑い続ける知弦さんにちょっとムッとしてしまう俺。そんな俺に罪悪感を感じてくれたのだろう、笑うのを止めてくれた。


「なんかまた弄られた気がするんですけど」


俺は皮肉る様に言った。


「ごめんねキー君、悪気は無かったのよ? ただ私が恥ずかしがる様な子だって信じきっちゃってたから、もう可笑しくて可笑しくて」


やはり俺はおちょくられていた様だ、本当に知弦さんには敵わない。


「ふん、どうせ簡単に信じる野郎ですよ、すいませんでしたね」


「むっ、怒ったかしら?」


「怒ってません」


「怒ってるわよ」


「だから怒ってないって言ってる、だ、ろ?」


気付いたら知弦さんに抱き締められていた。知弦の柔らかい胸が俺の頬にプニプニと当たる。そして知弦さんの髪からはシャンプーのいい香り、体からも何か甘い香りが漂ってくる。


「よしよし」


そしてそのまま頭を撫でられる、なんだか凄く落ち着く――。


「って、ちっげぇぇ!」


知弦さんの抱擁を無理矢理抜け出した、危うく甘えたくなる所だった。恐るべし知弦さん、会長を手なずけるその腕は恐ろしいほどに凄い。


「そんな逃げ方するなんて流石に傷つくわねぇ」


知弦さんは悲しそうな表情をしていた。そう見えるだけで本当に傷ついてるのか? 外見からは全く分からない。


「う、うるさいな! 早く片付けて帰るぞ、ったく、遊んでる暇は無いって言うのに――――」


そして言葉を失った。知弦さんはいつも生徒会で使ってるテーブルの上でメイド服の上をはだけさせた。赤い情熱的な下着が見える。そしてその下には零れんばかりの胸が自己主張していた。


「――――、なっ、な、な、何してるんですかっ!」


そう言いながらも先ほどとは違い目を瞑れずに凝視してしまう。だって単純に綺麗だったから、夕日に当てられた肌に潤んだ瞳、頬をピンク色に染めている。そんな知弦さんから目を逸らせなかった。


「キー君が気付いてくれないから――、それならこうするしかないじゃない」


今度は下のスカートを徐々に下ろしていく。下は見えそうで――、見えない。って違うっ!


「気付かないって何をっ!?」


「キー君が好きって事――、私が天邪鬼なのも悪いんだけどね」


好き? いつも弄るに弄って本性の全く見えない知弦さんが俺を?


「なんかの冗談ですか?」


「冗談で男の子の前で脱ぐと、私がそんな女に見えるのかしら?」


そう言われると何も言えなくなってしまう。プライドの高い知弦さんがそんな事をする訳がない、そう、特別な人の前以外では。


「じゃあマジで――」


「えぇ、本気よキー君はどうなの? 私の事――、好き? それとも――――嫌いかしら?」


メイド服をはだけさせ、本気な、真剣な目つきで俺に訴えかけてくる。元からこちらの答えは一つしかない。


「そんなの――、好きに決まってるじゃないですか」


主導権を握られてるのが気に入らなくて、ついそっぽを向いてしまう。


「っ――」


知弦さんが何か言葉を発した、その直後には俺の胸に飛び込んで来ていた。肌蹴たメイド服のまま俺の腕の中へ、殆ど転ぶような形でだ。


「凄く――、うれしぃ――」


最後の方は言葉を噛み締める様に知弦は言った。そして俺の腕の中で嬉し涙を流す年上の女性、知弦さんには悪いがとても可愛いと思った。





「もう大丈夫ですか?」


薄らと目尻に涙を溜めている知弦さんを気遣う。知弦さんは小さく頷いた。俺はそんな知弦を抱き抱えて元座っていたテーブルに座らせた。それにしても知弦さんのメイド服は際ど過ぎる。もうほとんど脱げてるのに近いし。


「ありがとキー君」


柔らかい元の知弦さんの笑みだ、その笑みを見ると俺も嬉しくて微笑んでしまう。


「うっ、それよりもその格好どうにかしてください!」


俺が顔を真っ赤にして言うと知弦さんはいつもの余裕たっぷりな顔をした。絶対弄られる。俺はそう直感した。


「ほんとね――――、そうだわ」


本当に悪人みたいな笑顔だな。完全に悪女だよこの人。


「ご主人さまぁ」


凄い猫撫で声だ、背筋がゾワゾワとする。凄い甘い声、脳髄に直接響いてくる様だ。


「不出来なメイドにお仕置きしてくださいますかぁ?」


「――――」


カァーっと顔が熱くなるのを感じる。知弦さんがクスクスと笑ってるのが聞こえる。物凄い恥ずかしい。


「知弦さん――」


俺は唸る様に知弦さんを見る。


「フフ、してくださいますか?」


もう限界だった。というかここまで誘惑されて動かなかったら据え膳食わぬは男の恥という物だ。


「いくらでもしてやりますよ――」


知弦さんに歩み寄り前から押し倒す。テーブルがガタッと音を立てて揺れるが気にしない。そしてそのまま知弦さんに口づけをする。


「んっ、ふぁっ――、じゅる、ごしゅひんはまぁ」


「ん、ふぅ、ぴちゅ」


お互いに舌を絡ませ合う、まるでそれを長年望んでいたとでも言わんばかりに激しいキスをする。


「ぴちゅ、ぴちゃ――、ぷはぁ、はぁ、はぁ」


そしてお互い唇を離す。お互いの唇から細い糸が伸びる。知弦の目は蕩けていた。
そして知弦さんの唇に付いていた唾液を舐め取ってやる。


「キー君、私今凄く幸せよ」


「俺も、です、でももっと幸せにしてあげますよ」


俺は知弦さんの髪を手で梳いてあげる。知弦さんは擽ったそうに眼を閉じた。その隙を狙って知弦さんの柔らかい首筋に唇を寄せる。


「あっ――、っ」


知弦さんは擽ったそうに首を竦めた。しかしそれくらいで逃がす俺ではない。


「やっ、擽ったいっ」


上擦った声で言う知弦さん、顔を紅潮させていてとても可愛い。


「やめた方がいいんですか?」


俺は知弦さんの首筋から顔を離して言った。


「キー君わざと言ってるでしょ?」


知弦さんは少し不機嫌そうに言った。そんな顔も物凄く可愛かった。


「えぇ、わざとです、怒ってますか?」


「少し、怒ったわ、でも続き、してくれたらいいわよ?」


知弦さんからお許しを貰い再開させる。知弦さんの肌蹴ているメイド服の上を脱がせる。そして現れる真っ赤な下着。それを脱がせると大きな乳房が現れた。とても柔らかそうだ。


「一応自信あるつもりなんだけど――、どうかしら?」


頬を林檎の様に赤くし、照れながら言う知弦さん。そんな知弦さんに優しく声をかけてやる。


「大丈夫、凄く綺麗ですから」


そして知弦さんの胸の突起に唇を寄せて試しに舐めてみる。


「ひゃうっ」


知弦さんの声とは思えない声が飛び出した。ただの少女の様な声だ、いつもの大人の女性を思わせる知弦さんはどこへ行ったんだろうか、しかしこんな知弦さんも大好きだ。


「あぁ、はぁぁぅ、っぅ――」


右の乳首を優しく舐めたり甘噛みする、その度にビクッと震える知弦さんの体、左の胸も優しく左手で弄る。知弦さんは途中から右手の親指を噛んだ。どうやら声を聞かれたくないらしい。


「知弦さん、声抑えないでください、もっと知弦さんの可愛い声、聞きたいです」


「っ――、はずかし、ぃわよ」


必死に堪える知弦さん、左手を知弦さんのアソコへ当てる。そして数本の指を這わせた。


「あぁぁっ、ひうっ! ぁぁぁっ」


堪えられなかったらしく喘ぎ声を上げた。滅茶苦茶興奮する。


「恥ずかしいって答える割にはもうこんなんですよ?」


「ぁ、っぅ――」


知弦さんは必死に堪えていた。自分の人差し指を噛み締め、目尻に涙を溜める。もっとやってあげたらどうなるんだろう? と想像するとワクワクしてくる。


「さてと」


俺は知弦さんの下半身の方へ移動する。知弦さんは先程の余韻で抵抗する様子がない、知弦さんを下から見上げる、二つの大きな双丘からツンと立っている可愛いピンク色の乳首がまた可愛い。


「じゃあ知弦さんの可愛い下を拝見――――」


知弦さんは片手で下を必死に抑えていた。頬を赤く染めながら目を閉じて堪えるそれは――、凄いそそる。


「キー君――――、ダ、メ」


ハァハァと熱い吐息を吐きながら上から俺をみつめてくる知弦さん。


「大丈夫、俺に任せてください」


「でもっ、はずかし――――」


知弦さんは本当に恥ずかしい表情を――、いや、少し恐怖も混じった表情だった。


「全く、世話の焼けるメイドさんです」


俺も知弦さんと同じくテーブルに寝転がり知弦さんの隣に寝る。そして優しく抱き締めてあげた。


「これでどうですか? 少しは気が紛れると思ったんですけど――――」


再び俺の胸の中に居る知弦さんはまるで子供の様だった。


「凄い暖かい――」


顔をすりすりと俺の胸に擦りつけてくる。俺はそんな知弦さんの頭を優しく撫でる。


「どうですか? 少しは気が紛れましたか?」


胸の中から顔を上げて俺を見上げる知弦さん、そんな知弦さんに俺は試しに聞いてみる。


「もう大丈夫、だと思う、わ」


そう言って俺を見る知弦さんの目は決意を帯びた目だった。これなら大丈夫だろう、俺はそう思った。


「じゃあ続き、大丈夫ですよね?」


「えぇ、もう大丈夫よ、その、さっきはごめんなさい」


声のトーンを落として言う知弦さん。


「普段は完璧に見えるけど、そんな知弦さんだってただの女の子って事ですね、分かってます。大丈夫ですよ」


「その、幻滅したかしら?」


「する訳ないですよ、大人でクールな知弦さんだって勿論大好きです、弄られすぎるとたまにムッとしちまう時もありますけど、でも今の普通な女の子で弱々しい知弦さんも可愛くて大好きです」


そう言うと顔を真っ赤にして、直ぐに俺の胸の中に顔を伏せて逃げてしまう。


「はぁ、それじゃあさっきの繰り返しになっちゃいますね」


俺がはぁと嘆息すると知弦さんは顔を上げた。まだ顔は真っ赤だったけど少し怒り? みたいな物も感じられる。


「だ、大丈夫よ!」


何が大丈夫なのかさっぱり分からない顔をしている癖にそんな事を言う知弦さん。俺は苦笑いで答えた。でも大丈夫なんだから大丈夫なんだろう、多分。


「じゃあ続き、いいですね?」


「え、えぇ」


結局不安そうな顔をする知弦さん、表情がコロコロ変わって面白いったらない。余裕を無くした知弦さんってこんな感じなんだなぁ、と俺は思った。


「ん?」


俺は知弦さんのアソコに手を当てて疑問符を浮かべた。知弦さんのアソコは既に準備万端という感じだった。まだ何か弄った訳でもないのになんでだ?


「んっ、キー君っ、何か凄い興奮するのっ、ぁっっ――――」


知弦さんは体を弓なりに反らせた。少し触っただけで、だ。そう言えば本で読んだ事がある。体で感じさせる方法と心で感じさせる方法だ、女性は二つの方法で感じさせるといいとか。そういう事か。


「本当に大丈夫そうですね」


俺はズボンを脱いで自分の物を出した、俺の方は既に準備万端だ。そりゃ知弦さんの上気した顔とか体見てれば自然とそそり立つだろう。立たない奴は同性愛者か病気だ。


「はぁぁっ、くぅぅ」


知弦さんの膣へ先端部から徐々に入れる、みっちりと詰まっている所へ自分の物を入れる度に知弦さんが甲高い声を上げる。そしてグニグニと収縮する膣がまるで俺の物を欲しがる様に奥へ奥へと誘導してくる。


「くっ」


俺はその快感に思わず顔を歪める。


「キー君もっ、気持ち、いい?」


知弦さんは恥ずかしそうな笑顔を浮かべる。


「俺も気持ちいいですよ知弦さん」


俺はそう言ってから一気に入れた。


「ぁぁっ――、んふぁっ」


高い声を上げてから脱力している知弦さん。俺の方も唇を噛み締めてなんとかイクのを堪えた。グチュグチュと俺の物を揉み立ててくる知弦さんの膣、初体験の俺にはとてつもない刺激だった。


「知弦さ、ん、大丈、夫――、です、か?」


俺は脱力しきっている知弦さんに声をかける。すると体がピクッと動いた。


「キー君――、大――、丈夫よ、だから沢山感じさせ、てっ――」


潤んだ瞳で懇願してくる知弦さん、俺は「はい」と応えて知弦さんの頭を撫でてやる。恥ずかしそうに目を細める知弦さん。そして俺はゆっくりと動き始めた。


「ぁ、ぁっ、んっ、」


断続的に聞こえてくる知弦さんの喘ぎ声と甲高い声、そして堪えようとする声、知弦さんの色んな声で興奮がどんどん高まる。


「知、弦、さんっ――――」


俺は知弦さんを抱きしめながら腰を振る、子宮口をコツンコツンとノックする度に背中がゾワゾワっとなる。知弦さんに包まれているという感覚が堪らなく気持ちよかった。


「キー君――、きてっ」


知弦さんからも強く抱きしめられた瞬間に俺も強く抱き締め返す。そしてその瞬間にお互いの限界を迎えた。俺は白濁を知弦に注ぎ込み、知弦さんはそれを受け止め、受け入れる様に膣をキュッキュッと締めてきた。


「すいません、知弦さん、ダメだ」


知弦さんに断りを入れてからそのまま体を預ける。俺の体力が限界を迎えていたからだ。知弦さんはそのまま俺を受け止めていてくれた。知弦さんの抱擁はとても温かく素敵な物だった。





「ねぇキー君、私の夢聞いてくれる?」


その後日が落ちても学園に居る二人、後片付けを済ませ元の制服に着替え終わった後、二人で窓際に立ち満月を見つめていた。知弦さんは満月を見つめながら言った。


「はい?」


「私ってこういう性格だからどうしても人に頼られたりとかしちゃうのよね。常に冷静沈着な優等生、そんな私の夢、普通の女の子でありたかった」


「――――」


俺は黙ってそれを聞いていた。すると知弦さんはこちらを向いた、そして――


「でも夢叶っちゃったわね、キー君が私を普通の女の子にしてくれるから、私を支えてくれるから――、頼っても、いいかしら――――?」


笑顔で言う知弦さんの顔は月明かりに照らされてキラキラと綺麗に輝いていた。


「聞くまでもないです、好きなだけ寄りかかってください」


俺は知弦さんの方を向いて言った。すると知弦さんは「じゃあ早速」とか言って俺に背中を預けて来た。


「寄りかかってもいいんでしょう?」


顔は見えないけど知弦さんのご機嫌な声が聞こえてきた。俺は黙って知弦さんの頭を撫でてやる。この人をこれからも支えて守っていこうと、そう俺は決意したのだった。


参考情報

2010/11/02(火) 20:13:08~2010/11/02(火) 20:17:26で8レスで投稿。
李杏さんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレで8作品目。
最初は名無しさんだったがのちにコテつけ忘れと判明したので統合。



  • 最終更新:2011-10-30 03:52:46

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