Kさんの小説4

本文

~誰にも負けない笑顔で~

鍵視点

とある秋の下旬。
授業という過程をクリアした俺こと杉崎鍵は、生徒会室へ向かうべく、同じ予定の深夏と話していた。。
「さってと、俺のハーレムと戯れる時間がやってきたぜ!な、深夏!」
「それはよかったな。少なくともそのハーレムにあたしは入ってないから」
「おいおいそりゃないぜ深夏。あの夏、言ってたじゃないか」
「あ?なんて」
「俺が本当の男となった暁には、結婚してやらなくもないぞと」
「言ってねーよ!勝手に人の過去を捏造すんな!!」
いつものような掛け合い。深夏は何時も俺の言動に飽き飽きしている。
それでも・・・
「ほら鍵、生徒会室まで競争だ。あたしが買ったら、明日はお前の奢りだからな!!」
こいつのとびっきりの笑顔ときたら、可愛すぎるぜ・・・。って・・・競・・・争?

「ちぃーっす!って・・・あれ?」
「誰も・・・いない?」
そう、誰もいなかった。
「真冬はともかく、会長さんに知弦さんまでいないのか?」
「チョイ待った、真冬ちゃんはどうしたんだ?」
「あ、いや、ゲームで夜更かしして風邪ひいちまってさ」
真冬ちゃんらしいねぇ、本当に。
「まいったなぁ・・・鍵と二人きりかよ」
・・・・・・。
「今・・・何といった?」
「まいt(ry」
「深夏と・・・二人きりだとっ!?」
「(あ… 地雷踏んだかも)」
「深夏っ!!」
「なっ、何だ!?」
「ここは二人きりの生徒会室、ハーレム大魔王こと杉崎鍵と、熱血美少女こと深夏。分かるな?」
「何がだよ?」
「することは一つ!!セ―――」
ドゴッ
「セ・・・セ・・・がくっ」
「ぜってぇ言わせねぇ!!」
「み・・・深夏、後頭部はアカンですたい」
「な、なんか色々混ざってるぞ、鍵・・・」

気を取り直して、今するべきことを考えよう。
「雑談でもしようじゃないか」
「別に、話すことないけどな」
雑談終了。
「いやいや待って!早いよ雑談終了!!」
「帰ろっかな~」
「聞く耳もってぇ!?」
落ち着けフラグ建築士杉崎鍵。ゆっくりと着実に深夏フラグを立てていくぜ。
「深夏は家帰ったら、何するんだ?」
「ん~・・・特になんもしねぇな」
「そんなこと言ったって、帰ってすぐ寝るわけじゃないだろう?」
「まぁな、真冬の看病した後は、勉強して寝るって感じだ」
「真冬ちゃんの看病にものすごく百合百合した展開がっ!!」
「変な妄想すると、頭の形が変わっちまうかもな」
「スミマセンデシタモウシマセン」
全く、敵わねぇな。
「まっ、あたしの日常はそんなところだ」
「この生徒会だけが、唯一の安らぎが得られる場って感じか」
「そう言っても過言じゃないな」
至って平凡な生活、これ以上ないくらいに普通が似合う。
そんなとき、俺の心に何かが引っ掛かった。

「・・・な、なんだよ、そんなに見つめて(///」
その澄んだ瞳をじっと見つめる。
「来年にはもう、内地だったな・・・」
「そうだな・・・」
「深夏はその・・・寂しくないのか?」
「さぁ、どうなんだろうな・・・寂しくないと言ったら、嘘かもしれない」
深夏の顔に、影が射しこむ。
「悪ぃ、似あわねぇよ」
「何がだ?」
「深夏の浮かない顔だよ。お前には笑顔が一番だ」
「・・・何言ってんだバカ(///」

深夏視点

「さってと、そろそろ帰るかな」
「改めて思うが、この生徒会本当に何もしないな」
「鍵がそれ言ってどうすんだよ」
至って普通に返した筈。
それなのに、鍵の顔は俯いていた。
「どうしたんだ鍵?浮かない顔して・・・」
「あ、いや、なんでもない。じゃあな、気をつけて帰れよ」
「そういや、お前は雑務があったな」
「あぁ、すぐ終わらせて帰r・・・深夏?」
たまには・・・付き合ってやるかな。
「あたしも手伝うよ、鍵一人じゃ頼りないからな」
そんな筈がない、鍵は今まで一人で何千、いや何万という雑務をこなしてきた、ある意味スペシャリストだ。
そんな鍵が、頼りない筈がない。
なら、何故あたしは鍵と一緒にいる道を選んだ?
「まぁ、深夏がそういうならいいけどな。すぐに終わらせるから、そんなに手間は掛けさせないけど」
「大した自身だな、流石雑務の専門家だ」
家には風邪を抉らせた真冬がいるのに、あたしは鍵を選んだ。
「それにしても鍵、さっきからあたしの分をじゃんじゃん持っていってないか?」
「深夏はそこにいてくれるだけで十分だぞ」
「なっ、何だよそれ!鍵、お前もうちょっとあたしを頼ってくれても――」
「・・・えっと・・・深夏?」
思わず言っちまった・・・穴があったら入りたい。
「えぇっ!?あ、いや、その・・・(///」
「言ったろ、深夏に雑務なんて向かない、笑っていてくれればいいんだ」
・・・・・・。
「深夏?おーい深夏?もしもーし」

■■■■■■■■■□□□□□ NOWLOADING

「はぁ・・・悪ぃ、帰る」
「え…ちょ、おい深夏!」
駄目だ・・・なんか頭がもやもやする。今日は帰って寝よう。

―翌日―

鍵視点

何時もより重い足取りで生徒会室へ向かう。
昨日の雑務はなかなかの量だったわけで、ストレスが絶頂まで達している。
余談だが、昨日の競走もとい競争で深夏勝てたはずもなく、購買では俺の奢りだった。
弁当食った後にまだ食べるのね・・・。でも深夏、何か不機嫌だったなぁ・・・。
また俺のハーレムに癒されにいくとするか・・・。

「あ、会長に知弦さん、それに真冬ちゃんも、来てたんですね。」
そこには、何時もの生徒会があった。
「あらキー君、ごめんなさい、昨日は用事があって顔が出せなかったわ」
「心配無用ですよ、昨夜にあなたの火照った顔をたんまりとご視聴させていただきましたから」
「す~ぎ~さ~き~、随分と楽しい夢を見たのね・・・」
「かっ、会長怖い!?」
「全く、眼を放したらすぐ変態になるんだから。深夏と二人っきりだからって、変なことしなかったでしょうね?」
「してませんて・・・そういや会長は何故欠席を?」
「うさまろの食べ過ぎ見たいよ」
「いくら甘いからって・・・学校にこれなくなるくらい食べたんですか。将来が不安です」
「全く持って同感だわ」
「ごめんなさい杉崎先輩、風邪のせいであなたに会えませんでした・・・」
「ま・・・真冬ちゃんっ!!俺も会いたかったよ!!」
「ということで先輩、明日発売のゲームソフト、よろしくお願いしますね★」
「はかったな孔明!!」

生徒会は何時ものように駄弁って終了した。
最後まで、深夏は不機嫌状態をキープ。
あぁ、やっぱり秋の木枯らしが寒い・・・。ガクブル

帰宅後、湯船に浸かりながら、俺は深夏のことを考えていた。
来年には内地へ転校する椎名姉妹。それは俺にとって、悲しいことだった。
真冬ちゃんに会えない、深夏に会えない。ただそれだけのことだ。
でも、深夏に会えないということを考えると、胸が痛くなる。
この締め付けられる感覚、昨日も感じた・・・。
「深夏・・・」
気がつけばその台詞ばかり口にしていた。
間違いなく深夏√に直行しているだろう。
俺が引っ掛かっているもの・・・分からない。
何が俺をこんな気持ちにさせているのk

ピンポーン

・・・こんな時間に来客?
ガチャ
「・・・まさか・・・深夏!?」
「・・・よお」
「こんな時間に誰かと思えば、深夏とはな」
「こっちだって、玄関で9割全裸の変態にお出迎えされるとは思わなかったぞ・・・」
「あ… スマン、入浴中だったんだ。すぐ着替えてくるから待っててくれ」
「いや、すぐ終わるからいいz」
「着替えさせてください、木枯らし・・・ガクブル」
「・・・わ、分かったよ」

~鍵生着替え中~

「で、用件はなんだ?」
「その・・・謝ろうと思ってさ」
謝る・・・深夏が?why?
「今日、ずっと機嫌悪かったろ?別に鍵のせいじゃないんだ・・・あたしが勝手に怒ってるだけで・・・」
「あぁ、それは別に気にしてないんだが、わざわざ家に来なくたって良かったんじゃ・・・」
「直接会って謝りたかったんだ・・・。それに・・・」
「・・・それに?」

「鍵に・・・会いたかったのかもしれない」

「おk深夏。風呂に入った後だからすぐにでもs―――」
ドガァッ
「そんなフラグ誰が立てるかっ!!」
「くっ・・・深夏は浴槽での行為を御所望か・・・ガクッ」
「してねーよ!」
「まぁまぁ冗談だって。そんで?」
「え、あ、いや・・・もしかしたら、寂しかったのかもって思ってさ」
「寂しかった?深夏がか?」
「鍵、前に転校のこと話しただろ?あのとき・・・誤魔化していたことに核心突かれちまって・・・不安になったんだ」
「深夏にしては杞憂だな」
「そうだよな・・・でもさ、一つだけ、その不安を紛らわせてくれる場所を見つけたんだ」
「生徒会・・・だな」
「あぁ、そこにいれば笑いが絶えないし、あたしの心の不協和音を消してくれるメロディが溢れてる」
「それでも不安になるのは、その生徒会にもうすぐいられなくなるってことだろ?」
「・・・あたしは、平気でいられる自身が無いんだ・・・」
深夏の視線が、地を見つめる。
「この先の未来、何が起こるのか分からなくて・・・あたしはその未来に何を探せばいいのか、何を探しているのか、分からない」
少し強張った声。しかし・・・
「ちょっと・・・外の空気、吸ってくる」
そう言って深夏は、部屋を出る。
途端に声が弱まったな…。相当思いつめてるみたいだ。
励ましてやりたい。少しでもあいつの不安を取り除いてやりたい。
きっと深夏は・・・内地に帰るという選択を、迷っているんだ。
けど、かける言葉が見つからない。
俺は・・・どうしてこんなに無力なんだ・・・。

深夏視点

成り行きで来てしまった。鍵は迷惑だと思ってるかな。
しっかし、このもやもやした感じは本当なんなんだよ・・・。
ガチャ
「ん、鍵」
「深夏、あんまり外出てると風邪ひくぞ」
「あぁ、悪ぃ、もう帰るよ」
「・・・さっきの」
「ん?」
「さっきの、俺に会いたかったのかもしれないって・・・本当にそれだけか?」
「鍵?どうしたんだ突然―――」
「真剣に・・・答えてくれ」
鍵の様子が明らかにおかしい。普段はこんなこと聞くやつじゃないのに・・・。
「本当にそれだけだよ、お前にとっては嬉しいことなんじゃねーの?」
「お前は・・・生徒会が好きなんだろ?別に、俺じゃなくても良かった筈だ」
「っ!?」
その言葉を聞いた時、あたしのもやもやが一気にゲシュタルト崩壊・・・いやいや吹き飛んだ。
「鍵じゃなきゃ・・・鍵じゃなきゃ駄目なんだ」
「なら教えてくれ。俺は・・・お前に何ができた?」
「いつもいつも、あたしの支えになってくれたじゃんか」
「深夏の支えに・・・?」
そうだ、あたしのことを、何時も傍で支え、見守ってくれたじゃないか。
「最初は、男が理解できなかったんだ。今でも、それは変わらない」
「・・・」
「それでも、鍵だけは違った。仲のいい友としての鍵、何でも話せる、親友としての鍵。あたしは、鍵を本当に信頼してる」
「親友・・・」
「だから・・・不安な時とかは、いつも鍵のことが思い浮かんだ」
「・・・そっか」
「じゃ、そろそろ帰るよ。おやすみ、鍵」
「あぁ、送っていこうか?」
「鍵、意外と心配性だな。でも大丈夫だって」
「そっか、おやすみ、深夏」

「おかえり、お姉ちゃん」
この声は、あたしの妹である真冬。
「なんだ真冬、まだ起きてたのか。病み上がりなんだからちゃんと休んどけよ」
「うん・・・でもお姉ちゃん、コンビニで何も買ってこなかったの?」
「え、あ・・・そう財布!財布忘れちまってさ」
「そうだとしても、随分長かったね」
「ぐっ・・・もう寝なさい!」
ふぅ、我が妹ながらすさまじい洞察力だ。

あぁ寒い、もう寝よう。
・・・・・・。
けれど眠れなかった。
鍵が、鍵が気になって眠れない。
うっ、嘘だろ!この年になってこんな想いしなくちゃならないのかよ!
べ、別に鍵のことが好きってわけじゃないんだからなっ!!
「けっ・・・鍵っ」
無意識にあたしの手は、自らの胸へと延びる。
ムニュ
思ったより柔らかかった。男ってこんなの触って喜ぶもんなのか。
・・・何してんだあたしは。
心では制止させようとするも、体が言うことを聞かない。
「んっ、ふぁっん!」
次第にあたしの頭が昨日しなくなり、体も火照ってきてしまう。
次にあたしの右手は、秘部へと延びる。
「あぁっ!っくぅん、ひゃっ!?」
触ったあたしは、自分の秘部の濡れ具合に絶句・・・しそうになった。
あたしって・・・変態なのかな。こんなになるなんて・・・。
認めたくない事実、それでも指は止まらず、内部にまで侵入する。
クチュ・・ピチャッ
「うあっ!んんっあっあん」
卑猥な水音と共に、淫らな自身の声が部屋に反響する。
「あっあぅ!け、鍵も・・・う・・・らめぇっ!!」
無意識にその名を口にする。けど、その時あたしの頭は真っ白になっていた。
「はっあっ鍵!イッ・・・イクぅ―――っ!!」
まもなく絶頂したあたしは、濡れた布団をどうにかする気力も無く、ただその場に倒れこんだ。

「お姉ちゃん・・・・・・」

―翌日―

この、胸が締め付けられる感じ・・・それは相変わらず変わらない。
収まる気配のない動悸、その正体に、あたしは気づけないままでいる。
思い浮かぶのは、あいつの顔ばかり・・・。
昨夜あたしは鍵に、親友として信頼していると言ったが・・・果たして本当にそうなのだろうか。
もっと・・・大事なことがあるような気がする。

鍵視点

ガチャリ
生徒会室を訪れた俺は、1秒経たないうちに異変に気付いた。
「えーっと・・・深夏は?」
「それがね、今日は来てないみたいなの、学校には来てたんでしょ?」
「ええ、そうなんです。一緒に行こうかと思ってたんですが、いつの間にか居なくなってて・・・」
「どうしたんだろ・・・深夏」
「お姉ちゃん・・・」
会長と真冬ちゃんも、表情が冴えない。
・・・・・・っ!!
「会長すみません、今日は先に上がります!」
「ふぇっ!?ちょ、杉崎ぃ!!」
あいつが行く場所っつったら・・・!

―ちょっと・・・外の空気、吸ってくる―

BAN★
「っ!?」
そりゃ驚いただろう。何故かローマ字表記の上に★まで付けたんだからな(笑)
「けっ・・・鍵!」
案の定、驚いていらした。
「何で、ここが?」
「深夏は思いつめたとき、外の空気を吸いに行く癖みたいなのがあるからな」
「・・・そっか」
「何がお前を縛ってるんだ?」
「・・・わかんねーよ」
"分からない"彼女はそう答えた。
「でもな、一つだけ分かるんだ」
「・・・何がだ?」
「来年になったら、あたしはもう、皆と一緒に居られない。」
・・・それで深夏はこんなに・・・か。
「・・・あたし、鍵に会えて本当に良かったよ―――」
無意識のうちに、俺は深夏を背後から抱き締めていた。
「けっ、鍵!?」
俺だってそうだ・・・
俺は夏に、こいつに会えて本当に良かった。
深夏に出会わなければ、俺不抜けたままだった。
俺は深夏の言葉に、無限大の勇気をもらった。
だったら、次は俺の番だ!
ありふれた言葉だけど・・・真っ直ぐに伝えたい。
「俺が・・・ずっと傍に居る。ずっと支えになってやる。」
「けっ・・・鍵?(///」
「辛いことも、悲しいことも、全部分け合おう」
そうだ、それが今俺に出来る、精いっぱいのことだから。

「好きだ、深夏」

―冬下旬―

「真冬ちゃん、本当に深夏のこと待たなくていいのかい?」
「はい、いいんです・・・。最後に、杉崎先輩と二人で話したいでしょうから。」
・・・はい?
「えーっと真冬ちゃん、それはどういうことかな?」
顔が引きつってるかもしれない。
「昨夜はお楽しみでしたね♪」
「ぬぉっ!?」
案の定、バレていた。まぁ深夏の部屋でだったから・・・そりゃバレるわな。
「でもでも、本当は秋の終わりくらいからしてるんですよね、お姉ちゃんと」
たたかう
まほう
どうぐ
にげる
▶ぜっく
・・・・・・絶句だ。こういうときの絶句コマンドだ!
「お姉ちゃんには、秘密でお願いします」
「え、あ、・・・分かったよ」
真冬ちゃんなりの配慮なのだろうか。
「それと、杉崎先輩」
「ん、何だい?」
「絶対にお姉ちゃんを・・・椎名深夏を、幸せにしてあげてください」
曇り一つない澄んだ瞳。それは、吸いこまれてしまいそうになるほど、俺に訴えかける。
「・・・当たり前だろ」
そういうと彼女は、嬉しさを帯びた顔をし、俺の前から姿を消した。
まるで、冬の夜空に映える雪のように。

―卒業式の日―

会長、そして知弦さんは、めでたく碧陽を卒業、共に大学へ進学することを決めたらしい。
そして真冬ちゃんからは、卒業祝いの言葉が電話で送られてきた。
深夏は、今日の夕方には内地へ向かうらしい。
俺は、生徒会の会長となり、この碧陽学園を、皆が懐かしみ、皆が恥じることのない学園にしていきたいと思う。
そして俺自身も、生徒会の皆に・・・何より深夏に、帰ってきたあいつに堂々と会える男になりたい。

「もう行くのか・・・深夏」
「・・・あっ」
深夏を抱きしめ、その透き通るように綺麗な茶褐色の髪を撫でる。
「深夏・・・俺、待ってるよ。ずっと待ってる」
「・・・心配すんなって、来年の夏には戻ってこれるからさ!」
やっぱり、深夏が笑っていてくれればそれでいい。それは俺にとって、何よりも嬉しい。
「なぁ、深夏」
「何だ、鍵?」
「好きだ」
「ばっ!?いきなり何言い出すんだよ!! (///」
夕陽の光が反射しているのか、はたまた本気で恥ずかしいのか。
深夏の頬は、これ以上ないくらい紅潮している。
「んっ・・・!」
そんな深夏の唇に、そっとキスの雨を降らす。
「あたしも・・・好きだよ。鍵」
始めて見せた、本当の深夏。
それはどこかぎこちなくて、危なっかしい。
けれども、俺にたくさんの勇気と笑顔をくれる。
「・・・鍵、次に会う時までに・・・エロゲ片づけておけよ」
「えーなんでなんで」
「えぇい駄々をこねるんじゃない!約束だぞ!」
お叱りを受けてしまった、やれやれ。
最後にもう一度、そっと付けるだけの口づけを交わす。
空気を読んでくださった乗客の皆さん、誠にありがとうございます。gj!!
「ありがとな・・・鍵」
「・・・じゃあな、深夏」
名残惜しくも手を離し、深夏はバスへ乗り込む―――
「そうだった、深夏!!」
「何だ?小説の都合上そろそろクライマックスにいかねーと」
「それ言っちゃだめ!これ渡して置くぞ」
そう言って深夏の手に、一枚の紙を渡す。

( ̄へ  ̄ 凸ハヤクシロヨリア充

ごめんなさい運転手さん、もう行ってくださいorz
まもなくバスが発車し、着々と深夏との距離が遠くなってゆく。
「鍵・・・絶対、会いに行くからな!!」
窓から顔を出した深夏の声が、微かに聞こえる。
「・・・分かってるって」
きっと来年の夏、最高の笑顔で俺のもとへ舞い戻ってくれるだろう。
俺も、もっとお前に相応しい男になるよう、努力するよ。リア充言われたけどな。
視線が天を仰ぎ、呟く。

「・・・またな、深夏」

深夏視点

現在、内地行きバス内。
「鍵のやつ、何で手紙なんてよこしたんだ?」
疑問を抱えつつも、手紙を開く。
「言いたいことがあるならあの時言えばよかったのに・・・。何々?」

―― 背景 深夏どん

なんか色々間違ってやがる・・・。背景じゃなくて拝啓だろうが!つかどんってなめてんのか鍵(ワナワナ
と言いつつも、続きを読み始める。

 俺はお前に何度も助けられた。
 どうしようもない俺に、深夏は喝を入れてくれた。
 深夏のおかげで、今の俺がいる。
 正直俺は、深夏のために最大限尽くせたんじゃないかと思ってる。
 だけどそんなのは俺の自己満足で、本当にそうだったかどうかは分からない。
 だから、次に会う時まで、俺はお前が満足できる男になろうと思ってる。
 深夏も、あんまお転婆しないで元気に過ごしてほしい。
 そんでまた、お前のとびっきりの笑顔を見せてくれ。
 どんなに辛い時も、俺はお前の傍にいるから。
 それだけは、忘れないでほしい。
 あ、内地にどんな男がいても浮気すんなよ?
 俺も浮気はしないよう努力するよ、多分。
 俺が居なくて寂しくなったら、何時でも電話してくれ。
 ぶっちゃけ、俺も寂しい。
 深夏の手のぬくもりが恋しい。
 深夏の存在がとても大事だった俺にとって、暫く会えないってのはかなり辛いんだ。
 でも、俺の傍には、何時だって深夏がいる。
 そう思えば、平気さ。
 なぁ深夏、未来ってさ、追いかければ追いかけるほど分からなくなっていくんだ。
 だから、この先俺たちにどんな未来が待ってるかも分からない。
 でも、それが確かじゃなくてもいいんだ。
 迷いも不安も脱ぎ捨てて、ただひたすらに透き通った未来を追い続ける。
 追い求め続ければ、お前の言っていた"探していた答え"も、きっと見つかるからな。
 本当は、お前が内地に行くのを引きとめたかった。でも、お前が大事だから、大切だからこそ、引きとめなかった。
 だから、次に会う時を楽しみにしてるよ。
 最後に・・・

 ―愛してるぞ、深夏―

「・・・・・・(///」
えちょ何これっ!?恥ずかし。
こ、こんなの、反則だろ・・・。
「・・・馬鹿」
口では素直になれなかった。
けど、鍵の気持ちは、痛いほど伝わってきた。
あたしが不安を抱いていた未来、それに対する迷い。
鍵の言葉は、あたしを勇気づけてくれた。
鍵・・・あたしも、愛してる・・よ。
やはり改めて言ってみると、とてつもない羞恥心に晒される。
あたしはその手紙を、大切にしまった。

―翌年の夏至―

夏至だからって、あいつはゲシゲシ言ってないだろうか。いや、あいつの場合ゲスゲスか。
あたしは今、碧陽の門の前にいる。
そう、鍵に会いに来たのだ。
向かう場所はただ一つ、生徒会室。
懐かしさに心躍りながらも、一歩一歩と歩いてゆく。

扉の前、男性が、ぺったんこと言いながら机を何かで叩いているような音がする。
今年は二人とも居ないし、あたし達姉妹も転校した。あいつ一人で雑務は相変わらずなんだな。
あたしはあいつと・・・未来を追いかけたい。二人・・・一緒でな。
深く深呼吸をし、思いっきり扉を開く。
約束・・・だからな。
あたしは、誰にも負けないとびっきりの笑顔で―――

「ただいま、鍵!!」

参考情報

2010/01/04(月) 01:51:01~2010/01/04(月) 01:54:03で8レスで投稿。
Kさんの生徒会の一存のエロ小説を創作してみるスレで4作品目。



  • 最終更新:2010-07-06 01:27:44

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード