聖さんの小説2

本文

「・・・・・・・・」
知弦さんに俺の思いを伝えて両思いになってから5日後。
世間一般の高校生達には至高の休み(いわゆる春休み)の真っ最中
俺は今、数少ない金で買ったスタジャンを着ていて―――
「うーむ・・・早く来すぎてしまった・・・」
―――1人駅前で突っ立っていた。

『初デートは遊園地?前編』



「待ち合わせは12時だよな・・・」
ちなみに今日は知弦さんとの初デートであって。
楽しみで早く来すぎた・・・なんてことはないんだからなっ!
「今の時刻は・・・・・、10時か」
携帯を出して時刻を確認する。
どう考えても早く来すぎてしまった。
待ち合わせまで2時間もある。
「さて・・・暇だな。」
取り合えず今日の予定を確認しておくか。
今日は2人で遊園地に行くことになっている。
ちなみにチケットはくりむさん(卒業式の時に「もう会長じゃないんだからっ!!」と言われたので、そう呼ぶことにした)が知弦さんにあげたらしく、くりむさん曰く「商店街の福引で当てちゃったんだけど、私は特に行く人はいないからペアチケットだし杉崎と行って来たら?」と言ったらしい。
いや、なんというか初デートが人から貰った物(しかもくりむさん)ので行くのは気が引けたので、知弦さんに言ってみたのだが・・・
『あら、せっかくアカちゃんがくれたのに無駄にするき?』と微妙に黒オーラが出ていたので頷くことしかできなかった。
「ま、少しでも支出が減るのはいいことだしな。」
数少ない生活費から出さないといけないのでデート代が少しでも少なくなるのは嬉しいことだ。
「くりむさんには感謝しないとな♪」
うん。感謝感謝。
「で、まだ10時半か・・・」
あと一時間半・・・か。
・・・よし。
俺はポケットから―――
「バ○テス」
バ○テスを取り出した。
これで時間を潰せる!
「立ちながら読むのはさすがに通行人の邪魔になるな・・・」
今日は春休みであっても平日なので働きに行く人達などが多い。
「噴水場の方に行くとするか・・・」
あっちにベンチがあるので向かうことにした。





side~紅葉知弦


「・・・早く来すぎてしまったわね」
今は11時前。
キー君との待ち合わせの時間まで約1時間。
キー君にデートが楽しみで早く来すぎたなんていったらどんな反応するかな?(実際そうなんだけど・・・)
そんなことを考えていたら―――
「――― あら?あそこに座ってるのは・・・」
わたしは噴水場の方に向かってみた。



「・・・・・・・」
噴水の所に来たまではいいんだけど・・・
「ぷぷっ・・くく、くく・・・」
・・・・・本を読みながら笑いを堪えているキー君の顔が見えた。
「ホントおもしろいなぁ、バ○テス」
なるほど。
それで笑いを堪えていたのね・・・
キー君の顔を見ているのも面白いんだけど、そんなわけにもいかないので話しかけることにした。
「キー君」
「試○召還獣か・・・改めて考えるとすごいな・・・・」
・・・・・反応がない。
「キー君。」
「なになに、心理テスト?・・・これって当たるのか?」
・・・・・また反応がない。
「キー君」
「木下○吉・・・男なのに可愛いと思うのは俺だけか?」
・・・・・・・・・・・・私はポーチから鏡を取り出し―――
「いやそんなことは・・・って、いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
―――キー君の頭に迷わず振り下ろした。

side~杉崎鍵
「いやそんなことは・・・って、いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
バ○テスを読んでいたら突如頭に激痛が!!!
誰だ!?こんなことするのは!?
そう思って本に向かってた視線を上にあげたら―――
「って知弦さん・・・?」
―――そこにはご立腹であろう知弦さん・・・俺の彼女がいた。


「キー君あなた・・・普通彼女ほったらかして本に没頭する?」
「えっと・・・?」
いきなりなことで頭が回らない(頭に激痛がするからかもしれないが)
「まったく・・・何度も話し掛けたのに・・・」
「えっ?そうなんですか?」
・・・全然きこえなかった。
ってあれ?
「知弦さん、待ち合わせ時間まで1時間早くないですか?」
今はまだ11時になったばかりである。
「えっ!そ、それは・・・」
珍しく知弦さんが慌てる。
ホント付き合い始めてから色んな表情をみるなぁ
「今日・・・楽しみだったから・・・・・」
俯いてて表情は見えないが、おそらくめちゃくちゃ恥ずかしいのだろう。
やべぇ・・、正直いってかなり萌えた。
「・・・実は俺も今日が楽しみだったから1時間前には来ていました。」
「一時間って・・・いくらなんでも早すぎじゃないかしら」
「それだけ、楽しみにしていたってことですよ。」
そういって知弦さんをまじまじと見つめる。
知弦さんの私服は初めてみたが・・・すごい似合っていた。
上は白の長袖のカーディガンで、その下には薄い水色のカットソーを着てて、下は膝上程度のスカートをはいていた。
「えっと・・・キー君?」
じっと見ていたのがばれたのか、少し頬を赤らめ上目遣いで聞いてきた。
「え!?あ、いや・・・知弦さんに見とれていて・・・」
「・・・・・」
本音が出てしまった。
知弦さんは顔全体が赤くなっていて・・・
「・・・・ありがとう」
そう小声で呟いた。


「じゃあ・・・行きましょうか」
「ええ・・・そうね」
そう駅に向かおうとして―――
「っ!?キー君!?」
―――俺は知弦さんの手を握った。
うん。柔らかい。
「あれ?もしかして駄目でした?」
「いえ、そ、そうじゃないけど・・・ちょっといきなりだったから」
「じゃあ、次からはちゃんと言ってから握りますね」
そういったら・・・
「・・・・・」
なぜか咎めるような視線を送ってきた。
あ、あれ?なんか間違った?俺?
「はぁ、ホントキー君って鈍いわね・・・」
なんか鈍いって言われた。
・・・・・何が?
「その様子だとわかってないみたいね・・・まぁキー君らしいからいいけど。」
そう言って、握っていた手を知弦さんは解いて―――
「えい」
―――腕に絡んできた。
「!?!?!?ち、ち、ち、知弦さん!?」
えっ!?なに!?何が起こったの?
知弦さんが俺の左腕に・・・柔らかいものが俺のうでに!!!
「あら、さっきキー君だっていきなりだったじゃない。お互いさまでしょ?」
「でもっっ。これとはレベルがっ!」
だって、知弦さんのむ、胸が!!
「うふふ。そういいながらもキー君嬉しそうよ?」
「・・・・・はい」
正直たまりません。
「じゃ、問題ないわね。いきましょう」
そういって腕を組みながら俺たちは駅に向かった。

side~????

杉崎達が行くのを確認したら、私は電柱柱の影に隠れていた2人に声をかける。
「行ったわね・・・さあ行くわよ!みな、いえ違うわね・・・サマー、ウィンター!」
「・・・なぁ、ホントに行くのか?」
「・・・まふ、ウィ、ウィンターは気が進まないです・・・」
私とは対照的な二人がそう言う。
「なにいってるの!あのハーレムハーレムって言ってた杉崎と恋愛ごとに興味なさそうな知弦がデートなのよ?これはおも・・・コホン。心配じゃない。」
「今面白そうって言いかけなかったか?」
「そ、そんなわけないじゃない。私は知弦の親友だから心配で・・・」
「余計なお世話ですね。」
「と~に~か~く!あの二人を追うわよ!」
「まぁ・・・確かにあの二人がデートってのは気になるな。」
「うん。ウィンターも一応気になるしね」
そういって二人がやる気をみせる。
「よ~し。それじゃあの二人を追うわよーーー!」
「「おーーー」」
私たちは二人を追いかけた。



side~杉崎鍵

約1時間くらい電車に揺れながらも俺たちは目的地―――
「ディ○ニーシー・・・」
―――そう俺たちはあの有名な遊園地に来ていた。


『初デート?は遊園地中編』


「それにしても・・・平日なのに結構こんでるわね」
「そうですね・・・まだ入ってすらいないのに」
今俺たちがいるのは入場門なのにこの込み様・・・気が滅入る。
しかも―――
「―― 周りにいるのはカップルばかり」
さすがは有名な遊園地というべきか圧倒的にカップルが多い。
「でもキー君。私達もそのカップルに分類されてるのよ?」
いまだに腕を組みながら知弦さんは答える。
・・・あぁ、至福の時だ・・・
「はい。俺たちも・・・なんですよね。」
そんな気持ちを隠しながらも答える。
しかも、そこらへんのカップルの女より知弦さんより美人がいないという。
なんという背徳感・・・
「キーくん?ここにいるのもなんだからそろそろ入場門にはいりましょう」
チケットを2枚ひらひらと見せながらそう言った。
「あ、はい。いきましょうか。」
俺達は入場門に向かった


同時刻・・・



「むむむ、二人とも入っていったわね。さぁ行くわよ、サマー、ウィンター!」
「いや、いきたいのは山々なんだが・・・」
「どうやって入るんですか?くり・・・クリームさんがただで入れるって言っただけでそれ以外はなにも・・・」
「ふっふっふ、貴方たち私を昔みたいな口先だけで動くとでもおもってるのかしら」
「「思ってます。」」
「ちょっと!そんなに即答しなくても・・・まぁいいわこれを見なさい!!」
「「こ、これは!!」」



「ん?」
「?どうしたのキー君?」
「え?あ、いやなんでもありません。」
なんか後ろから聞きなれた声が聞こえた気が・・・・・・気のせいか。
「そう?可笑しなキー君」
そう言いながら左手の一指し指で俺の頬を突付いてくる。
「わっ、や、やめてくださいよ」
「そんなこといって・・顔にもっとして欲しいって書いてあるわよ?」
「あの・・・俺ってそんなにわかりやすいですか?」
ポーカーフェイスには自身があったんだけどなぁ
「えぇ、もっとして欲しいです知弦様。そして私目を鞭で叩いて欲しいですって、顔に書いてあるわよ?」
微妙にSモードになってるし!
「いやいやいや、前者は当たってますけど後者はちがいますから!」
「あら・・・そうなの・・・」
いきなりSモードからしゅんと捨てられた子猫みたいになった。
あ、あれ?もしかしてまた選択ミスった?
「げ、元気だしてください知弦さんになら、叩かれても本望ですから!!」
「ホントに?」
そういって子猫から一変黒いオーラをまとわりながら言った。
・・・あれ?もしかして・・・
「ふふふ、やっぱりキー君は私の思った通りMだったのね。うれしいわぁ♪」
嵌められた!!
普通に嵌められましたよ!!!
「いやいや確かに今それっぽいこと言いましたけど今のは・・・」
「さぁ、キー君今日は楽しみましょうね♪」
スルー!?
完全にスルーされちゃいましたよ!!
「あ、あれ面白そうじゃない?行きましょうキー君。」
「ちょ、え?ええ?」
上機嫌の知弦さんは俺の腕を組んだまま、アトラクションに向かった。
俺はMじゃな~~~~い!!
俺の弁明は知弦さんには届かなかった・・・・・

「ぜぇ、ぜぇ・・・」
「どうしたのキー君?もしかしてもうダウン?」
俺達はは一通りアトラクションに乗って楽しんだ。
けど今はベンチに座っている。
なぜかというと・・・
「そりゃ、あんなに絶叫物に乗ったら普通こうなりますって・・・」
ジェットコースターに 2回、船が回転するので3回、高い所から急降下するので5回も乗った(訂正乗らされた)腕組まれてるから逃げられないし、逃げようとすると・・・「キー君・・・私と乗るのは嫌?」なんて上目遣いの上目をうるうるさせられるから断ろうに断れない。
・・・今考えれば演技なんだろうなきっと。
「でも、私は平気だけど。」
「それは知弦さんだからですよ・・・せめて次は緩いので勘弁してください・・・」
「しかたないわね、それじゃあ・・・・コーヒーカップにしましょうか」
「全然緩くないですよ!?しかも絶対知弦さん、めちゃくちゃ回しますよねぇ!?」
それは勘弁して欲しい。
これ以上は吐きそうだ・・・
「冗談よ。それにもういい時間だからお昼にしましょう」
そういって携帯を見せる。
いつのまにか2時になっていた。
こんなに時間がたっていたのか。
「じゃあ、レストランにいきましょうか。ここからあまり遠くないですし」
パンフレットを広てみたら、ここから70メートルくらいだ。
そう言ったら・・・
「えっと・・そ、それなんだけどね」
なぜか顔を赤くし、いいづらそうに足をもじもじとさせながら言った。
・・・・・ごめんなさい今いけないことを考えてしまいました。
「えっと、どうかしたんですか?」
平静を装いつつ聞いてみる。
「お昼なんだけど・・サンドイッチを作ってきたの・・・それで嫌じゃなかったら・・・・」
徐々に言葉が小さくなるのに比例して顔が赤く染まっていく知弦さん。
え、何?昼飯?知弦さん手作りの!?
「いやっほぅ!!!!!!」
「(びく!)ど、どうしたの?)
大声に驚いたのか、腕を解き少し下がる。
「あっ、すみません。つい心の声が・・・」
「心の声があれなのは引くわよ・・・」
まぁ、普通はそうだよな。
でも・・・
「心の声が変になるくらい嬉しかったんですよ。知弦さん」
これは間違いない。
知弦さんの手作りなんてそうそう食べられるものじゃない。
「も、もう!キー君ったら、素直なんだから」
そういってまた腕を組みなおした。
うむ、青春万歳!!!
「じゃあ、あっちに芝生があるからいきましょうか。」


side~椎名真冬

「よっしゃ、次はあれに乗ろうぜ!!」
お姉ちゃんはパンフレットを片手に何かまた激しそうなアトラクションを指差す。
「いや、深夏!今度はあれに乗るわよ。」
対照的に桜野さんはメリーゴーランドのような物に指を差す。
・・・合わない二人だなぁ。
「なに言ってんだくりむさん!!こんな所に来たら激しいものに決まってるだろ!!!」
「さっき何度も乗ったじゃない!今度はもっとゆる~いのに乗るの!!!」
そういって一歩も引かない二人。
当初の目的忘れてるのかな?
とりあえず私は仲裁に入ることにした。
「まぁまぁ、お姉ちゃんに桜野さん少し落ち着いて・・・」
「「真冬は黙ってろ!!(ちゃんは黙ってて!!)」」
「ひぅ!」
二人に睨まれて、何も言えなくなる。
・・・うぅ怖い・・・
「あれ?あそこにいる人達は・・・」
少し先に見慣れた人達が前方に―――
「―― 中目黒先輩達かな」
「「え?」」
現生徒会の人達がいた

side~杉崎鍵

「はいキー君これで最後よ。あーん」
「あ、あーん」
まさか、あの時の妄想が(知らない奴は日常を読め)まさか現実になるとは思わなかった。
こうして知弦さんにさせてもらえるなんて!!!
最初は少し恥じらいがあったので抵抗してみたが「だーめ、私がキー君に食べさせてあげる」と言うので、なれた手つきで知弦さんは俺の口にサンドイッチを運びこんでくれたのだ。
・・・そういえば知弦さんはくりむさんにしてたんだっけ。
俺が初めてじゃないことに少しくりむさんに嫉妬する。
「とても美味しかったですよ知弦さん。ご馳走さまです」
正直言うと緊張しまくって味などわからなかったがそんなこと言ったら、どんな目にあうか(いろんな意味で)わからないのでそう答えた。
「お粗末様でした。ふふふ、アカちゃんと違ってキー君は素直でよかったわ。アカちゃんったら抵抗しちゃうんだもの」
それは無理にでも食べさせようとするからでは?
そう思ったが言わないことにする。
「それにキー君、嬉しそうに食べるからホント作って来てよかったわ」
満足そうな顔をしてミネラルウォーターを飲む知弦さん。
前から思ってたけど・・・
「知弦さんって生徒会のときにも結構ミネラルウォーターを飲んでいましたよね?好きなんですか」
俺の記憶が正しければそうだったはず。
知弦さんは少し考えこむ仕草をして。
「ああ、あれは家の水道水なのよ。あまり無駄な出費をするのも嫌だし、甘い飲み物は太るからね。」
「へ~そうだったんですか。でも俺には知弦さんは少しくらい太っても問題ないと思いますけど」
そう言って知弦さんの体を見る。
・・・うん。服の上からでもわかる見事なプロポーションだな!
「キー君」
「え?なんです(ぶすっ)」
視線を知弦さんに向けた瞬間み知弦さんの指が俺の目に華麗にキスをした!!!(いわゆる目潰し)
「ぐわぁぁぁぁぁ!目がああああ!!」
芝生の上でのたうち回る俺。
痛い!目が痛い!!
「もう。今のはエッチなキー君に対するお仕置きなんだから」
目はまだ痛くて開けないがおそらく知弦さんの顔は朱に染まってるんだろう。言葉が妙に焦ってるみたいだし。
ていうか、まだ目が開けないぐらい痛い・・・
「それなら目潰しはやめてくださいよ・・・」
「じゃあ鞭で叩かれるほうがよかった?」
「目潰しのほうがいいです」
即答した。
はい。なんて答えたら正真正銘のドMってことになってしまう。
・・・ふぅ、まだ目が痛いがようやく目が開ける
「ねぇキー君。今日何時間くらい眠れた?」
「はい?」
いきなりそんなことを言った。
なんだ?いったい。
「えっと昨日っていうか今日ですね。確か4時間くらいですね」
今日のデートが楽しみだったからあまり眠れてない。
「じゃあ・・・今キー君は眠い?」
「いや、眠い以前に目が痛いです。」
目潰しされたせいで。
「・・・・・」
そう答えたら少し頬を膨らませながら睨まれた。
・・・なぜ?
「で、でも睡眠時間は4時間なんでしょう?だったらもう少し寝たほうがいいんじゃないかしら。ええ、そうしなさい」
焦ったように知弦さんは言って知弦さんは―――
「ほら」
――俺の体を横たわらせて頭を知弦さんの膝に置かれた。
こここ、これは!!!
俗に言う膝枕か!!!!!
「これならよく眠れるんじゃないかしら」
俺の額に手を当てながらそう言った。
「でで、でもいいんですか?遊園地に来たのに」
「あら、キー君はまだ遊び足りないの?それならそれでアトラクションの方に行く?」
そんなことを言う知弦さんに俺は全力で否定する。
「いやいやいや、まさか!知弦さんに膝枕されてる方がよっぽど嬉しいですよ!!」
そう言ったら知弦さんは嬉しそうに目を細めた。
「でも知弦さんはいいんですか?アトラクションとかに乗らなくていいんですか?」
「ええ、アトラクションなんかよりもキー君の寝顔を見てるほうがよっぽど楽しいわ。それに・・・」
「それに?」
知弦さんは顔を赤くしたまま
「キー君に喜んで欲しいもの」
俺の目を見つめながらそう言った。
「・・・・・」
俺は自分でもわかるくらいに顔が赤くなってしまった。
「うふふ、キー君顔真っ赤よ?か~わいィ」
「だって知弦さんがそんなこと言うなんて・・・」
「キー君にはあまり好きにさせてないからね。これくらいはしてあげないと」
「知弦さん・・・」
「眠たくなったら寝ていいわよ」
「・・・じゃあお言葉に甘えて」
俺は知弦さんの柔らかい感触を受けながら俺は目を閉じた・・・



「すみませんでした!!」
俺は知弦さんに頭を下げて謝罪する。
「だからキー君、さっきも言ったけどそのことは全然気にしてないから」
俺が謝るたびにそう決まって返す知弦さん
「でもせっかくのデートだったのに・・・」
しかも初デート!それなのに俺は知弦さんの柔らかい膝の感触の誘惑に負けて寝てしまった。
男として最悪だ・・・
もう一度謝ろうとしたら
「私を家まで送ってくれたら許してあげるって言ったでしょう。だからこの話はもうお終い。」
妖艶の笑みで俺の唇に一指し指を当ててくるものだから、なにも言えなくなってしまった。
「ってもう着いてしまったわ・・・」
残念そうに言う知弦さん。
何時の間にか知弦さんの家(マンション)についていた。
生徒会の時にも言っていたけど高級そうなマンションだなぁ
「じゃあ・・・・ここでお別れですね」
「え、ええ」
少し名残惜しいがしかたない。
「それじゃ知弦さん、今日は楽しかったです。またどこかに行きましょう」
そう告げまた今度と言おうとしたのだが―――
「あ、あのキー君?」
知弦さんに遮られた。
「どうしました?」
「えっと、あの・・・よかったら・・・・・家に上がっていかない?」
「・・・・・・え?」
今なんと仰いました?
い、家に来ないかっていわれたら・・・・・俺も健全な男子であって期待してしまう。
「今日親は明日まで帰って来ないの、だから・・・・・」
俯き、俺の袖を軽い力で掴みながら言う。
・・・・・小動物みたいで可愛いな~~
「えっと・・・・・・いいんですか?」
「も、もちろん」
袖の掴む力が少し強くなった。
俺は知弦さんの瞳を見つめてみたが、断られたらどうしようという考えがあるのか目はもう半分水分が溜まっていた。
普段クールな知弦さんがそんな風にしてたら断れないわけで―――
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
―――承諾した



「キー君、はい紅茶。」
「ありがとうございます。」
知弦さんは紅茶のティーポットと二つのティーカップを持ってきてサイドテーブルに置く。
俺は今知弦さんの部屋にいる。
俺の知弦さんの部屋のイメージとはだいぶちがっていて、物が少ないかと思っていたが結構雑誌とか(ち○おとかリボ○)があったし、ぬいぐるみも普通に置いてあった。
当たり前だが知弦さんも女の子なんでなぁと少し失礼なことを考えていた。
「ダージリンティーにしてみたんだけどどうかしら?」
知弦さんが紅茶の感想を求めてきた。
紅茶を一杯飲んでみる。
・・・・・うまい
林檎にもいれてもらうことがあるが(紅茶はなぜかいれられる)明らかに知弦さんの方が美味しかった。
「はい、とても美味しいですよ。」
笑顔で答える。
「そ、そう・・・・・・良かったわ。」
知弦さんも笑顔で返す。
その笑顔に一瞬心臓がドキッと高鳴った。
やっぱり知弦さんの笑顔素敵だなぁ。
「どうしたの?」
少し呆けていたのが変だったのか知弦さんは聞いてきた。
「いえ、ただ知弦さんの笑顔は素敵だなぁって」
素直に白状すると
「ふふふ、ホントキー君は素直ね。私キー君のそういう所好きよ」
そう言って知弦さんは―――
「ふっふっふ、素直は俺の長所のひとっっっ!?」
―――俺にキスをしてきた。

「ち、ち知弦さん!?いいい、いきなりどうしたんですか!?」
突然のことに思考回路がエラーしてどもりまくってしまった。
「キー君にキスしたくてキスしたんだけど。だめだったかしら?」
「ま、まさかむしろ、バッチコイヤーーーーーーーーーですよ!!」
思考回路と言語回路がエラーしてるためにアホなことしか言えない俺
「じゃあそうするわね」
「え?」
何を?と聞こうとしたが―――
「んっ」
ーーー知弦さんがキスをしてきてきたので聞けなかった。
しかも・・・
「ん・・・ふ・・・・ちゅ」
「んっ!?」
知弦さんが舌を俺の口内に入って来た。
いきなりだったのでなにがなんだかわからなくなったが、俺は本能に従い知弦さんの舌を絡める。
「ん・・・ちゅ・・・んちゅ」
ぴちゃ・・・となんとも言えない音が部屋に響く。
唇を合わすだけなら何回かあるが、ディープキスなんてしたことない。
俺はギャルゲーなどで見たシーンを思い出しながら知弦さんと舌を這わす
「ふ・・ふぁ・・・・んふ・・・・はぁ・・」
「ん・・・・ぷはぁ!」
俺は耐え切れず唇を離して酸素を求める。
「エッチなキス・・・しちゃったわね・・・・・・」
と艶めかしくいうもんだから、もちろんこの俺ががまんできるわけなく。
「知弦さん!!」
「えっ?・・きゃぁ!」
おれは知弦さんを押し倒した。
「キーく・・んっ・・・ふ・・・・」
知弦さんが何か言う前に唇をふさぎ今度はこっちから知弦さんの口内を犯す。
「はぁ・・ちゅ・・ん・・ちゅ、ぴちゅ、くちゅ・・」
知弦さんの舌の裏側や歯茎をなめて喉の奥にも侵入させる。
「ああ、ふっ・・・はぁぁっ・・!」
そうとう感じてるいるのかびくびくと知弦さんの体が震えていた。
一度俺は知弦さんかの口内をむさぼるのをやめて知弦さんの顔をしっかり見て聞く。
「知弦さん・・・していいですか・・?」
もうこんなことしてしまったからもう後には引けないが、まだ何も言わずにするのは気が引けたので問う。
「もちろん。私を押し倒したんだから、ここまでしてやめますなんて言ったら後が怖いんだから。」
妙に強気になりながら言う。
「じゃぁ・・・します」
「ん・・」
知弦さんの両肩に手を添えキスをする。
ただ触れ合うだけのキスだがこれが心地よい。
知弦さんの唇はふっくらとしてやわらかいため何度してもあきる気がしないのが不思議だ
そして俺は知弦さんの服を脱がした。
「すげぇ・・・」
知弦さんのブラはシンプルな黒だった。
俺はいつの間にか下着越しに触っていた。
「ふぁ・・」
切なそうに吐息を吐く。
予想はしていたが知弦さんの胸はボリュームがあって、下着越しからさわっても柔らかい。
俺はたまらずブラを上にずらしてじかに揉み始めた。
「や、ああ、そんな・・胸さわっちゃ」
柔らかい胸に少し力をこめて揉む。
下着越しよりじかに触ったほうが何倍もきもちいい。
豊満な胸を揉みながら知弦さんの唇を奪う。
「ふぁっ、ん、ふ、んちゅ・・・んむ」
知弦さんも頬を赤くしてどこかぽーとしながらも舌を絡めてくれる。
俺は唇じゃなくて今度は乳首を舐める。
「やぁぁ、そんな乳首舐めちゃ、ああっ!」
乳首はもっとも感じると聞いていたが本当だった。
現に知弦さんは顔を仰け反らせて振るえている。
「あっ、ん、ふぁ・・やぁ、んぁぁっ!」
胸を舐めるのをやめて俺は知弦さんのスカートを脱がす。
「えっ?あっだめっ!キー君下はっ!」
少し抵抗していたが俺は聞こえないふりをして脱がした。
「うぅ・・脱がさないでって言ったのに・・・」
羞恥に見をふるわせて俺を潤んだ目で睨む知弦さん。
いつもみたいにクールな雰囲気はもう消えていたため、俺は少し悪戯感が芽生えた
「あれぇ~?知弦さんここなんかもう濡れてますよ」
「なっ!そ、そんなわけないじゃない私がかんじるなんて」
案の定反論してきたが今は俺のほうが優勢だ
「じゃぁ・・・これでどうですか?」
下着から割れ目をなぞる
「ん、ふぅ・・ぁ」
けどさっき俺に言われたためか声を手で抑えている。

「だめですよ知弦さん。声を抑えちゃ」
知弦さんの手首を掴んで手を放させる
そして下着越しからずっとじかに触らず撫で続ける
「は・・・あぁ、んぅ・・」
どこか物足りそうにしながら声を出す。
そうずっと撫ぜていると・・・
「キ、キー君」
「どうしました?」
なんとなく言いたいことがわかるがあえて惚ける。
「あの、そろそろ・・・」
「もしかして・・・下着越しじゃ物足りなくなったんですか?」
「っ!そ、それは・・」
「あれ?さっき感じないとかどうか言ってませんでしたっけ」
そういうと知弦さんは泣き始めた。
「ぐすっ、お願いキー君・・・・もう我慢ができないの・・」
急に泣き始めてしまうから俺はたまらず抱きしめた。
ミントのいい香りが鼻をくすぐる。
「すみません・・・知弦さんが可愛くてつい・・」
「・・・バカ」


俺は知弦さんの下着を脱がしてじかに触る。
「あっ、ああああんっ!」
今までよりも遥かに凄い反応する。
もう知弦さんの秘部は愛液でぐしょぐしょだった。
指の腹で擦っていたら小さな突起に当たった
「ひゃぁぁ、そこはだめぇぇぇ!!」
知弦さんの声がいっそうに艶がました。
やばい・・・もうがまんできそうにねぇ
「知弦さん・・・もう俺・・」
そういうと伝わったのか知弦さんは
「ええ・・・わたしももう我慢ができないわ・・・・」
と言った。

「痛かったら痛いっていってください、すぐにやめますから」
「だめよキー君。気遣ってくれてるのは嬉しいけどそれは駄目。痛いっていっても絶対にやめないでね」
そう笑顔でいった。
「じゃあいきますね・・」
「え、ええ」
知弦さんの顔が強張った。
やっぱり口ではいっても不安なんだろう。
「大丈夫。やさしくしますから」
「あ・・うん」
そう言って両手を握る。
表情が安心するのを確認して不意打ち気味に一気に腰を突き出す
「ん、ああああああああああああっ!!!!」
俺の手を強い力で握り締める。
おそらく尋常じゃなく痛いのだろう、下を見ると結合部から愛液に混じって血が流れていた。
「知弦さん。入りましたよ全部・・俺たち繋がっています・・」
すこしでも痛みを和らげようとキスをする。
「んっ、ふぁ、んちゅ、ちゅ・・ええ私達・・繋がっているの・・・ね・・」
涙をながしながら笑顔を見せる。
いままで見た笑顔の中でも一番綺麗だった、泣いてる知弦さんを見てこんなことを抱くなんて不謹慎だと思ったがそれほどまでに綺麗だった。
「キー君動いて・・もっとキー君を感じたいから・・・それにもうがまんできないんでしょう?」
「ええ、もう本当はめちゃくちゃにしたいですけどやっぱり知弦さんに痛い思いをさせたくないんで」
「さっきも言ったけど私のことを心配してくれるのは嬉しいけど、キー君に我慢させるのはいやなの。だから・・・めちゃくちゃにして」
最後の言葉は俺の首に抱きしめ、耳元でささやく。
・・・すみません、もう理性は保ちません。
「ふ・・んっ・・あ、あぁっ・・くぅ・・・ん・・・!!」
腰を全力で叩きつける。
結合部からぐちゅぐちゅ言ってる。
「知弦さん聞こえますか、この音すごいいやらしいですね」
「ふぁ、あああ・・・キ、キーク・・んっ、そんなこといわないでぇ・・・・あああっ!!」
だんだん気持ちよくなってきたのか知弦さんの顔はもう涎をだらしなくたらせて目はさっきよりも新しい涙を流している。
・・・知弦さんってこんな顔するのか。
「きもちいいわ、キー君あぁぁぁ!!」
くっ・・・何か頭が白くなって来た。
もうなにも考えられねぇ!!
「あああ、キー君すきぃ、だいすきぃ!!」
うわ言のように言う知弦さん。
「俺も大好きですよ・・・知弦」
繋いでいた両手をはなして知弦さんを抱きしめて耳元で名前を囁く。
すると
「っ!!!もうだめぇぇぇ!!あ、あああああああああああああああっっ!!!!!」
急激に中が締まりだした。
朦朧とする頭で考えて、頭の隅でさすがに中はやばいと思ったのですんでのとこで引き抜いた。
「くっ!すみません知弦さん!!俺もっ!!!」
びゅく!びゅるるる!!
知弦さんのお腹に精液がかかる。
「はぁ、はぁ・・・ん・・・ふ・・ぁぁ・」
知弦さんと俺は疲れながらも裸で抱きしめあう。
「キー君・・・これで私はキー君の物・・いえキー君は私のものよ・・」
「ははは、そうですね・・・」
やっぱり知弦さんは知弦さんだなぁと思いつつ俺たちは抱きしめ合いながら、幸せの気分で目を閉じた・・・
「・・・・・キー君・・愛しているわ・・・」
眠りに落ちる前になにか聞こえた気がした・・・・
俺も・・・愛してます・・・・・


そのころ・・・
「さぁーーーー今日はオールナイトよーーーー!!!」
「「「「「「おおーーーーーーー!!!!」」」」」」
7人はカラオケに行っていた。
「アイドルの力を見せてあげるわよ!!」
「まて!姉貴それはやめてくれ!!」
「じゃあ僕が歌おうかな・・・ピポパっと・・・BLアニメED『今宵はベットで』っと」
「あ、中目黒先輩!真冬も歌いますぅ」
「なにわけのわからん歌をいれてんだよ!!カラオケっていったら燃えだろうが!」
「そうね!深夏!!ここは戦隊物で行きましょう!!」
「なにいってるの!!最初は一番大人な私でしょ!!!
当初の目的ははたされず



後日談1『初デート?は遊園地』お終い

参考情報

前編(最初から中線まで)は2009/09/01(火) 22:55:27~2009/09/01(火) 22:57:02で3レスで投稿。
中編(中線から中線まで)は2009/09/03(木) 02:41:27~2009/09/03(木) 02:43:53で3レスで投稿。
後編(中線から最後まで)は2009/09/05(土) 23:42:33~2009/09/06(日) 00:01:40で4レスで投稿
聖さんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレでの2作品目。
前作の後日談。
途中で名無しさんになっていますが前後の流れから聖さんと判断。
掲示板での訂正により、一部訂正してお送りしています。



  • 最終更新:2010-07-04 16:14:41

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