板こんにゃくさんの小説1

本文

今日の雑務を終わらして家路につく。
誰もいない家に帰るのにも大分慣れてきた。
いつものようにカップラーメンのお湯をわかす。
ちょっと固めの麺のほうが好きなので沸いたお湯を注ぎこんで2分10秒待つ。

プルルルルル、プルルルルル、

ちょうど食べようとしたときに電話が鳴った。
少しばかり不機嫌になりつつ着信表示をみるとどこかでみたことがあるが登録していない番号
「もしもし?」
「ハァーイ、ケン」
電話口から聞こえてきたのは忘れようと思っても忘れられない声。
「その声、飛鳥か!?」
「…ああ、そうそう飛鳥、飛鳥、私事故っちゃって50万ほど必要なの。だから今すぐ振り込んで」
「応答した途端コイツ自分から名前出してくれたぜって感じの振り込め詐欺になるのやめてもらえますか!」
「講座番号は¥¥¥の¥¥¥¥」
「バレバレにも関わらず続行!?しかも伏字が¥!」
「早くしないと、ケンのお母さんが!お母さんが!!」
「さっきお前自身でしたよねえ!」
…まったくあいつは変わらないな。

「…んで?何のようだよ?」
「だからケンのお父さんが大変なの!」
「それはもういいって。だいたいまた変わってんじゃねーか。だから何の用だよ?」
「いや?特に用はないけど?」
「…」
コイツ、今まで音信不通だったてのにたったこれだけのために電話してきたってのか?
「だって…ケンの声が聞きたっかんだもん…」
「んな!?え?おまっ!それ?!」
「まあ嘘だけど」
「って嘘なのかよ!」
「…くふぅ……いいにゃあ…」
…この野郎
「まあ用ってのはたいしたことじゃないの」
途端に真剣な声になるのでつられてまじめに聞き返す。
「…なんだよ?」
「あのね…」
ゴクリ

「お金貸して」

「結局金なのかよ!!」
「私のお金はケンのもの。ケンのお金は私のもの。」
「それどこのジャイ○ン!?」
「あとケンの住所教えてくれる?」
「この流れで教える奴がいると思うか?」
「⑱⑱⑱⑱⑱⑱⑱⑱⑱⑱⑱⑱ ⑱⑱-⑱ね。わかった」
「突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込めばいいかわかんねえ!!」
「もう、突っ込むなんて…ケンのエッチ♪」
「おかしくね?!ここでそのセリフおかしいよね!?いやエロくなったのは認めるけど!」
「義妹に『この童貞の不能野郎』と言われて喜んでいたあのケンは、もう…いないのね……」
「喜んでない!そのセリフ言われたとき俺本気で自殺考えたから!」
「実はそのセリフを言わせたのは…私、なの。」
「知ってるよ!今明かされる衝撃の事実みたいに言われなくても知ってたから!」
「ケン、話が進まないんだけど?」
「何でちょっと怒ってんの!?話をまったく進めないのはお前ですよねえ!」
こいつとは何年たっても同じやりとりをしているんだろうな…

「ケン、明日何の日か知ってる?」
「明日?…バレンタインだろ?」
「それでケンは誰かからもらえる予定は無いよね?」
「何でそんな聞き方なのか聞いてもいいか?」
「アンタの魅力は私だけが知っていれば十分だからよ。」
「………お前それ言ってて恥ずかしくないか?」
俺はおそらく顔が真っ赤なんだが
「まあそんなことはどうでもいいの。明日アンタにプレゼントがあるから楽しみに待ってなさい。」
「はあ?何だその某団長様みたいな言い方は。もっと詳しく説明しろよ。」
「じゃあねケン。」
プツッ
ツーツーツーツー
くそっ。切やがった。相変わらず唐突の二文字が似合う女だ。
そこでふと机の上を見てみると伸びきったラーメンが佇んでいた。

次の日
学校にて


俺は頭を抱えこんでいた。
理由はいうまでもなく昨日の飛鳥からの電話だ。
「プレゼントか……」
幼馴染からのプレゼントからと聞いて心がときめかない奴は少ないだろう。
だが俺はその少数派だった。
理由は今までアイツからもらったプレゼントが原因だった。

前のバレンタインの時にはチョコ風呂をプレゼントされた。
これだけ聞くとどこかの温泉のイベントかと思うかもしれない。
だが違う。

アイツは俺ん家の風呂をチョコまみれにしやがったのだ。

おかげで一ヶ月は風呂からチョコの匂いが消えなかった。

その前の時にもらったチョコは普通のチョコだった。
俺の両手分くらいのちょっと大きめの大きさでハート型だった。
そう。それだけならよかった。
問題は

ガラナチョコだったということだ。

しかもそれを全部食べさせられた後密室に林檎と二人っきりで閉じ込められた。
…あの時の俺を心の底から褒めてやりたい。

そんなことを考えていると
「おーい。お前ら席に着け。HRをはじめるぞ。」
という声がした。
どうやら真儀瑠先生が入ってきたようだ。

「早速だが今日このクラスに転校生がやってきた。」
クラス中から歓声とどよめきの声が上がる。
いつもの俺なら真っ先に『美少女ですか!?』と質問するところだ。
しかし今は飛鳥からのプレゼントのことで頭がいっぱいで顔を伏せたままでいた。
「とりあえず転校生の紹介だ。」
どんなプレゼントがくるんだ?
やっぱバレンタインらしくチョコ関係か?
「それじゃあ入ってきてくれ。」
だとしたらわざわざ電話してきたくらいだ。
よほどの自信作だろう。
ガラッ
ピシャッ
「今日からこのクラスの一員になる…」
いやアイツの思考回路を普通と一緒にしてはいけない。
俺を期待させる為だけに電話してきた可能性も十分すぎるほどある。むしろそっちのほうが高いくらいだ。

「松原飛鳥です。よろしくお願いします。」

………
……
「はああああああああああああああああああ!!!!!??????」

アイツのとんでもないプレゼントに俺は驚愕することしかできなかった。



「はああああああああああああああああああ!!!!!??????」

アイツのとんでもないプレゼントに俺は驚愕することしかできなかった。


「おい、どうした杉崎。いきなり叫んだりして。」
俺の突然の絶叫にクラス中から視線が集まる。
だがそんなことには構っていられない。
言いたいことや聞きたいことがありすぎて何をいいだせばいいのかわからない。
アイツを見ると俺の反応を予想していたのか、ニヤニヤと笑っている。
「じゃあ松原の席は杉崎の隣がいいな。椎名、席を下げてくれ。」
………
……
は?
「ちょ、ちょっとまってください先生。なんでそうなるんですか?」
「そうだぜっ、アタシも納得できねーぞ!」
「理由か?まず一つ目、杉崎のさっきの反応を見る限り杉崎と松原は知り合いだろう。転校してきたばかりでは知り合いが近くにいたほうがいい。」
…反論できない。何だかんだでこの人ちゃんと教師やってるよな。
「理由その二。そっちのほうが面白そうだから。」
…こんなにはやく前言撤回することになるとは。
まあこの人は一度言い出したらもう何を言っても無駄なのであきらめることにする。
深夏もそのあたりはわかっているようでブツクサと文句を言いながらも机を下げていた。
…ちなみに深夏の後ろの席は二人ほどいるのだがその二人はもうすでに机を下げていた。
……このクラスときどき訳わからん団結力を発揮するよな…
「んじゃめんどくさいのでHRはここまで。杉崎は松原の机を職員室まで取りに来い。」
文句の一つも言いたいがこのままだと飛鳥は立ったまま授業を受けることになるのでおとなしく先生について行く。

机を教室まで運ぶとタイミングよく授業が始まるチャイムが鳴った。
「あ、杉崎君。これから隣の席だね。何かと迷惑かけると思いますがよろしくお願いします。」
「…」
「それでね?まだ私教科書届いてないの。だから悪いけどみせてもらえないかな?」
「…」
無言で飛鳥側に教科書をよせる。
「ありがとー♪」
「…おい、飛鳥。」
ドスの利いた低い声で呼びかける
「杉崎君だめだよ。今は授業中なんだからちゃんと授業受けないと。」
………
……
う…

うっぜえええええええええええええ!!!
なにこの親の都合で転校に慣れてしまってフレンドリーって感じのャラ!?
うざくてしょうがないんだけど!
もちろん普通の美少女だったら大歓迎ですよ?
言ってることだって正論ですよ?
でも飛鳥の正体を知ってる人間としてはあきらかに作っている感じがするんだよ!
とは言えここで突っかかると俺の負けなのでおとなしくする。


昼休み


俺は飛鳥を屋上に呼び出した。
「何、杉崎君?いきなり屋上に呼び出したりして?ひょっとして一目ぼれ?」
「… もうそのキャラいいから」
「ふう…やっぱりケンはごまかせないか…」
「お前が俺をそのキャラでごまかせると思っていることに戦慄を感じるをえないんだが。」
「それで?何について話あいましょうか?」
「そうだな…」

「最近のアニメの質の低迷化について話し合いましょうか。」

「しねえよ!」
「2009年冬のアニメなんてひどかったじゃない」
「その2009年冬にこのシリーズのアニメ放映されてるんですけど!?。何でお前はアニメ界にケンカ売ってんの?!?!」
「違うわよ。スタジ○ディーンにケンカ売ってんのよ。」
「よりにもよって生徒会シリーズをアニメ化してくださったところじゃねーか!!」
「ついでに京○アニメーションにもケンカ吹っかけましょうか。」
「ついででアニメ界の大御所にケンカ売るなあああああああああああああああああ!!!」
「ふう、さてと…」
飛鳥もいい加減に危ないと悟ったのか話題を切り替えるそぶりをみせる。
なんだかんだ言って引き際はわきまえている奴なのだ。

「次はニンテンドー○Sゲームの質の低迷化について」
「その話もダメええええええええええええええええ!!」
全く引き際を考えていなかった!
「えー」
「えーじゃない!」
「えへ♪私またやっちゃたみたいね。てへりこ☆」
「その星崎○望みたいなキャラやめろ!」
「てやんでえ。しゃらくさいよお兄ちゃん」
「今度は森○葉か!!」
「宇宙人、未来人、超能力者がいたら私のところへ来なさい!以上!」
「全くもって流れに関係ない上に訳わかんねーーーーーーーーーーーーー!!!」


はあ…はあ…
いかん完全に飛鳥に流れを掴まれている。
つーか何でこいつがあのエロゲを知ってるんだ…
「そんなに叫ぶことないじゃない。私が超常現象を好きなことくらい知ってるでしょ?」
「そりゃ知ってますけどね…」
「あ、ツチノコ」
「そんな生物が屋上にいてたまりますか。」
「いるわよ、ほら。」
振り返るとそこには…
………
……
何もいなかった。
「こんなオチだと思ったよ!」
「…やっぱりケンって単純ねえ。弄りがいがあるわ。」
「そこまで笑顔になることかなあ!」

キーンコーンカーンコーン

「「あ、」」
「昼休みが終わったみたいね。」
「…そうみたいだな。」
「じゃあこの話はまた後ってことで。」
「…そうだな。」
………俺飯食ってないじゃん…


放課後
生徒会室にて


「生物は変化があるからこそ進化していくのよ!」
会長がいつものようぬにパクリ名言らしきものを言っていた。
「それで?何でキー君はそんなに疲れた顔をしているのかしら?」
「いや、たいしたことじゃないんですけどね…」
「そーいや、飛鳥がやってきてからなんか鍵の元気ないよな。」
「…深夏、飛鳥と話したのか?」
「ん?ああ話したぞ。席も近いしな。」
「… どんな印象だ?」
「いや普通にいい人だろ。正直何で鍵があそこまで叫んだのかわからないぞ。」
「え?お姉ちゃん何があったの?」
「いや、それがな…」
深夏が朝のことをみんなに説明しているようだ。
しかしアイツはもうクラスに溶け込んでいるようだな。
と少し安心したりする。
まあもともと外面だけはいいのであまり心配してなかったのだが。
「…それは私も気になるわね。」
知弦さんが視線をこっちに向けてくる。
どうやら話は終わったようだ。
「そうだよ杉崎。話して楽になっちゃいなよ。」
「いえ、ですからたいしたことじゃないですって…」
「たいしたことじゃないなら話せるわよね?」
「うっ………わかりましたよ。説明します。飛鳥は俺の幼馴染なんです。」
「「「「なーんだ。」」」」
………
……
「「「「ってええええええええええええええええ!!」」」」」


たいしたことじゃないようなリアクションの後みんなが絶叫していた。
「え?ちょっと待ってキー君!幼馴染って!?」
「前に言ってた義妹と複雑な関係になったってあれか?!」
「まあ、そうだけど・・・」
………
……
しばらくしてみんなが落ち着いた時会長がぽつりとつぶやいた。
「そりゃ、そんな人が転校してくれば驚くよね…」
「しかも同じクラスとくればね…」
「真冬は杉崎先輩の言っていた幼馴染が実在していたことに驚きです…」
コクコクコクコク
みんな一斉に首を縦に振っていた!
「え?ちょっと待ってください。もしかしてあんなにシリアスモードで言ったのにみんな信じてなかったんですか?」
「いやだって…ねえ?」

「「「「杉崎(鍵、キー君、杉崎先輩)だし。」」」」

「俺ってそんな認識なの?!」
「鍵なら妄想の幼馴染を作りだしても不思議じゃねえもんな…」
「俺そこまで現実と二次元をごっちゃにしてないから!」
「自分では幼馴染だと思ってるけど向こうは杉崎のことを認識してなかったりとか。」
「痛っ!俺痛っ!それただのストーカーじゃないですか!」
「現実は非常なのよ、キー君…」
「それはフォローじゃありませんよねえ!遠まわしに会長の言ったこと肯定してますよねえ!?」
「大丈夫です。現実では先輩に愛をそそいでくれる男性がいます!」
「何で男限定なんだああああああああああ!!!」

ハア…ハア…
何だこれは、今日は俺がアウェーの日か。
今日は本当に気苦労が耐えない日だな。


でもその飛鳥って人わざわざ転校してきた理由があるんじゃないの?」
「…わかりません。昼休みに聞いてもはぐらかされるばかりで。」
「ダメだよ!」
会長の突然の大声に俺ばかりでは無く生徒会役員全員が驚いた顔をしている。
「杉崎がそんな弱気でどうするの!詳しくは知らないけど後味のいい終わり方じゃなかったんでしょ!?」
「それは…」
「そんな人が転校してきたんでしょ!何も理由がないはずないじゃない!!」
「…」
なにも言い返せない。
会長の剣幕に圧倒されてしまっている。
「それとも杉崎のとってその飛鳥って人はその程度なの!?積極的に動くまでも無い人なの!?」
「!バカなこと言わないでください!間違いなく飛鳥は今でも俺の大切な人です!!」
「だったら今すぐにでも聞きに行きなさいよ!大切な人なんでしょ!!」
「それはできません。」
「何で!?」

「俺にとってはこの生徒会も大切だからです!!!」

「「「「!!!!」」」」
「もちろん、飛鳥のことはきっちりと後で本人に聞きます。…それじゃ、いけませんか?」
「……………………じゃない……」
「え?」
「いいに決まってるじゃない!」
そういって会長はいつもの笑顔を見せてくれた。


一週間後


今日の雑務を終わらして家路につく。
考えていることは、当然飛鳥のことだ。
この一週間何度も飛鳥に聞いてみたのだがそのたびにはぐらかされてばかりだった。

「ヤッホー。ケン。」
「え?」
家の前にはちょうど考えていた本人がいた。
「お前、いつからここに?」
「学校が終わってからずっといたから5時くらいからかな。」
「5時って…今9時だぞ?4時間もいたのか!?」
「ま、ね。」
バカかコイツは!今2月だぞ!
触れると予想通り体は冷え切っていた。
「そんなとこに突っ立ってないで入れ!」
鍵を開ける。
「おじゃましまーす♪へー意外と片付いてるじゃない。」
「そんなのいいからさっさとシャワー浴びろよ。」
「はーい。」


飛鳥が風呂に入っている間にアイツの着替えを準備する。
「着替えここにおいとくぞ。男物のスウェットだけど我慢しろよ。」
「下着は?」
「ある訳ねーだろ。」
「え?無いの!?」
「何でそんなに驚くんだよ。」
「ケン、昔から女装が趣味だったじゃない。」
「そんな趣味持ったことありませんけど!」
「ま、サンキュ。」
「おう。」


しばらくして飛鳥が風呂からあがってきた。
「おう。あがった……か」
そこにいた飛鳥は


バスタオル1枚だった。

慌てて顔を背ける。
「ちょ、お前っ、その格好っ!」
「あ、驚いてる驚いてる。」
「そりゃ驚くだろ!」
「いやーそんなに驚いてもらえると私もこんな格好したかいがあるってもんだよ。」
「え?何?お前その為だけにそんな格好したの!?」
「……そうだったら、どうする?」
「襲う。」
「即答ですか。」
「んなくだらない理由で怒らないほど俺は人間ができてないんで。」
「それだけじゃ、ないよ。」

「……ケンに襲われるため。…だったら、どうする?」
「襲う。」
「変わらないのね。」
「んなこと言われて理性がとばないほど俺は人間ができてないんで。」
ハラリ
何か布が落ちる音がした。
「…… いいよ。襲って。」
プツリ
何か切れたような音がした。
「飛鳥!」
飛鳥に襲いかかる。
「きゃあ!」
「いいよな?」
「ダメって言ったら止まれるの?」
「無理だな。」

「…大丈夫、ダメなんて言わないから。…ケンの、好きにして。」

え?何これ?
コイツ本当に飛鳥ですか?
いや容姿がいいのは知ってたよ?
だけどこんなにしおらしいのを見せられると可愛いなんて思ってしまうじゃねーか!


「ああ……ん、んん………ふう……」
気がつくと俺は飛鳥の胸を揉んでいた。
「ケン……いい………そこ、ん………」
いつだったか俺は童貞だと生徒会メンバーに言ったことがあったがそれは嘘だ。
「んふぁあ、ん……あ、ん……んぁ………」
実際、俺は飛鳥と付き合っている時に童貞を卒業している。
「ひゃう……んく……あぅ、はあ……んん……」
優しくゆるやかにあえて先端に触れないように愛撫する。
このやりかただとすぐに…
「ケン…触って……」
こんな具合に飛鳥が求めてくる。
「ん、わかった。」
飛鳥の下腹部に手を伸ばす。
しかし指を入れることなどでせずにあくまでなでるだけ。
「え……くぅ…ん、」
「どうした?」
わかっているがあえて聞いてみる。
「べつ……に………なんでも……」
まだ完全に理性がとんでないようだ。なので…
「ひゃうっ」
わざと一瞬だけ触れる
「してほしいことがあるのか?」
「もぉ……いじわるぅ………しないで…」
「何が意地悪なんだ?」
「ちくび…いじ、って……よぉ……」
顔を真っ赤に更に涙目で懇願されては聞くしかあるまい。
「ん……んあ…んん…ん……んぅ…」
指で軽くつまむだけで敏感に反応してくれる。
「あ…ふう……ん…くぅ……んぁ……」
その間も下腹部をなでる動きをとめない。
「んん…ん…ん…ふあっ」
十分に飛鳥が高ぶってきたところで乳首にしゃぶりつく。
「ちょ……けん、いきなり……んんっ」
舌で何度も押し込むようになめる。
「んん…だめ……だめだめだめぇ……」
とどめとばかりに乳首をちょっと強めに噛む。
「んああああああああああああああっ!!」
飛鳥が体を弓なりにしならせる。
どうやらイッたようだ。


「ケン……うまく、なって、ない…?」
「…まあこの2年間いろいろとあったからな。」
「……そう…」
飛鳥の瞳に明らかにさっきまでのとは違うじわりと涙が浮かんできた。
「ちょっ、お前、どうしたんだよ!?」
「だって、ケンが、他の、人と、こんな、ことっ、したって、思うとっ…!」
「いやしてないから!さっき言ったいろいろってエロゲやってたってことだから!」
なんで最中にこんな恥ずかしいこと言わなきゃならないんだ…
まあ飛鳥が泣いているよりマシだが。
「本当……?」
「ああ本当だ」
「うれしいっ!」
普段は全く見せない甘えきった笑顔。
その顔が可愛すぎて…
「…そういうお前こそどうなんだよ?感度上がってるみたいだけど俺以外の男に抱かれたんじゃねーの?」
ついこんな意地悪なことを言ってしまう。
………小学生か俺は。
「え……ふ、ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
「悪かった!俺が悪かったから泣くな!」
マジ泣きされては謝るしかない。
全般的に俺が悪いしな。
「ケンのこと想って自分でしてただけだもん!他の人になんて抱かれて無いもん!」
「わかった!わかったから!泣き止めって!!」
ほんとに今の飛鳥は打たれ弱いな。
普段の飛鳥なら軽く言い返してくるだろうに。
「キス…して」
「ん、」
ただ触れるだけですぐに離れるバードキス。
多分飛鳥が望んでいるのはこっちだから。
そんなキスで俺達は再びスイッチが入ってしまう。


「いくぞ?」
俺のものをとりだし飛鳥の秘部にあてがいながら問う。
「ケン、きて…」
許可を得て腰を進めはじめる。
「んんっ…んあっ……んんっ…あっ……」
途端に飛鳥が俺を締め付けてくる。
「んぅっ……はぁ…んっ…くぅっ…」
「全部、入った、ぞ…」
「うごいて……」
「わかった。」
緩やかに腰を引いていく。
「ああ……ふう…ん…はあ……」
ぎりぎりまで引いた後いっきに最奥までうちつける。
「くぅあっ…あ…ひゃ……んっ…」
その一連の動作を繰り返す。
「ひゃっ……く…ん…あ……」
だんだんとそのストロークが早くなってきた。
「あっ…んんっ……ん……」
もはや2人とも理性はない。
「おくっ…にっ……けんっ、けんのっ…がっ…」
「どう、した。」
「あたってっ…きもちっ…いいのぉ……」
あるのは雄と雌の本能だけ
「んひゃあっ……んく…もっと、もっとぉっ……」
更に貪欲に快楽を求めてくる。
「ああっ…んっ……いぃっ…いいのおっ…」
だから俺はその快感を与える
「けん…わたしっ、わたしっ……もう…」
「ああ、おれ、も、だっ」
「いっしょにっ…いっしょにぃっ…!」
「いくぞっ… あすかっ!」
「きて、きてぇっ!」
そして2人同時に
「「あああああああああああああああああ!!」」
達した。


今俺達はベッドの上で横になっている。
2人とも当然裸だ。
いつ移動したのかとかそんな野暮な突っ込みは無しで。
「ねえケン、 私達これからどういう関係になるの?」
「付き合うんじゃないのか?」
「私はケンが望むならこういうことだけする間柄でもいいよ?」
「… バーカ。みくびんな。」
「え?」
「俺は確かにエロいけどな、好きな女以外を抱くつもりなんてさらさらねーよ。だいたいんな泣き泣きそうな顔で言っても説得力ねーんだよ。」
「………アンタから初めて聞く『好きだ』がこんな形で言われるとは思わなかったわ。」
「あれ?俺言ったことなかったっけ?」
生徒会メンバーにはいつも言ってるから感覚が麻痺してるみたいだ。
「ええ。中学の時に付き合ってたのも含めてこれが初めて。」
「そっか。じゃあ改めて…」

「飛鳥、お前のことが好きだ。俺と付き合ってくれ。」

「私、めんどくさい女よ?」
「知ってる。」
「いつもアンタを振り回すよ?」
「今更だな。」
「私、アンタが生徒会を優先したら怒るよ?」
「… 悪い。多分そうとう怒らすと思う。」
「……彼女よりも生徒会のほうが大切?」
わかってる。
この答えはとても苦しめるだろうということも。
この答えはそうとうむしのいいことだというののも。
だけど同じ過ちを繰り返さない為にも言わなければならない。
「選べないな。今の俺にとって生徒会はかけがえの無い場所だから。」
「バカ…」
これで振られてもしょうがないと思う。
それだけのことを俺は言っている。
「…しょうがないか。こんなバカって知ってて好きになったんだもんね。」
「それじゃ…!」

「私も、アンタが好き。こんな私でよければ喜んで。」

俺達はそうしてまどろみに落ちていった。


参考情報

前編(中線まで)は2010/02/14(日) 22:54:48~2010/02/14(日) 22:57:33で5レスで投稿。
後編(中線から)は2010/03/01(月) 02:04:25~2010/03/01(月) 02:13:32で15レスで投稿。
板こんにゃくさんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレでの初作品。
最初は名無しさんだったが、掲示板でのレスから板こんにゃくさんだと判断。


  • 最終更新:2010-07-08 00:30:44

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